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クリスマス前に梅田に沈没
夜勤を明けてその足で心斎橋まで。
いつもお世話になる先輩に挨拶に伺った。
自営のご商売、古希を迎えいつまで続けるか分からないとおっしゃる。考えれば私もとうに還暦を過ぎ、世話になった先輩方が隠居を迎える年齢になるのは当たり前のことである。
流行り病はどこへ行ったのか、
そろそろミナミへ繰り出すぞ、とのお誘いだけ受けて昨日のところは引き上げた。
帰って二時間ほど仮眠した。
梅田で夕刻待ち合わせであった。
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NPOの理事長、もとは役所にお勤めの方、20年も前に立場も高収入も投げ出して在野で人のために尽くされている。こんな人が本当の公人だと思う。
形を取り繕うばかりのお手伝いであるが続けなければ男がすたる。
出来る限りのお手伝いをこれからも続けようと思う。
本当にいろんな事を教えてくれた、表も裏も教えてくれた人である。
現役時代にはお前が金を出せばややこしくなると、ずっと扶養家族のように世話になった。70歳になった先輩はまだ私の前を走ってくれる。
感謝ばかりである。
そこに80歳になった先輩が登場。
私が最後に奉公した設計事務所の元専務である。
大きな鉄道会社を興した創始者の思想を受け継ぎ、人を安全に運ぶという使命とともに都市計画を考え文化を創造していくことをまだ忘れない人生の先輩である。
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61歳の私はお二人の前に居ればまだまだ若造である。
まだまだ学ぶことはある。
以前のような酒の飲み方はもうしない、いや、出来なくなったというべきだろうか。浴びるほど飲んできた悔恨の日々だが、あれがあったからこそ今があると自己肯定する自分がいる。
済んだことをくよくよ考えず、生きてる限りは前を向いて歩かねばならない。
そんなことを思いながら、梅田の世は更けていった。
流行り病が「メリークリスマス」なんて言ってなければいいなぁ、と思いつつ梅田の夜に沈没した。
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