余剰ワクチンボランティアとしてワクチン接種を受けた話

今日「余剰ワクチンボランティアとしてCOVID-19ワクチン接種を受ける」という経験をしたので、今更ではありますが初めてのnote記事としてつらつらと書いていこうと思います。
私は余剰ワクチンボランティアの取り組みのお陰で当初の予定よりも早く (といっても10日程度ですが) ワクチン接種を完了する見込みとなった一方、考えることが多く非常に神経をすり減らされた側面もありました。
この記事が今後余剰ワクチン狙いをされる方の助けとなれば幸いです。

余剰ワクチンとは?

ワクチン接種は概ね事前予約制です。しかし諸般の事情で当初の予定よりも当日のワクチン接種の本数が減ってしまうことがあるようです。ドタキャンで来ない人が居たとか、時刻通りに会場に着いたものの高熱が出てしまっていたとか、予診の段階で接種を取りやめたとか。そうして発生した残り物のワクチンは翌日以降に持ち越すことはできません。そこで余剰ワクチンとして希望者に充てられるという運用が各地の自治体や医療機関でなされています。

余剰ワクチンの本数は毎日最大でも5本or9本

会場の規模によっては毎日かなりの数のキャンセルが出ているという話ですが、余剰ワクチンの本数は各会場ごとに「毎日最大でも5本 (ファイザー製の場合) または9本 (モデルナ製の場合)」となります。これは「1瓶のワクチン容器から何本のワクチンが抽出できるか」によるものです。

例えばファイザー製のワクチン接種会場で12人の当日キャンセルが発生したとします。この場合は12本まるまる余剰ワクチンとなるのではなく、2瓶 (10本分) は当日開けずに取っておき、1瓶の中に余った残りの2本だけが余剰ワクチンとして運用されることになります。数万人、数十万人という自治体において1日あたり5本以下、9本以下という世界なので、余剰ワクチンは非常に狭き門であると言えます。
(余談ですが、私が接種を受けた自治体では「ファイザー5本以下、モデルナ9本以下」との記載がありましたが、上記の運用だと「ファイザー4本以下、モデルナ8本以下」となるような気もします。この辺りは現地の運用にもよりそうなのでよく分かりません。)

私が余剰ワクチンを狙っていた理由

これは「居住地区の自治体のワクチン接種が県下で一番遅かった」という1点に尽きます。私が今回の余剰ワクチンボランティアに応募した自治体は実は隣の地区の自治体 (これをA市とする) でした。A市の余剰ワクチンボランティアでは、対象者が「A市に居住またはA市に勤務している者」となっており、A市勤務だった私にとっては基本的に居住の自治体でしか受けられないワクチン接種を隣の自治体で受けられる数少ない機会なのでした。

余剰ワクチン応募の流れ

これは自治体や医療機関によって異なるようですが、A市の場合は事前にwebの予約システムを使って1日・1箇所に限り応募をしておき、当日に余剰ワクチンが発生した場合に指定された時間 (ワクチン接種終了時刻の30分前) に電話で連絡が来る可能性があり、電話が来た場合は30分以内に接種券を持って現地に赴く、といった流れでした。
このような運用のため、当ボランティアの応募要件には必然的に「連絡を受けて30分以内に現地に到着できること」という条件が組み込まれていました。これは人によってはかなり大きな制約だと思いますが、私は幸い普段の勤務時間に融通を効かせることができる仕事をしていたため、30分以内に現地到着ができそうな接種会場2つのうち倍率が低そうな方 (この辺りは推測でしかない) に申し込みをしていました。
(またもや余談ですが、関東のとある地区では「余剰ワクチン希望者は事前予約無しで現地に来てください、その中から抽選で接種者を決めます」というような運用をしていた所もありましたが、ワクチン接種のために不必要な人流を増やすのはナンセンスだなぁと思いながら情報を眺めていました。A市は比較的大きめの自治体でありながら市全体でのワクチン接種も比較的早かったようですし、余剰ワクチンの運用を含めたワクチン接種計画が非常に上手く実行されているA市は隣市の居住者として羨ましく感じています。)

予約システムの不可解な仕様、ブラックボックスな運用方法

私が冒頭に書いた「神経をすり減らされた」とはこの辺りからの話になります。大勢の応募者から余剰ワクチンを勝ち取るためには予約システムの仕様や運用方法の推測が必要不可欠だったのでした。
まず予約システムなのですが、応募条件に「1日かつ1会場のみ」と書かれており、確かに一度の予約では日付と会場を1つずつ指定する方式だったのですが、異なる日付や会場で何回応募してもエラーとならず正常な予約完了画面が出るという仕様でした。しかし応募条件は「1日かつ1会場のみ」なわけで、そのためこのシステムの仕様は毎回の予約によって以前の予約が上書きされる、つまり最新の予約のみが有効であるという推測をしました。
次の問題はどの日程で予約するべきかでした。ここでもブラックボックスな運用方法を推測する必要があります。もし毎日の応募者の中から完全にランダムな抽選がされる方式だとすれば毎日翌日分の応募をするのが最良となりますし、応募した日時が早い順に選出される方式だとすれば少し後の日程を予約しておく方が当選確率が上がることになります。
そのようなことを考えるのと並行してTwitterの情報を追っていたのですが、8月末に当該地区の余剰ワクチンボランティアで以下のような内容のツイートが引っかかりました。(ツイートそのまま載せると地区がばれるので文字のみの引用 (脚色あり) とします)
余剰ワクチンボランティアでファイザー(1回目)を接種してきました〜♪ 当選するコツは早めの予約(少し先の日付での予約)なのではと!
このツイートを見て「応募した日時が早い順」方式と確信し、1週間後や10日後という少し先の日程の予約をして連絡を待つことにしました。
(当然ながら、別の自治体や医療機関の仕組みについては知る所はありません。)

2回目の応募で連絡があったが……??

2回目の応募で接種会場から連絡が来ました。しかし、連絡があった時刻は本来指定の時間よりも2時間ほど早く、運良く気がついて取ることができました。この電話を取れなければ足切りを食らっていたのでは、と考えると冷や汗をかいてしまいます。
電話の内容は「あなたに余剰ワクチンの枠が充てられそうである、しかし実際にどうなるかは数時間後まで待っていただかないと分からない」というものでした。上で説明した通りですが、さらに追加でキャンセルが入ってしまうと1瓶まるまるの余剰ができてしまい、余剰ワクチンとして充当されない可能性があるのです。また「もし今後余剰ワクチンが充てられないことになった場合、会場に向かう足労が申し訳ないため早めに連絡する」という話でした。
そしてこの後の展開ですが、さらに1時間ほど後に再度連絡があり、「残念ながらあなたの分のワクチンは出なくなってしまった。優先順位というものが存在し、あなたの順番が回ってくる可能性は限りなく低い。しかし可能性はゼロではないため、追加のキャンセルが出るかどうかにかかわらず指定時刻 (※本来連絡があるべき時刻) に必ず連絡を入れる」とのことでした。私は指定時刻まで待ち再び連絡を受けましたが、結局この日は余剰ワクチンを受けることができませんでした。
あくまで私はボランティアという体なので、このような成り行きについて不平を言える立場では無かったのですが、この日のために前日・当日の体調管理に気を配り、接種を受けられる可能性が芽生えたにもかかわらず結果的にダメだったことで、正直精神的にかなり参ってしまいました。とはいえ仕方がないので、次回の余剰ワクチンボランティアに応募しました。次回もダメなら居住地区でのワクチン接種の順番がもうすぐだったので、諦めて居住地区で接種しようと考えていました。ただ優先順位の話が聞けたことで、応募した日時が早い順という推測はおそらく当たっており、次回の余剰ワクチンにもそれなりの期待をかけていました。

次回の予約は9/26(日)に入れていたはずが、どういうわけか今日に連絡が来た

今日突然、携帯電話に着信が入ったのでした。番号に見覚えがあったので出てみたところ前回連絡があった接種会場からで、「先日は電話で連絡まで差し上げたのにワクチン接種が叶わず申し訳なかった。今日もし可能であれば余剰ワクチンが出そうであるため1時間後に来て欲しい。ただ前回と同じで、これからの成り行きによっては確約はできない」という話でした。どうやら私は先日お断りした枠として優先的に連絡を受けることができたようでした。
前回のような「結局接種できなくなりました」の悲劇を恐れながらも接種会場に赴きました。受付の方に「余剰ワクチンボランティアなのですが」と伝えたところ「予診票に今日の日付を書いて下さい」と言われ、あっさり接種が確定しました。私の受付番号は210番、5の倍数でした。受付のロビーには209番の余剰ボランティアの方が座っていました。今日の余剰ワクチン枠は2枠で、そのうちの1つを勝ち取れたという結果でした。
接種を終え、意外だったのが「2回目のワクチン接種予約もできますよ」と伝えられたことでした。私は市外からのボランティアという立場、2回目の接種までの面倒は見ないので自分で予約を取り付けなさい、という流れになるかと思っていたので正直驚きました。この辺りの運用は自治体によって異なると思うので、余剰ワクチンボランティアを申し込む際にはリスクとして捉えておくか、事前に尋ねておいた方が良いかもしれません。
まぁ結局のところ、ちょうど3週間後の金曜日は枠が空いておらず、最短でも26日後の水曜日とのことだったので、でしたら2回目分は居住地区の方で予約します、と伝え現地で予約はしなかったのですが。

まとめ:今は余剰ワクチンが取りやすくなっているはず

日本全体の接種数は日々伸びており、1回目を接種した割合は2/3に達したところです。接種希望者は既に目処が立っている方がほとんどかと思います。そういうわけで狭き門だった余剰ワクチン枠ですが、希望者自体が急速に減ってきていると考えられ、今は数週間前と比べてかなり取りやすくなってきていると思われます。少しでも早く接種を終えたい方、2回目の接種が都合で打てなくなり難民となっている方、最近になってワクチン接種に関心を持ち始めたはいいが自分の地域での接種が終わってしまっており途方に暮れている方、余剰ワクチンボランティアという選択肢がありますので、近隣の自治体や医療機関の情報を追ってみてはいかがでしょうか。

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