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『ルックバック』

映画館で映画を観る。
思ったことを即座に書き留めておきたいが、携帯電話の使用が許可されていないので書き留めることが出来ない。
エンドロールが締まったら出来るだけ早く劇場から出る。
劇場から出たとたんに映画の感想を述べる。「今回の映画は、3個ほど強いポイントがあって…」
こんなに素敵なものは、ただただ心に仕舞っておくにはもったいないと思う。
言葉が口から溢れ出す。
 
夫が私と付き合い始めたころ、その仕草に彼は少し引いていた。
4年もたった今はもう慣れたものだ。仏の顔で聞いてくれる。
私も流石に分かっている。
余韻に浸っている人に対して、感想を急いで述べるのは、あんまりよくないと思う。
 
 
 
 
7月の真ん中、土曜日のレイトショーで『ルックバック』を観た。
レイトショーなのに1,700円だった、少し高いなと思ったけれど物価高なのかなと思った。
 
 
 
映画を観終わったとき、いつものように(ペラペラと)感想を述べることが出来なかった。
そんな簡単な、散文的なものではなかった。
 
「たくさんあって、難しかったね。」
そう言うことしか出来なかった。
 
至るところに散りばめられた感情のフックを取りこぼしたくない、そんな風に思い、
すべてを包み込む「難しかった」しか言えなかった。
 
 
 
●映画『ルックバック』を観た、私の備忘録●
「大人になって知った、すべての葛藤が溢れ出す」
✓自分以外の大きな存在によって脅かされそうになった時に逃げたくなる気持ち
→わかる。
✓そんな相手も意外と自分のことを認めてくれていたりする
→だから、根拠は無くとも、成し遂げたいことに対しては圧倒的な自信を持つべきなんだ。
✓自らが選んで進む道を一番大切な人に応援してもらえない
→悲しい、あなたにだけは認めてほしい。
✓一緒の方向を見てきたと思ったのに、違った、喪失感
→自分だけが、こんな風に思っていたの?と、過程もすべて無味に感じるあの瞬間、苦しい。
✓自分の選択が周りに与える影響の大きさ
→強く理解しておくべきこと。自分の言動行動で、誰かの世界を一変してしまうかもしれないのだから。一挙手一投足に責任が伴う。
✓私たちが望みとしてフィクションに求めるもの、救い
→何度絶望しても、また立ち上がって、

それでも必ず前を向く
 
 
 
 
 
調べてみると、本作は一律で1,700円に設定されている、とのことだった。
1時間以内の映画なので、通常の映画金額よりも安く設定されている。でも学生にとっては損な金額設定。
メインターゲット、私たち世代なのかな。
 


映画の中にあった、葛藤の表現。

大人になった私たちに向けて、
また前を向いて、
そう言っているように感じた。
 
 
 

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