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人口と生産性と嫌いな人の話 〜地域の学校Vol.15

今回は、3月のミーティングの記録です。

入れ替わりの時期を迎えて慌ただしい3月。ゆっこの部屋メンバーのさとっちは、この春から2度目の職場復帰を控えています。
以前、ご自身の育休から復職した時にも、環境がガラリと変わった経験があると語るさとっち。今回は休職中にたくさんのことを考え、仕事観も変わっているため、尚のこと復帰して馴染めるかに不安があると言います。

変化するのは個人だけではなく、この春は学校側にも変化があります。
今年度からの「GIGAスクール」構想によって、1人一台端末が配布され、ネットワーク環境が整備されることとなりました。よしみさんは、周囲の教員が活用方法やルール作りに頭を悩ませている様子をシェアしてくれました。1人一台を原則としつつも、どのような学びをするかは学校ごとに任されており、急に任された教員たちの中には、どうしたらいいかわからない人もいるようです。

学校の「生徒数」は大切?

そんな中、塩尻市の隣にある辰野町では、先日町長の私見による新しい学校構想が話題となりました。

辰野町の教育会議に出席したゆっこさんは、その様子をシェアしてくれました。

背景には、辰野町の人口減少による学校の統廃合をどうするか、という課題があります。

辰野町へ移住者はここ数年で増加傾向にあるようですが、この構想のきっかけとなった川島小学校へは通う児童が少ないことから、現状のまま存続するかどうかが検討されています。
人口減少による学校の統廃合を課題に抱える地域は、全国にあります。日本全体で人口が減る中、地域全体の人口増が優先という考え方は、もはやそれ自体が成り立たなくなっているとも言えます。
リモートワークや複数拠点生活などが一般化した現代、定住しなくても生活が成り立つ世の中になりました。移住施策によって一時的に人口が増えたとしても、すぐ移動してしまう可能性もあります。

そして、昨年度生まれた子どもの数を合計すると、辰野町全体でも約60人しかいないのだそうです。生徒数が減ったからという理由で学校の統廃合を進めていけば、いずれ子どもたちは、自分の住む地域に通う学校が一つもないという状況になりかねません。

ゆっこさんによれば、辰野町の学校をめぐる状況は混乱していて、現在は実現への見通しが立っていない状況だそうです。しかし、「少ない人数でどのような学校が成り立つか」を考えるとても良い事例として、見守りたいと思います。

女子会と生産性

最近、筆者は「自分が主役の時間の使い方」という女子会イベントを開催しました。そこでは、あんまり普段話さないような「女性と生産性」の話題が出ました。

女性はライフイベント等で休職や失業を経験することが多くあります。そして、収入がなくなった瞬間に「自分は稼ぎがないから、生産性がない=価値がない」という悩みに支配されることも、少なくありません。しかしその悩みは、男性は経験することが少ないからか、意外と理解してもらえないことが多いのです。
だからこそ、「女性限定」という縛り付きで色々と思っていることを共有しようとしたのがこのイベントの趣旨でした。

イベントでの会話を踏まえてゆっこさんは、「ゆっこの部屋に出てる人は、自分の気持ちに向き合ってる人が多い」といいます。
自分がどう思っているかを考える時間は、意識的にしないとなかなか取ることができません。どうしても自分に向き合うのは最初は「怖い」と感じるため、避けてしまうこともしばしば。ただ、その時間こそが、自分の課題を自分自身で解決したり受け入れたりするためにも、必要な時間なのです。

ふなさんは、教員という立場で「クラスがうまくいっていない時には何かしらの原因が自分にある」と考えているそうです。その考えは行きすぎると自分を追い詰めてしまうこともありますが、「逃げてもまた同じ問題で自分が苦しむことになる」という経験から、苦しくても向き合うことの必要性を感じるといいます。

嫌いな人、いる?

みっちーさんは、とある人との関係性にずっと悩んでいました。あるとき「私は〇〇さんが嫌いだ」と思ってみたら、自分の気持ちがスッと落ち着いて、それ以降あまりその人のことが気にならなくなったといいます。

これまでのみっちーさんは、「人を嫌う」ということ自体にネガティブな印象があって、どこかいいところを見つけなきゃいけないと思い込んでいました。それが、嫌いなことを認めても、その人と何も問題なく生活できて、むしろ落ち着いたとのこと。その瞬間、「自分、一皮剥けた!」と思ったのだそうです。

ゆっこの部屋のメンバーも、実は、嫌いな人っていっぱいいるという話に(笑)
「何が嫌いか」という感情も、その人を形作っている感情の一つとして、受け入れています。

さとっちは今日の会を終えて、「自分は「いい人」でいたいと思う傾向が強いけど、でも今日、自分が嫌だと思ってもそれでいいのかな、と思えた」という感想をシェアしてくれました。
それが、今回のゆっこの部屋を物語る何よりの言葉だと筆者は思います。

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私たちが作ろうとする学校について、コンセプトがまとまってきました。詳しく知りたい方は、こちらの記事もご覧ください!


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