音と言葉が作るストーリーYOASOBI 「群青」

雨粒を連想させる水音とともにはじまるボーカル幾田りらの幻想的な歌声。一音聴いただけで一気に惹きつけられてしまった。
「群青」は、「夢を追いかけている人」をテーマにし、その背中を後押しする応援ソングになっている。曲調はとてもきれいで軽やかだが、歌詞の中では夢に向かうために激しい葛藤があり、もがいているのが感じられた。曲調と歌詞のギャップに完全にやられた、という感想だ。笑

<歌詞>

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(提供元 Lyric Find)


楽曲を一通り聴いて私が真っ先に気になったのは、全部で3回あるサビの歌詞が全て異なること。
私が出会ってきた今までの曲は、サビの歌詞は全く変えておらず複数回繰り返す事で聞き手に印象付けるもの、BメロのサビはAメロのものを1、2フレーズ変えておりラスサビで再びAメロの歌詞で歌われているものの2通りがほとんどだった。
しかし、「群青」はサビが来るたびに新たな言葉が自分の中に入ってくる。根底にあるコンセプトは全くブレさせずに。

応援ソングの場合、特に歌詞を意識しなくても曲を聴いて元気になる、救われる場合もあるが、その歌詞が自分の今欲しい言葉だったり、自分の境遇にカチッとはまって共感したりと、歌詞を重視する人が多いのではないだろうか。
群青の場合、部分的に同じフレーズはあっても、全く同じ歌詞は無い。これは引き込む対象者の領域をより広げる可能性が高まり、歌詞のパターンが決まっている楽曲の何倍もの人数の聞き手を虜にするのでは、と考えた。
また、曲を聴いて既にハマり、それが「夢を追いかけている人」だった場合、一曲の中で自分の心に刺さるフレーズがたくさんあり情報量が多いほど背中をどんどん押され、進みたい方に踏み出す勇気をもらえると思われる。

YOASOBIは小説「タナトスの誘惑」を基に作られた夜に駆けるが有名だ。今回の「群青」は漫画「ブルーピリオド」からインスピレーションを受けたそうだ。私が群青を何回も何回も聴いて、曲の中で主人公の心情の変化が曲の始まりから終わりにかけてとてもよく分かり、起承転結がはっきりしていることに気づいた。これはもう4分間のストーリーではないか???とも思われた。一曲で軽くストーリーができてしまっているためとても面白いと思った。

サビのフレーズは多種類の言葉を組み合わせ、どれも違う歌詞となっているが、コーラスの部分は一言一句同じである点も気になった。
「大事なことなので2回言います」という決まり文句のようなものがあるように、大切なことだから何回も同じ言葉で伝えているのではないか。
「知らず知らず隠してた 本当の声を響かせてよほら 見ないフリしていても 確かにそこにある」
このコーラス部分の歌詞と曲全体の歌詞を読み比べると、コーラスの歌詞は、この曲を要約した文章にも読み取れるのでは、と考えた。
これだけは忘れないで、自分の気持ちに正直に進んで、という意味を込めたのかもしれない。

たった4分間という中でこれだけたくさんの情報が溜まっていて考えさせられる、素晴らしくそして聴いていて全く飽きない楽曲だと感じた。


かなり勝手な解釈ですが思うがままに書いてみました。
個人的な意見なのでご了承ください🙏

この曲を聴いて、すぐにイメージが膨らみ文章に書き起こしたいとずっと思っていました。

私自身1日に何回聴いてるん、ていうくらい鬼リピしています。何回聴いてもほんとに飽きず、一回一回聴くごとに涙が出そうになります。

それくらい今の自分の状況にドンピシャで当てはまっています。

自分の気持ちを代弁してくれて、本心を曝け出して後押ししてくれる。気持ちに寄り添ってくれる曲はやっぱかけがえのないものだなって思います。


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