【ネタバレあり】すずめの戸締まりの感想が上手くまとまりません

新海誠さんの初期の作品から観てきたファンが新作すずめの戸締まりを観てきた感想です。

展開急すぎでは

終始主人公の感情についていけない自分がいました。
最初「え、そんな自由に色々やって大丈夫なん?」と思っていたのも束の間、おいおいそんなことまでしてしまうんかいな、とどんどん主人公がとんでもなく色々な行動をし始めます。
こういう動き方をするのってだいたいは理由が明確にあって本人の中では筋が通ってたりするものだと思うのですが、今作に関してはその辺もどうなんだろうというか…いや全く説明されてないというわけではないんですけど、いやそれにしても展開が急すぎでは、と思わざるを得ませんでした。

天気の子の時もこれは少し思ったんですが、今作よりも周囲の無理解さが丁寧に描かれていた気がしていて、「周囲には理解し難いことをしている」というのがより明確だったんですよね。今回は前作に比べて主人公サイドに視点がかなり寄っている印象を受けました。

あの猫なんだったん?

ちゃんと観たつもりだったんですがあの猫の正体がわからずじまいでした。
話の流れ的に人が要石になるんだとしたら猫も昔は人だったのだろうけど、いやそれってさ、結局人柱がいるわけで、何も解決してなくない?というか解決もなにも、石が石じゃなくなって、それが元に戻っただけじゃね?なんだったんだこの話?って思ってしまいました。
猫が「すずめの子にはなれなかった」と言いますけどこれもなんだか不穏で、結局あの猫はいつの日か人柱にされてしまった子どもなのでは…などと思ってしまい。
要石という要素が良くも悪くも映画の舞台全体を救いようのないものにしている舞台装置のように思われたんですよね、この設定でハッピーエンドは無理だろ、という。(途中まですずめが要石になるのかなと思っていましたが、さすがにそこまでのことにはならなかったですね)

猫のことダイジンってめっちゃ呼んだり都合よく「サダイジンです」って新しい猫が出てくるのも違和感がありました。まぁ成立してなくはないんだけども…こういうところ気になってしまうのが想定観客の層からどんどん離れていってるってことなのかなぁと思ったりしました。

このテーマそもそもどうなんだろう

一番思ったのはこれですね。
2011年
3月11日
これだけで最低最悪な日を思い出す人は多数いることと思いますが
結局、その凄惨さと「戸締まり」というテーマを結びつけて考えることが、観客としてできませんでした。
震災で家族を失った子ども。
これに対して同情や悲しみの念を抱くのは、はたして作品の意図と合っているのだろうか。ノイズになっていやしないか。そんなことを考えてしまいました。

長々と書きましたが僕が作品を理解できてないだけな気もしてきました。
とにかく難しかった。今まで観てきた新海誠さんの作品の中で一番分からなかったなと個人的には思いました。
観ることを誰かに薦めるかと言われたら今回は正直悩みます。本当に想定している層と自分が全然合ってない気がして、どういう人に刺さる作品なのかよく分からないので、あまりおすすめのしようがない感じがします…。
結論のまとまらないまま書き出しましたが、やっぱりまとまりませんでした。以上、まとまりのない感想でした。

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