稽古の帰りに飲んだ酒
いつもじゃないが、稽古の帰りに一人で酒を飲んで帰る時がある。
ゼネコン営業マン時代、帰りに飲んだ酒は飲まなきゃ帰れない酒だった。
ゼネコンの営業には定石は無く、毎回足らぬ頭を使い、心をすり減らし、ついでに靴底もすり減らしていつもクタクタだった。
皆は自身に「お疲れさん」だなんてことを言うが、私に限っては全くそんなことは無かった。
ゴールに着けぬ自身に腹を立て、きっとそれはあいつのせいだと、いつも誰かに矛先を向けて酒の神様に叱られそうなそんな飲み方しか出来なかった。
酒は頭と心