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マザーウォーター

監督:松本佳奈 2010年公開

水でつながる街のおはなし
ある人はコーヒーを淹れ、ある人は豆腐を作り、
ある人は銭湯、ある人は水割り
この街に流れる水が人と人とを結んでいく

『かもめ食堂』、『めがね』、『東京オアシス』の流れを汲む
ゆっくりと時間が流れる映画です

舞台は京都
どのシーンを切り取っても、京都の街並みが素敵です
中でも鴨川沿いに座り込むシーンが印象的
映画を観ていることを忘れて、景色にうっとりしてしまいます

鴨川の川べりでジン(永山絢斗)とマコト(もたいまさこ)が
座り込んで話すシーンは何度も観てしまいました
マコトの台詞がかっこいい

”あんたが決めていいのよ
自分の決めたことならどうなったって面白いよ
どっちに転んだってなるようになるよ
いいから一度転んでみな”

映画全体に流れる優しい空気の中に
時々はっとさせられる言葉が漂っています

なんと言っても、出てくる人たちの距離感が心地いい
つかず離れず、けれど困った時には助け合う
家族じゃないけど、家族のようなそんな関係
子ども(ポプラ)を街の人で育てられるって、とっても素敵ですよね
芽が出たばかりの木の苗を、みんなで育てている感じ

よく「水が合う、合わない」なんて言ったりしますが、
きっとどこかに合う水の街があって
それはどんな形でも、どんなに小さくても、どんなに儚くても、
そこが「この(私の)街」になっていくんだろうなと思ったりします

何かに迷ったらきっとまたこの映画を観るだろう、そんな映画です

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