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第1回 PhotoshopのAI生成機能「Generative Fill」を使う

風景写真に写り込んだ不要な人物や物体を消したり、背景を合成して伸ばしてみたり、そういったAI機能をアピールするアプリやソフトのCMをよく見聞きするようになりましたね。

Photoshopにも、AI機能を使って選択したエリアに、指示(プロンプト)として入力したものを自然に生成したり、合成してくれるAI生成機能「Generative Fill」があります。

今回はその中の「生成塗りつぶし機能」の「オブジェクトの生成」と「背景の生成」について、検証を交え、ご紹介していきます。



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はじめに

Photoshopを最新版にアップデート

PhotoshopのAI生成機能「Generative Fill」bata版が、Photoshop v25.1から正式に搭載まれました。
そのため、まずは最新版にアップデートしておきましょう。

Photoshop v25.1(以上)にアップデート

01. オブジェクトを生成する

①オブジェクトの生成方法

まずは基本の[生成塗りつぶし機能]を使って、オフィスに男性を出現(生成)させてみましょう。

左:編集前 右:編集後

1.[長方形選択ツール]を使ってオブジェクトを生成したい場所に範囲を選択します。

2. 選択範囲上下に出てくる、コンテキストタスクバーから[生成塗りつぶし]ボタンをクリック。
コンテキストタスクバーが表示されない場合は、[ウインドウ]→[コンテキストタスクバー]で表示させましょう。

3. 生成したいオブジェクトをプロンプトボックスに入力して[生成]ボタンをクリックします。 今回は「人」と入力してみます。

生成成功!

②生成されたオブジェクトの検証

背景がごちゃついていると完璧な生成は難しく、よくみると背景が大幅に調整されていることがわかります。このままで公の場では使用することは難しく、まだまだ人の手による加工は外せないといった感想です。
ですが、背景イメージにあった服装やポージング、サイズ感などを、AIが考え、かなりマッチしたものが生成されました。

一方で、背景がシンプルな場合は、生成精度は高くなります。 実はこちらの猫も、「生成塗りつぶし」機能で生成したものです。特に何も手を加えていませんが、背景の乱れが目立ちません。自然な生成に成功していると言えるでしょう。


③困ったときの対処法

(1)生成精度が低い
上記検証でも触れましたが、精度の高い生成は難しいものが多いです。いろいろ試した体感としては、人をはじめ生き物の生成が難航するように感じています。

生成精度が低い場合の対処法は?
気になる箇所を選択して、プロンプトを追加し、画像を改めて生成することで、修正に成功する場合があります。
下記は、顔の歪みの補正を試みた例です。男性を生成した後、歪んだ顔部分を選択して、「カッコ良くする」というプロンプトを追加して鮮明にしています。

完璧とはいえませんが、滲んだ顔を整えることに成功。

(2)入力したいプロンプトがサポートされていない
例えば、下記の画像では「昼寝をしている馬」「牧場」「虹」を配置することにします。ところが「虹」という言葉だけ『現在サポートされていない言語がプロンプトで使用されているようです。プロンプトを編集して、再試行してください』というエラーが表示され、生成することができませんでした。

「虹」というプロンプトは現時点対応しておらず生成できていない

プロンプトがサポートされていない場合の対処法は?
「虹」という言葉に「どういう虹」なのかを加えることで、生成が成功することがあります。
下記では「うっすらと虹」で成功しました。他の言葉でも同様のエラーが出てしまった場合はこの方法をお試しください。

「うっすらと虹」で生成成功!

02. 背景を生成する

応用のようなものになりますが、背景を生成することももちろんできます。

  1. [被写体を選択]→[選択範囲を反転]

  2. プロンプトに「遠くに海」を入力して[生成]ボタンをクリック。

生成成功!

03. 進化するGenerative fill

Generativefillには、生成した画像の精度を細かくフィードバックする機能があります。
全世界からのユーザーのフィードバックをAIが受け取り、精度がより高くなっていく仕組みのようです。今後にとても期待が持てますね!

[ コンテキストタスクバー ] →[・・・]から評価を送ることができます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。現時点で「オブジェクトの生成」は、最終的な手直しをせずにそのまま使うことは難しそうです。
しかし、大体のイメージ画像を作ることはできるので、ラフ画像として相手にイメージを伝えるときなどに活躍してくれそうですね。

次回は、AI生成機能のうち、「画像の拡張」と「オブジェクトの削除」についてもご紹介する予定です。 ぜひ、第2回の記事もご覧ください。




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