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私の過去世④

前回わき目も降らずに泣いた
紫宸殿の前を通り過ぎようとした時・・・






「まだ帰りたくない!!!!」



と、いきなり声が聞こえてきた。



え?何?
私しゃべってないけど?


「もっとここにいたい!!!!」



え?
えええっ!?



なななんと
その声は私の内側から聞こえてきたのだ。
内側といっても、脳内の神経伝達物質を経由して
恐らくは私の頭の中から聞こえてきたと思われる。


なんでそんな声が聞こえたのか
全く理解できなかった。
そそそんな、帰りたくないって言われても・・・
その声に従ってこのまま
京都御所にいるわけにもいかないし・・・
(真面目かっ)


「必ず戻ってくるからね、また来ようね」


と自分に声をかけ、京都御所をあとにした。


その後新幹線の時間が迫っていたので
急いで京都駅に行き無事新幹線に乗るのだけれど
東京行きの新幹線の中でも
あの声は誰の声だったんだろうとずっと考えていた。
私の中から聞こえてはきたけれど私の声ではないから・・・



これは


私の前世の人の声だな!?


という結論に至った。
(若干少年探偵団チックで、すみません)


前世の人であれば、前回初めて京都御所に来た時に
あそこまで号泣したのもなんとなく理解できる!


でもなぜ京都御所の中でも
紫宸殿という場所に来た途端に号泣し
「まだ帰りたくない!」と声が聞こえたのか。
京都御所のパンフレットを改めて見返してみた。
京都御所のいくつかの殿舎のうち
天皇が普段居住していた清涼殿に対して
紫宸殿はオフィシャルな行事が執り行われていた場所らしい。
という事は、その行事に関わっていた人だったのか。
はたまた、天皇をお慕い申し上げる
京都御所に未練たっぷりな人だったのか。
それともオフィシャルな行事の最中に
何か悪い事をして捕らえられてしまった人なのか。
いやいや、だったらここから立ち去りたいはず・・・
もう全然見当もつかなかったけれど
前世の声が聞こえちゃったからには
また京都に行くべきだろうか。
それとも京都御所について調べるべきだろうか。


そんな事を考えているうちに
仕事があまりにも忙しくなり
しまいには体調を崩してドクターストップ。
あれよあれよという間に前の会社を退職。
その後は派遣社員として今の会社で働く事となった。
そんなバタバタな日々によって
京都御所での二度に渡る不思議体験は
私の頭から完全に忘れ去られていた。


つづく

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