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日々考えることのはなし

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毎日考える何か、何かが引き金になり考える何かを綴ってみました
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#詩のようなもの

顔に傷あるけしぼうず

この note にやって来て約二か月、ずっと自分の記憶の整理をしていたように思う。 母の半生は兄の出生を悔恨し続け、私には「それでいいのか、あなたの人生をそんなことだけで終わらせてしまっていいのか」との疑問を拭うことはなかった。 父はお気楽に見えた、当時高額な兄の治療費を稼ぐと長く海外に勤務し、すべては母に任せきりであった。 父もゼネコンにいた電気・機械のプロであった。 長い時間は人の記憶をぼやかし、曖昧にさせる。 それは良いこと、悪いことの両面を持ち合わせる。 そしてそれ

夕暮れの記憶

一日一日、陽が落ちるのが遅くなっている。 昼間上衣を着ていると汗ばむような陽気であるが、陽が落ちてしまうと肌寒い。 こんな時期の夕暮れの街を歩くのが好きである。 何かを思い出しそうだけどなにも出て来はしない。 きっといろんな事があったに違いないのに。 記憶は私の心を刺すばかりである。 だから忘れているだけなのだろう。 意識して忘れてしまった記憶達をどこにしまっているのだろうかと思う。 一つや二つじゃないはずだ。 子どもの頃から溜まったそれらはきっとこの夕暮れ

この世の花

道端に咲く名も知らぬ花は何故そこに咲くのだろう 見えぬ場所で咲いてくれればいいのに何故そこに咲くのだろう 神が定めたことと人は言うが、神なんて信じたことは無い 神は昔生きていた爺さんだったそうだ 私が生まれた頃にはもうその噂しか聞いたことはない 神のいぬこの世で咲く名も知らぬ花は自分の意思で咲いている その意思が何なのかそれは花しか知らないのである そして花は喋らない 太古の昔若い名も知らぬ花ははちきれんばかりの若さで快活にしゃべった 爺さんになる前の神はう

ふつうの時間

サラリーマン時代よく喫茶店に行った。 朝はモーニングを食べながら日経新聞に目を通しながら仕事の事を考えた。 昼は昼メシを食べながら食後のコーヒーを飲みながら雑誌や週刊マンガを読みながら短い休み時間を過ごした。 午後はよくコーヒーを飲みながら通りを行き交う人の姿を眺めながら打ち合わせをした。 そして書類を作った。 会社は落ち着かずあまり好きではなかった。 会社に行かなくなった今、やはりコーヒーが好きである。 日に何度かコーヒーを飲む。 深夜の仕事に一人インスタン

空をみる

朝、空を見る 星は瞬き空気の澄を感じた まだ明けぬ早朝の空気は尖っていた 働こうという私の邪魔をするのか その日暮らしに甘んずる私を怒っているようだった 魚市場へ向かう私に空は何を感じていただろう 昼、空を見る 底の見えない青い空気だった 愛知の冬は空を深く深く青くした そして太陽は子どもの私に囁いた 虫眼鏡で焼いてやれ地べたを歩くアリを焼いてやれ 焼けない私を空はなんと思っていたのだろう 夕、空を見る 子どもではない私は街を歩いた やわらかい空気はそこには無かった やめ

朝が私にくれるもの

雨の朝も嫌いじゃないが 朝はやっぱり晴れがいい ここ数日続いた雨はわれらの足元の大地を冷やし この朝の空気をも冷たいものに変えた 月は東に日は西に 輝く月は何を見た 昇る朝日は私を起こし 一日の準備を始めさせる 朝起きれたから、生きなきゃならない 生きることに理由は無い 朝の陽は私に強い心をくれる 一日頑張る心をくれる 私だけのわけはない 朝日は誰にも平等だ それを受け取る心には 準備もいるような気もするが とりあえず受け取りゃなんとかなる みんなそれでここまで来たん

朝は私におしえてくれる

明けぬ夜は無く、朝は必ず来る。 時にはあたたかな太陽が私の目覚めを誘ってくれる。 それでも心は夜のまま明ける朝を知らぬ時もある。 それでも地球は回り、時間は過ぎていく。 朝は教えてくれる、人生あっという間ということを。 朝は教えてくれる、やってみなけりゃらわからないと。 男は前に進むしかない。 今日も朝に背を押され前に進む。 明日も朝に背を押されて進むだろう。

雲の上の男にささげるうた

湿った話は好きじゃない、基本は明るく前向きなオレ。 でも、誰かが降らせるこの雨が、毎年この時期に思い出させる。 オレより先に飛び出した男がいる。 まだあんたの時代じゃなかったんだよ。 あんたが悪いわけじゃない。 だから自分を責めないでな。 オレも続いていくから待っててくれ。 でもまだ、二十年、三十年先だ。 オレにはまだやることがあるからな。 行ったら話を聞かせてやる。 そこから見ていておくれな。 カッコ悪くても笑うなよ。 元気に前向いて進むからな。 思い出してやりなさい、