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ファンを作る社内ラジオ

エムハンドでは社内広報の取り組みとして、社内ラジオ『M-Radio(エムラジオ)』を配信しています。「まずはやってみよう」と手探りで始めた企画でしたが、ラジオを制作する人と聴く人、双方の立場から多くの社員の皆様に協力いただき、軌道に乗り始めたように感じます。「聴いてます」「楽しみにしています」といったリスナーからの声を制作側の人間として実際に聴くことができるようになったからです。

今回は企画・構成・収録・社内広報の視点から、M-Radioの制作プロジェクトを紹介します。これから社内ラジオを始めてみようと考えている方にとっての参考になれば幸いです。


M-Radioの企画

M-Radioの目的

M-Radioは主に2つの目的で企画しました。

1|社員を知る機会の創出
エムハンドは多くの社員がリモートワークをしていて、出社組も東京・大阪・京都の3拠点に分散しています。そのため、普段業務上の関わりがない社員のことを知る機会は少ないです。この機会を創出するため、M-Radioでは毎回異なる社員をゲストに迎えて、社員のことを知ってもらえるような番組構成にしています。

2|組織市民行動の促進
組織市民行動とは「組織の中で与えられた職務の範囲外のことを能動的に取り組む行動」を指し、社員の定着や企業全体のパフォーマンス向上に繋がるといわれています。エムハンドは徹底した制作ルールを定めています。このルールは、品質の担保と働きやすさを両立させる大きなメリットがあります。その一方で分業・成果主義に基づく、職務の範囲外とは対極にあるルールのため、組織市民行動が薄れやすくなることも事実です。この組織市民行動、つまり、他の社員に喜んでもらうこと、ひいては組織に役立つことの必要性、重要性を感じてもらうこともM-Radioの目的です。

さらに、この2つの目的は以下のように分類しています。

・社員を知る機会の創出:【表の目的】番組の内容に直接落とし込む
・組織市民行動の促進:【裏の目的】M-Radioを通して社員に感じてもらう

なぜラジオなのか

では、なぜラジオという媒体を選んだのか。実は「社員を知る機会」としては、M-Radioの企画前からすでに社内では【リモートランチ会】というイベントを開催していました。一定数の参加が見込めるほどに社内に根付いたイベントです。

★リモートランチ会★
事前にテーマを決めて、興味のある社員が集うオンラインランチ会。最近は新入社員の歓迎を兼ねた開催が多いです。

一方で、やはり課題もありました。エムハンドはフレックスタイム制のため昼休みに定時という概念がなく、リモートランチ会の参加にはかなり能動的な意思が必要です。参加しない・参加できない社員も多くいました。そこで、ラジオです。音楽やラジオを聴きながらの勤務は許可されています。収録番組にすれば、「いま聴かなくてはならない!」という時間の縛りはありません。

M-Radioの概要

2つの目的を踏まえて、M-Radioの概要を以下のように定めました。

・コンセプト:楽しむこと
・出演者:メインパーソナリティの社員2名、ゲストの社員1名
・トークテーマ:ゲストの紹介
・番組時間:30分程度
・留意点:出演者の通常業務に差し支えないこと

M-Radioのコンセプト「楽しむこと」について
この「楽しむこと」は、M-Radioにとって非常に重要です。番組の制作からリリースまで、すべてのフェーズで「楽しむこと」を意識しています。

目的を果たすために必要なのが「楽しむこと」
M-Radioの目的を振り返ります。

【表の目的】社員を知る機会の創出
毎回異なるゲストの社員を迎えてトークし、社員を知ってもらう。
【裏の目的】組織市民行動の促進
M-Radioの聴取や出演を通して、組織市民行動の必要性や重要性を感じてもらう。

では「毎回異なるゲストの社員を迎えてトークする」だけのラジオを制作して、果たしてリスナーを獲得できるのか。できるとは思います。しかし、そのゲストに興味関心が極めて高いリスナーに限られます。別のゲストになると聴いてもらえません。
そこで必要になるのが、リスナーに楽しんでもらうことです。M-Radioのファンになってもらい、社員を知ってもらう。その果てに、組織市民行動の重要性・必要性を少しでも感じてもらうことができれば良い。そして、リスナーに楽しんでもらうために必要なのがコンセプトとして掲げた「楽しむこと」です。番組の出演者が楽しんでいる様子を聴いて、リスナーもまた楽しさを感じます。


M-Radioの構成

M-Radioは先日第23回を配信しました。番組内容を大きく変えたタイミングを<シーズン>の区切りとして、現在のM-Radioはシーズン3です。各シーズンの構成と構成意図、所感をまとめました。

シーズン1(第1回~5回)の構成

・出演者:メインパーソナリティ2名、ゲスト1名
・トーク内容:ゲストの「おすすめの〇〇」
・番組の尺:30分程度

・オープニング、ゲスト社員の紹介
番組が始まると「それでは早速~」とゲストを紹介します。ゲストは自分の経歴や現在の業務内容を話します。

・おすすめの〇〇、エンディング
ゲストが「おすすめの〇〇」を紹介していきます。ゲストが話し、パーソナリティA・Bがリアクションをします。最後に「<ゲスト>さん、ありがとうございました!」と、簡単なあいさつをしてエンディングを迎えます。

◎シーズン1の構成意図
とにかくラジオを始めてみる
ラジオを収録して配信することを重視しました。ハードルを低くするため、台本は設けていません。収録前に決めたことは「大まかな流れ」「ゲストが話すテーマ」のみです。

シーズン1を終えての所感

台本は必要
台本がないラジオはパーソナリティとゲストのトーク力に依存します。ある程度の緊張も伴います。ハードルを低くするためには台本が必要です。

おすすめの紹介は、人の紹介ではなくなることがある
ゲスト社員を紹介したいはずが、おすすめの紹介コーナーになってしまう、ということです。この場合、人に焦点を当てて話を深堀りすると解消されます。「なぜ」そのおすすめを紹介してくれるのか、おすすめの「どんなところ」が好きなのか、といったイメージです。

リスナーとの距離が遠い
開始当初のため、残念ながら社内の関心は高いとはいえませんでした。しかし、リスナーあってのラジオ。できるだけ関心を持ってもらいたい。なにかしらの形でリスナーが関われるような企画を考えることにしました。


シーズン2(第6回~20回)の構成

・出演者:メインパーソナリティ2名(5回ごとに交代)、ゲスト1名
・トーク内容:ゲストが話したいトピック、リスナーからゲストへのメッセージ紹介
・番組の尺:30分程度

・オープニング
定型の挨拶は番組のメリハリに必要です。パーソナリティの紹介も兼ねた以下の内容にしました。

A「おつかれさまです!パーソナリティの〇〇です」
B「おつかれさまです!パーソナリティの〇〇です」
A「エムラジオ、第〇回目の放送です!」

・ゲストの紹介
進行役のパーソナリティAがゲストのプロフィールを紹介して、話題も提起します。ゲストが答えて、パーソナリティBがさらに話題を提起していくと会話のリズムが生まれます。以下のイメージです。

A「前職もデザイナーもされていたとのことですが、やはりWebですか?」
ゲスト「実は紙媒体が多かったんです」
B「そうだったんですか! 具体的には?」

・ゲストへのメッセージ紹介
メッセージは以下の2パターンを設けました。

1|リスナーからのメッセージ
事前に募集したもののゲストと関わりがある社員の投稿に限られるため、限界がありました。
2|前回のゲストからのメッセージ
きっかけはリスナーからの募集に限界を感じたことでしたが、非常に継続性が高い恒例の企画になりました。

・ゲストが話したいトピック
おすすめの〇〇、最近のニュース、推したいことなど、方向性はシーズン1と同じです。シーズン2からは紹介してもらう内容をできるだけ限定しました。以下のようなイメージです。

ゲストが話したいトピック例「おすすめのパン屋さん」
おすすめの1店舗をゲストが紹介し、パーソナリティが以下のような流れで深堀りしていく構成です。
・ゲストはなぜその店舗が好きなのか
・(もし利用していたことがあれば)パーソナリティA/Bの感想
・パーソナリティA/Bはこんなパン屋さんが好き

・エンディング
ゲストがリスナーにメッセージを伝え、パーソナリティの定型のあいさつで終わります。以下のような流れにしました。

A「さて、そろそろお時間が迫っております」
B「<ゲスト>さんから、リスナーのみなさんへ一言いただけますか?」
ゲスト「今日はありがとうございました。これからも頑張って業務に携わります。引き続きよろしくお願いします!」
A「今回のゲストは<ゲスト>さんでした。ありがとうございました!」
B「次回のゲストはどなたでしょうか。お楽しみに!」

◎シーズン2の構成意図
多角的にゲストを紹介する
リスナーと前回のゲストからのメッセージが該当します。同僚から見たゲストの人物像をリスナーに伝える意図があります。

リスナーを巻き込む
シーズン1の反省点「リスナーとの距離が遠い」を解消するために、リスナーに向けてメッセージを募集しました。

飽きがこない構成にする
総じて「ゲスト社員の紹介」という長い尺はリスナーに飽きを生じます。シーズン2ではゲスト以外の視点をアクセントに、合間にメッセージコーナーを挟みました。

シーズン2を終えての所感

パーソナリティの役割は事前に決めておくべき
出演者が二人以上の場合、その掛け合いは重要です。「進行役」「リアクション役」をパーソナリティAとBに振り分けると掛け合いが安定します。

メッセージの募集は難しい
現在も苦労しています。ヘビーリスナーであっても、仕事をしつつ、メッセージ内容を考えて、文章を作って送る、という行動はハードルが高いです。

ゲストの紹介のみに留めた構成には限界がある
ゲスト社員への依存度が高いということです。ゲストに考えてもらうトピックの内容、ゲストとパーソナリティとの関係性、ゲストとリスナーとの関係性…ゲスト頼みの番組になってしまいます。継続性が低い構成です。

綿密な台本は番組出演のハードルを下げる
綿密な台本を用意することで、出演者は「基本はこれを読めばいいんだ」と安心して参加できます。


シーズン3(第21回~現在)の構成

・出演者:メインパーソナリティ1名(固定)、ゲストパーソナリティ1名、ゲスト1名
・トーク内容:ゲストパーソナリティがゲストと話したいこと、リスナーからのメッセージ紹介
・番組の尺:30分程度

・オープニング
パーソナリティAは固定し、Bに限ってはゲスト枠として毎回交代することにしました。Bを迎える構成のため、オープニングはAだけの短いトークです。定型のあいさつは以下のようにしています。

A「おつかれさまです!パーソナリティの〇〇です。エムラジオ、第〇〇回の放送です」

・ゲストパーソナリティの紹介
シーズン2のゲストの紹介と同じ内容です。プロフィールの紹介と直近の仕事について軽く質問をします。

・リスナーからのメッセージ紹介
パーソナリティAがリスナーからのメッセージを紹介し、パーソナリティAとBがリアクションをします。すべてAが起点です。以下のような流れです。

A「ラジオネーム〇〇さんからいただきました。(メッセージを読み、)これはわかりますね、私も同じような経験があります」
B「ですよね、私もあります」

・ゲストの紹介、トーク
「ゲストパーソナリティが話したい人」をテーマにゲストを迎えています。ゲストのプロフィールを紹介し、直近の仕事について軽く質問をします。ゲストパーソナリティとの仕事上での関わりも尋ねます。トーク内容も「ゲストパーソナリティが、ゲストと話したいこと」にしました。進行はパーソナリティAが務めますが、中心はBとゲストです。この場合の聞き役はAです。以下のような流れで始めていきます。

A「本日はBさんが今話したいゲスト、<ゲスト>さんをお迎えしています。<ゲスト>さんとなにを話したいのか、たくさんある中から今日は2つテーマを選んでもらいました。その1、〇〇! その2、〇〇! まずはその1、〇〇ですが、どういったことでしょうか?」
B「実は~」

・エンディング
ゲストとゲストパーソナリティがそれぞれリスナーにメッセージを伝えて、パーソナリティAの定型の挨拶で終わりです。

◎構成意図
出演のハードルを下げる
パーソナリティの固定枠を2名から1名に減らし、代わりにゲストパーソナリティの1名枠を新しく設けました。「1回だけであれば…」とパーソナリティを承諾してくれた社員は多くいます。

ゲストがさらに楽しめるようにする
「いま話したい人」を迎えて「話したいことを話す」をゲストコーナーのコンセプトにしました。話したいという動機があるため、話題が多方面に発展させやすいです。

メッセージ投稿のハードルを下げる
シーズン2の反省を踏まえて、思いつくネタがあれば誰でも送れるようにハードルを下げました。テーマに沿ったメッセージを募集する企画です。

現在の所感

メッセージが少しずつ投稿されるようになってきた
以前は数回の社内広報の後、個人間で投稿をお願いしていました。しかし直近では一度の社内広報でメッセージが投稿されました。シーズン2に比べて投稿ハードルは下がっていると考えています。

メッセージテーマはリスナー視点で決めるべき
「このテーマであれば、面白いメッセージが集まるのではないか」という期待は易々と叶いません。リスナーにとってメッセージの投稿はハードルが高いです。テーマは以下のようなリスナーが思いつきやすい、投稿しやすい内容にするべきです。
・思いつきやすい:日常で体験する頻度が高い、体験する可能性が高い
・投稿しやすい:恥ずかしくない

★M-Radioメッセージテーマの変遷と所感★
・第21回「勘違いしたこと」 
・第22回「小さな幸せ」
・第23回「最近、びっくりしたこと」

回を重ねるごとにリスナーからの投稿数は増えました。22回目まではポジティブなテーマが良いと推測していましたが、「びっくりしたこと」はネガティブ寄りです。「思いつきやすい」の要因が大きい可能性があります。


M-Radioの収録

続いて収録までの流れと、各フェーズで重要だと感じたポイントを紹介します。

収録までの流れ

➊ゲストパーソナリティの選定
直近で出演した社員の属性を加味して選定します。できるだけ部署が偏らないようにしています。

➋ゲストの選定
「ゲストパーソナリティが話したい」を優先します。そのため、候補の選定は基本的にゲストパーソナリティに任せています。

◎ポイント
ディレクターが交渉する
社員にとって出演のハードルは高いです。交渉にあたり「安心して任せてほしい」と言われて安心できるのは最も熱意のある社員(M-Radioではディレクター)です。

口頭で交渉する
社内の主要な連絡ツールがチャットの場合は注意が必要です。チャットだけでの交渉は失敗に終わることが多いからです。口頭ベースの方が誘う側の熱意は確実に伝わります。

トークテーマも想定してゲストを選定する
「話したい人を選んでください」とだけ言われると、困ってしまうゲストパーソナリティもいます。この場合、この人とならこんな話がしたい=トークテーマが選定の指針になります。

➌トーク内容のすり合わせ
ゲストコーナーのトーク内容をすり合わせし、内容の大枠を固めます。

◎ポイント
話す内容はできるだけ具体的に固めておく
固める範囲をトークテーマのみに留めると、収録当日のゲストパーソナリティとゲストのトーク力に大きく依存してしまいます。「最低限、これは必ず話す」具体的な内容まで固めておくと安心です。以下に一例を挙げます。

トークテーマ例:「ゲストの前向きさの秘訣!」

➍台本の作成
台本を作成していきます。遅くとも収録の前日には校了し、出演者に共有します。

◎ポイント
「読む」場面と「話す」場面を使い分ける
原稿通りに読むと、少なからず棒読みになります。棒読みが多ければ多いほど、番組がわざとらしくなります。一方で、この「読む」場面は適宜必要です。M-Radioでの「読む」「話す」の使い分けの目安と具体例を紹介します。

リスナーのメッセージはゲスト枠に事前共有しない
ゲストパーソナリティとゲストはメッセージのリアクション役です。初めてメッセージを聴く方が自然なリアクションができます。一方でメインパーソナリティは事前に目を通し、感情をこめてメッセージを読めるよう準備します。リスナーのメッセージは基本的にリスナーの「声」です。感情をこめたほうが断然面白いです。

➎収録前のすり合わせ
番組の大まかな流れを確認します。

◎ポイント
ゲストが入るタイミングを確認する
M-Radioではオープニングを経て、➊ゲストパーソナリティが登場、その後メッセージコーナーを経て、➋ゲストが登場します。途中から番組に参加するため事前にそのタイミングは必ず確認しています。

「話す」場面のタイミングと概要を確認する
M-Radioの「話す」場面の台本は以下のように記載しています。
B「(簡単な紹介をお願いします)」
B・ゲスト「(リアクションをお願いします)」

自由に話してもらう場面です。そのタイミングと、話す概要は必ず確認します。事前に共有した台本に「こんなことを話そうかな」というメモをしてもらうこともあります。

➏収録・編集
収録し、編集します。

◎ポイント
必ず音声の事前確認をする
音声は命です。内容が面白くとも、音声が途切れたり、音量が大きくなったり小さくなったりを繰り返すとリスナーにとってはストレスになります。

必ず台本を追う
「次はどこを読むんだっけ?」という台本の迷子は発生します。自分が読まないところであっても、台本は必ず追うようにします。

音声を編集する
現在M-Radioは以下の内容を中心に編集しています。
・オープニング、エンディング、番組中のBGMを入れる
・然るべき音声のカット
・簡易的なエコー、効果音の付与

些細なことだと思う方もいるかもしれませんが、これらはすべてが絶大な効果を及ぼしています。社内リソースがあれば、ぜひ編集しましょう。


M-Radioの社内広報

最後にM-Radioに関する社内広報の手法とポイントです。

M-Radioのリリース

リリースの流れ
M-Radioは二段階のリリースをしています。

・リリース第一弾:社内チャットによる文章
全社員に対して社内チャットでリリースします。

◎ポイント
「聴きたい!」とリスナーが思うような紹介文にする

リスナーが興味を持つポイントは「誰が出演したのか」「なにを話したのか」の2つだと考えています。出演者が誰なのか、できるだけ紹介文の前半に、わかりやすく記載しています。後者の「なにを話したのか」は、書いてある単語の意味はわかるけれども、なにがあったのかまるで想像ができない、といった内容を心がけています。

社員が視認し、話題に取り上げられやすい時間帯にリリースする
現状、エムハンドでは16時過ぎと暫定しています。1時間後の17時から開催される終礼を意識したタイミングです。この終礼で再度口頭によるリリースをしています。

・リリース第二弾:終礼での口頭
エムハンドでは毎日17時から終礼を開催しています。社員全員が参加する10分程度のMTGです。8つのチームを4枠に分けて開催し、1週間で総当たりするように組まれています。M-Radioが社内チャットでリリースされた後、この終礼で再度口頭によるリリースをします。

◎ポイント
出演者にもPRしてもらう

必ずリリースする、という役割は広報担当が担うべきです。ただ、広報担当のリリースだけではPR力が不足します。ここでのPR力とはその後の会話の発展性です。特にゲスト枠として出演した社員は、初出演してみての感想をなにかしら抱いているはずです。以下のような、終礼の司会役との会話に発展できます。
出演者「エムラジオ第〇回がリリースされました」
司会役「出演してどうでしたか?」
出演者「めっちゃ緊張しました(笑)」

リリース後の拡散:口コミの重要性
「聴いた」「面白かった」という感想は、まだ聴いていない人が、聴いてみようとすることの動機になりえます。口コミを拡散してもらうよう、常に社内に呼びかけています。

リスナーへのメッセージ募集

メッセージ募集のリリース方法
ラジオのリリース同様に、文章と口頭で募集を呼びかけています。

メッセージの投稿方法
Googleフォームを使用しています。記載項目はラジオネームとメッセージのみです。「気軽に投稿できる」ことを優先しています。

◎ポイント
「個人間のお願い」は波及効果も狙う
➊特定の誰かにお願いする→➋もしよければ同じ部署内の方にも… といったお願いをしています。➊はもちろんですが、➋に関しても意外と効果があります。


おわりに

社内ラジオの制作は「社員がどのように感じるか、どのように動くのか」の想像と実証の追求だと考えます。どのように打診すれば、社員は出演を承諾してくれるのか。どのような構成にすれば、社員は楽しんでくれるのか。どのような広報をすれば、社員はラジオに注目してくれるのか。そして、どのようなラジオにすれば、目的を果たすことができるのか。
業務の一環として社内ラジオを制作する以上、なにかしらの目的があると思います。その目的は、おそらく数回程度の配信では果たせません。まずは継続です。そして制作する側にとっての継続のなによりの原動力は、やはり「聴いてもらう」ことです。リスナーの獲得、ひいてはファンの獲得が社内ラジオに必要なことだと思います。ぜひ聴く側の視点を大事にしてください。


<おまけ>M-Radioで今後予定している企画

・ラジオCM
社内でCM料を徴収するわけにはいきませんので、正確には「告知枠」です。月1回の配信に合う社内告知。「全社員が対象の、月次の、必須業務のリマインド」が理想です。

・オンライン公開収録
現在は残念ながら需要は一切ありません。まずはM-Radioのファンを獲得していく必要があります。より楽しい番組にするため、ブラッシュアップを続けていきます。

 

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