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Twitterおじさんこと、僕らの副社長。

中断していたJリーグも今日6月27日(土)からいよいよ再開する。日常の中に非日常の特別感が戻ってくる期待感と同時に、怒涛の日々を乗り越えなくてはならない危機感が混在する複雑な心境である。とはいえ"最高の週末"を待ちわびている人たちの為にもプロサッカークラブで働く一スタッフとして僕らにできることを一つ一つ積み上げていく。

新たな組織へ

そんな中、水戸ホーリーホックの役員体制に大きな変化があった。6月25日の水戸ホーリーホック株主総会、取締役会を経て小島さんが代表取締役副社長に就任した。2019年4月から社外取締役としてクラブに参画し、同年9月以降は常勤取締役となり、クラブ運営全般の業務改善から人事・組織改革まで、多岐に渡り圧倒的なパワーを発揮してクラブ全体を推進している。

2019シーズン終盤にフロントスタッフが今まで以上の一体感を持ってあらゆるチャレンジを実行し、競技成績と共に過去最高の売上高を記録した背景に小島さんの存在があったことは言うまでもない。

昨年9月、常勤取締役になり6月25日に代表取締役副社長に就任するまでの約10ヶ月間、営業同行・打合せ・面談・電話・チャット・zoom、いずれかの方法で必ず毎日やりとりを交わしている。(このnoteを書いている途中にも電話がかかってきた。) Jリーグ中断期間の在宅勤務中にzoomで顔を合わせる頻度が多すぎたが故に、先日水戸で約2ヶ月ぶりに再開した際に全くご無沙汰な感じがしなかったことが記憶に新しい。僕らはそれ程いつでもどこでもよく対話し、問題が起きれば解決する策を練り実行する。そして私を唯一「イチくん」と親しみを込めて呼んでくれる貴重な存在だ。

小島さんの存在は、サッカー日本代表 大迫勇也選手。

感情と理論のバランス感覚に優れた経営者。数字に強く、マメであり理路整然と問い詰めたかと思いきや、その場の雰囲気が停滞するとユーモアあるトークで空気感をパッと一瞬で変えられる。誰しもが「あの人と話すと元気になる、前向きになる」モチベーターのような存在がいると思うが、私の中ではそれが小島さんである。何事もつい論理的に考えすぎてしまい、正論で論破しがちな私からすると羨ましさを覚える。数字の強さでいうと、今期経営のKPIである「11のゴール」を設定する際に、私がExcelで予測値を算出していたところをあっという間に暗算で弾いていたシーンは鮮明に記憶に残っている。本当に数字に強い。そう、「小島 半端ないって!」である。クラブ全体が数字を意識して目標管理や会議報告ができるようになったのは小島さんが作り出した賜物である。

Twitterはもはや小島さんのマメさを象徴するツールと言っても過言ではない。時にオフサイド気味にクラブ情報を発信することもあり、従業員にお叱りを受けている姿を目にするが、素直に謝る姿が従業員との心理的な距離を縮めている要因ではないかと思う。発言には責任を伴うが誰よりもクラブ情報を率先して発信し、ファン・サポーターのツイートまでくまなくチェックして拾っている。僕らはそんな小島さんを敬意を表して通称 "Twitterおじさん" と呼ぶ。

サッカーのポジションで例えるならポストプレーもできるし、1人で局面を打開できる"ゴリゴリのセンターフォワード"といったところだろうか。パスを出す側としては気持ち良いくらいゴールを決めてくれる貴重な存在である。

小島さんの組織論を分析すると

【行動の価値を最大化しよう!】

「今その思考が、選択が、行動が、結果がクラブの価値を最大化しているのか?」もはや口癖のように会社のチャット上に流れてくる。僕らが提供する価値はアスリートの観戦体験が軸にあり、グッズや飲食の物品販売を除き無形商材であることが多い。すなわち、体験に対して値決めした対価を支払うスポンサーやファン・サポーターの総量がクラブの価値に等しい。県庁所在地に拠点を置きながらJ2リーグの中で売上高が20番目の僕らはファン・サポーターに与える価値がまだまだ足りていないことを表してる。現状に満足させない危機感を植え付けて、クラブを成長させて行こうとする強いメッセージと意図をこの言葉から感じる。

【スピード感を持って仕事をしよう!】

「その仕事、今日やる必要本当にある?それ今週発表しているけど3週間前には終わって全体に共有してなきゃ!」単純に早く仕事をするだけではなく、やる事とやらない事を一歩先、二歩先を予測して整理し、今何をすべきかを素早く判断することが求められる。特に業務のレスポンスが遅いと誰に対しても厳しいことを淡々と伝えつつ、個人の性格や得意不得意に合わせてフォローをする。

【思考を言語化しよう!】

「なぜ水戸ホーリーホックで働くのか。なぜ給与水準が他の産業と比較して決して高くないプロサッカークラブで働くのか。サッカークラブで働いた先にどうなりたいのか。ゴールを明確にしよう!自分の思考を言語化しよう!」従業員との面談をする際には常にこれらの言葉が並ぶ。従業員がTwitterの個人アカウントで業務内容や考えを発言する人が増えたのは、言語化を意識しているところが大きいのではないかと思う。

これらを客観的に分析するとダニエル・キム氏が提唱する「組織の成功循環モデル」に置き換えられる。行動の価値最大化は③→④・スピード感を持つ②→③・思考の言語化は①→②。小島さんが意識的にこの理論に当てはめているかは定かではないが非常にしっくり来るメッセージを常に投げかけてくれる。

「できっこないことを、やらなくちゃ!」

先日の記者会見の様子を後ろから見ていて、沼田社長はじめ歴代社長が積み上げてきた歴史を継承し、必ずやこれからの水戸ホーリーホックを牽引してくれるのは間違いないと確信を得た。「できっこないことを、やらなくちゃ!」。売上も従業員規模も小さな地方クラブが、明確なビジョンとプランを持ってジャイアントキリングを起こしていくことで、地域に新たな価値を生み出し、今まで以上に地域の誇りとなるクラブに成長していけるよう、近くにいる存在として同じ志を持って前を向いて一緒に戦っていきたい。

僕らのTwitterおじさん、副社長就任おめでとうございます!

(サイズ違えど一心同体 @2019K'sスタ)



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