仕事の悩みだと思ったら、女を拗らせていた話

先日、本屋のアルバイトを退職しました。
在職中からいろいろ課題はありました。ただ、切り替えて次の仕事を探そうと思っても、なかなか身が入らなかったここ最近。
そんな中、久々に会った友人に、最近の仕事上のモヤモヤ状態を聞いてもらいました。

私の結論は、最終的に、驚くほど仕事とは関係のないところに着地しました。
ただ、理由がわかるといろいろ腑に落ちました。
今日はその話を書こうと思います。

正直、公開するのは相当ためらわれたのですが、
本日3月8日は国際女性デーであることに乗じて、また自分のための備忘録としても残そうと思います。
ちょっと重めになりますが、お付き合いください。

思春期の思い込み

突然ですが、私は子どもの時から、
「自分が女でなければいいのに」と思っていました。

発端はおそらく、学校でよくある「〇〇くんが私のこと好きらしい」みたいな噂。
そうしたトピックは、たとえ噂であっても、
思春期のただでさえ微妙な人間関係を、簡単に拗れさせてしまいます。
私は別になんとも思っていないのに、
そういう噂がある相手と話すときは、自分も何となく気を使ったり、
急に友人に無視されたこともあります。(これまた噂では、友人はその相手が好きという話でした)

当時の私は、そうしたことがとても面倒でした。
お互いになんでそんな噂に振り回されなきゃいけないんだ、と。
そうした出来事が続くと、思考はだんだんと捻じ曲がり、
「男女の差さえなければ普通に話せるのに」と考えるようになりました。

思春期の私は、膨らみ始めた自分の胸に「女になりたくない」と暗示をかけたりもしました。(そのせいか、私の胸は今もボリュームがありません)
しかも厄介なことに、暗示をかけたのが自分の胸だったため、
『アナと雪の女王』の魔法みたいに、心まで呪われてしまったようです。

私は女であることを拗らせたまま大人になりました。

女であることが怖い

「女になりたくない」と思ったあの時、私は自分に「自分が女だと認めない」呪いをかけました。
だから、自分が女であることに付随するいろんな出来事を敵視するようになりました。
社会にも、私が女だと認めてほしくなかったのかもしれません。

働き始めてすぐ、フェミニズムの本を読み漁りました。
それは大学を卒業したタイミングで、友人が結婚し始めたことで、
自分の人生でも結婚をどう捉えるか決めなきゃと思ったから。

意識こそしていませんでしたが、
当時の私にとって、結婚から始まる人生は恐怖でした。
言葉にすると、こんな感じです。

  • 結婚が怖い(苗字を変える=自分が自分でなくなる気がする)

  • 妊娠・出産が怖い(悪阻による突発的な体調不良、飲酒禁止、命懸け)

  • 子育てが怖い(自分の時間がなくなる、女性の仕事上の機会損失)

当時はまだ結婚前ですから、根拠となる出来事は、私が経験したわけではありません。ただ一般的にそういうことがあるというだけで、私の中の女性を否定するには十分でした。
だから私は、夫婦別姓や育休制度などの「社会の」問題を熱心に追ってみたり、
自分は仕事できるうちにしておこうと思ってみたりしました。
(思えば、この時から仕事への執着が始まっていたのだと思います)

確かに日本には、こうした社会問題が存在し、解決すべき問題であることは疑う余地がありません。
でも根本的に間違っていたのは、これらはまだ「私の」問題ではなかった。

私はただ、女であることが怖かったのです。

女であるだけで、面倒ごとに巻き込まれる。
女であるだけで、人生損する。
そういう情報を集めて武装し、どんどん自分が女であることを否定する。

思春期にあれだけ性に囚われるのが馬鹿らしいと思っていたにもかかわらず、
性に囚われていたのは、自分なのでした。

ついに、降参

結局、私はよきパートナーに出会い、数年前に結婚しました。
先に結婚した友人の
「人生で一度は、結婚を経験してみようと思って」という言葉に、
それはアリ!と思ったのを覚えています。
要は社会的な事実として、外堀から固めることで、
自分が女であることを、一部だけ認めることにしたのです。

そして今、もう一つ気付いたことがあります。
私は心底、子どもが欲しい。
加えてなかなかその時が訪れないことを、とても悲しんでいる。

それは私が、自分に降参し始めた瞬間でした。

女であることがどんなに面倒でも、人生損しているように思われても、
仕事みたいに自分の性を「辞める」ことはできない。
同時に、自分が自分であることも、辞められるものではないし、
自分がどう思っているかも、変えることはできないのです。

だったら、その事実も思いも、まずは認めることから始めないといけない。
それが今回の気づきでした。

女否定を拗らせすぎて、子どもに関しても
「来ないなら来なかったで自分の仕事を充実させておけばいいやー」なんて、
心にもないことを思い込んでいたせいで、
私の中では、いろいろ辻褄が合わなくなってきていました。

今回、好きだったはずの仕事を辞めたことがきっかけで、ようやく自分の思いに気づきました。
しかも芋づる式に、実は解決策をすでに自分が持っていることもわかりました。
実は、先日たまたま読んだ本に、不妊治療に関する漢方的アプローチが書かれていて、それは驚くほど私の体質そのものでした。あとは、地道に取り掛かればいいだけです。

おわりに

余談ですが、最近、生まれて初めてファンデーションを買いました。
化粧をする時にベースとして塗るあれです。
今、YouTubeの動画を参考に、メイクするのにハマっています。

これまで仕事上、それほど化粧が必要とされない環境だったとは思いますが、
それにしても初購入が30代なのは遅い方だと思います。
思えば10代の頃から、メイクやファッションにあまりに関心がなさすぎた。
もっと言えば、邪魔で余計なものと捉えていたかも。(歪んでいますね)

それでも20代で『プラダを着た悪魔』や『ディオールと私』といった映画を好きになったのは、それなりに憧れがあったのだと思います。今ようやく、自分に似合うテクニックを日々研究するのを楽しめるようになりました。

私のことなので、まだまだ他にも「拗らせ」がいっぱいある気がします。
ただ、これからは、なんとなく大丈夫な気がしています。
いつか今日考えたことを忘れても、また似たような回路を通って、今回よりも早く辿り着けそうです。

お付き合いいただきありがとうございました。

#国際女性デー

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