見出し画像

大阪人でない大阪在住者である私の雑感 2023.03.20

大阪での生活は私のこれまでの人生の半分以上を占めてしまった。こんな書き方をするが決して私は大阪が嫌いじゃない。大阪にやって来て最初の仕事の拠点は大阪環状線を中心に考えるならば東部の京橋駅エリアだった。そして京橋からさらに東に延び、京都に行き着く京阪沿線も仕事のテリトリーであった。これはゼネコン時代。

そして環状線の一番北の大阪駅、梅田エリア。JRが東西に伸び、地下鉄が南北に何本も走り、阪急、阪神の私鉄が関西一円を網羅する。そんな関西の交通の要所である。ここは設計事務所時代。

そのまま環状線を時計の反対まわりに西側に行くと大阪湾側の西九条駅、弁天町駅になる。USJがあり、大阪湾を埋め立て不思議なネーミングの咲洲さきしま舞洲まいしま夢洲ゆめしまなどがあり、工場、物流基地が林立している。大阪のカジノはこの夢洲に出来るらしい。
この辺りはゼネコン時代、設計事務所時代どちらにもよく行っていた。

そして南は天王寺駅である。この天王寺・阿倍野エリアで過ごす時間が今は長くなっている。飲み屋をやっていたのはここ。合気道の稽古もここである。
JRは奈良、和歌山に向かい。和歌山に行く途中には関西国際空港がある。地下鉄は南北に走り、天王寺を通過しかすめていく。

もうこれ以上巨大化する必要は無いように思える各エリアにはそれぞれの特徴があり、それぞれ独特の雰囲気がある。
天王寺駅の一つ西側に新今宮駅がある。ここから乗り換えて南海線で高野山、関空、和歌山方面につながる。南海の子会社泉北高速鉄道はベッドタウンに続いて行く。
そして、その新今宮駅のすぐ近くに今宮駅がある。ここの乗降客数は環状線内で最下位である。環状線に沿って天王寺から並んで走るJR大和路線がこの今宮駅を経由してターミナルであるJR難波駅に行く。難波駅で乗降する客のほとんどがこの今宮駅のホームに足を降ろしたことは無くただの通過駅であろう。なんともこの今宮駅ってのは不思議な駅なのである。

JR難波駅、ここは開設当時、地下ホームから関空快速が出る始発駅だった。その上には大阪シティエアターミナル・OCAT(オーキャットと呼ばせたいようだったが私の仲間で誰一人としてそんな言い方はしなかった)、事務所と商業施設からなる大阪市の三セクの複合ビルである。関西各地、全国への長距離バス、関空へのリムジンの発着基地でもある。バスはともかく、商業施設の方はさっぱり元気の無いエリアとなってしまっている。
関空快速は大阪駅発の快速に客を奪われ、15年も前に廃止された。関空を目玉にしたのであるがまったく上手くボタンをかけることが出来なかったのである。
そして今、この難波地区にあるJR・近鉄・南海・地下鉄各駅で最下位を誇る乗降客数の少なさなのである。
これから人口は減り、当然乗降客は減っていくであろうにこの3月18日に開業したJRうめきた駅から南下しJR難波駅および南海本線の新今宮駅をつなぐ新たな鉄道路線である「なにわ新線」の計画が進んでいる。世界で風邪が流行ればすぐにずっこけてしまうようなインバウンド頼りの大阪のさまざまな計画に疑問を感じないでもない。
大阪で指折りの歓楽街の難波・道頓堀エリアの至近であるにも関わらず私が安心して歩け、普通に呼吸ができる不思議な一角なのがこのJR難波駅・旧湊町駅エリアである。
ガラの良い場所とは言い難いかも知れないが、気の利いた飲み屋が近すぎず遠すぎないあたりにあり、仕事での移動も関西各地どこに行くにも至便である。次住むのにはここいら辺りがいいかも知れないと思ったりする。
東京にまた戻りたい気持ちはあるのだが、大阪に骨を埋める覚悟もないこともない最近なのである。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?