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ころもがえ

サラリーマン時代、この頃になってやっとスーツでの出勤が気にならなくなった。

ずっと以前はもう少ししたら冬物の毛織りのスーツを着ていたような気がする。
でも、ある時期からずっと合着で真冬も通した。
以前のほうがやっぱり寒かったんだと思う。
そしてスーツは今より高価だった。
ボーナスでしか買えなかった。
でも今のスーツより丈夫で、モノも良かったんだと思う。
20年前のスーツを今でも袖を通すことができる。

刺繍で、買った時の西暦とイニシャルを入れている。
漢字で苗字を入れたこともあったが、祇園のクラブで知らない女の子に名前を呼ばれて、スーツの名入れが原因だと分かってイニシャルに変えた。

今の日本の気候でのスーツは働く意欲を落とす道具だとずっと思っている。
クールビズで多少は変わったものの、汗を拭きながらの夏場のスーツ姿は訪問先に不快感を与えていたに違いない。
そして、ただ着ればよいというものではない。
スーツに合わせてワイシャツもネクタイも靴も靴下も考えなければならない。
相手に不快感を与えないのは当然であるが、共に行動する上司や仲間に恥をかかすわけにはいかない。
ワイシャツもネクタイも以前の方が高価だった。
クリーニング代もかかる、ずいぶん不要な金を使ったと思う。

やっと今になって、あのお堅い銀行員バンカー達も、それも営業職の銀行員バンカー達も私服を認められたのをだいぶ前のニュースで目にしてやっとこんな時代が来たんだ、と思った。
自由化されたと言って、突拍子とっぴょうしのない格好や会社の品格を落とすような格好をする人間は採用していないだろう。
その時のケースによってスーツと私服ふだんぎの使い分けも出来るだろう。
周囲に不快感を与えない仕事のしやすい格好でいいと思う。
そして会社のため、自身のために効率的な活動をすべきだと思う。

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