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生きるためにやって来た仕事のはなし

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なかなか理想を仕事とすることは難しいもの、食べるため、生きるためにしてきた私のサラリーマン人生です
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2021年10月の記事一覧

『ふたり展』

今年もこの時期がやって来た。 最後のサラリーマン生活でともに仕事をした先輩が毎年やってる『ふたり展』である。 大学時代のご友人と学生時代から描かれている絵を年に一度、大阪天満の画廊を一週間借りてやっている。 年一度、思いをお持ちの方が立ち寄り、旧交を温めるには大変よい趣向の催しだと思う。 しかしながら、昨年に引き続き折も折、毎年いただく美味しいワインは今年は自粛されていた。 私も差し入れを考え、お腹もすく時間だろうと、新しくなり先行オープンした阪神百貨店の『イカ焼き』を

人の記憶のふしぎ

今働く職場を車でたぶん5分も行ったところに、ある企業の所有するグランドがある。 時世が移り、今どき、福利厚生目的でそんな不要の不動産を所有することをデジタル的なセンスを持つ多くの株主は認めてくれないであろう。 現にその企業も多くの資産は売却し、このグランドも売却を含めての有効利用を考えて欲しいという要請にもとづいた現地調査であった。 しかし、駅から離れていていい顔をするデベロッパーはおらず、有効活用もいい案は生まれなかった。 そして、現在は自治体を通じて地元に制限付きで開

生きるにとって大切なこと

設計事務所で営業をやっていた頃の話である。 建設業界で建築設計を設計事務所、土木設計をコンサルタントと、その設計の会社の呼び名を分けている。 私がいた会社は建築・土木両方を業として営んでいた。 そして、ゼネコン、設計事務所、コンサルタントにおいては付き合いのある行政のOBを受け入れることが慣習となっていた。 その頃の仕事中での雑談でのことである。 某市浄水場長をされていた方との会話である。 通常、役所のOBは席にいることが多く、用事のある時の出身役所とのパイプ役になってくれ

ころもがえ

サラリーマン時代、この頃になってやっとスーツでの出勤が気にならなくなった。 ずっと以前はもう少ししたら冬物の毛織りのスーツを着ていたような気がする。 でも、ある時期からずっと合着で真冬も通した。 以前のほうがやっぱり寒かったんだと思う。 そしてスーツは今より高価だった。 ボーナスでしか買えなかった。 でも今のスーツより丈夫で、モノも良かったんだと思う。 20年前のスーツを今でも袖を通すことができる。 刺繍で、買った時の西暦とイニシャルを入れている。 漢字で苗字を入れたこと