見出し画像

日々のあそび「設定の不備を補修する」

設定として根幹部分の同音異義語「ようさい」についてあんまり考えてないくさいので膝から崩れ落ちたんですけど、それはいいんです。「ようさい」は話のスタート地点であってそこから面白くドライブしてるのが一番大事。書籍化おめでとうございます。(三話くらいで上記のごとく膝から崩れ落ちて読むの投げたけど)

で、ここからが本題。この不備をバカにして「なろうwww」と嘲笑して終わるのはただのニートのやることです。考えるべきはこの設定を成立させるためにそうすればいいのか? ということです。

実例で行きましょう。今回の作品では水晶に表示された【要塞職人】を【洋裁職人】と勘違いされたところから話が始まります。

ゲーム的なスキル存在型の世界設定から派生したスキル勘違いタイプ作話はまさに文化/シーンの発展の最たるもので割と好きなんですけど、その勘違いのギミックは大事です。

類例としては「作中知識で理解できないスキルの場合」「スキル性能、解釈がイレギュラー場合」そして「読み間違い」。

この読み間違いが発生するためには作中言語設定が問題になるんですけど、このギミックを成立させるためになんか考えてみようってわけです(前置き書くの飽きた)。

設定!!

適正職の表示は今は失われし古代語(日本語)でされる。古代語a(漢字)、古代語b(ひらがな)で表示されるそれを、これまで表示された中から神官が照らし合わせて読み解くのだ。職業判断システムの根幹は、神官らの知識蓄積が有ってこそなのだ。さあッ!君もレッツ喜捨。

例えばヒロインは

大魔道士
《だいまどうし》
「大魔道士、これまでも少数ながら報告されているぞ! 特に先頭の、人が手を広げたような文字は、続く言葉を強化する意味で『だい』と対応することがわかっている。そして『まどうし』は魔法を使う職業でも総合的な才能を備えた職業だ。結論、これは魔法職でもとりわけ強力な職業だと分る」

みたいな。

一方で主人公は

要塞職人
《ようさいしょくにん》
「なんだ……? この文字は。見たことがない。後半の職人こそものづくりの才能を秘めた職業で覚えはあるが。前半が一度も見覚えがないぞ。
読みは……『ようさい』……? 微かに覚えているのはsewingをそういう呼び名で表したことがある。その時も込み入った造りの古代語aで書かれていたからあれの異記載なのだろうか……?」

というふうに。

まあそういう前例無い職業を神官組織が深く追求しないのなんで? という疑問も……

話の流れ案!!!

斯くしてなんらかの制作職能を期待された主人公は様々な制作に携わるが、どれもこれも手先の不器用な彼は失敗失敗また失敗。さすがにこれまでの投下リソースどうすんべと言う空気が流れ居づらくなった主人公はドロップアウトし騎士団の養成所卒業のノーマル兵士という恥辱を甘受する。
一方ヒロインは今や【英雄】への道をひた歩いていた。
---
そしてある日、二人の立場は交差する。方や決戦兵器の唯一として、方や使い捨ての兵数の一として。
---
決戦は終わった。英雄は生み出された。しかし半端に腕の立つ主人公は、戦場で孤立し、いつの間にか打ち捨てられた要塞へと足を踏み入れていた。

といったところだろうか。

未来へ

指の運動程度に書いたら面白いなこの遊び。

いつもこんな感じのことを考えながら生きてます。

【おわり】

資料費(書籍購入、映像鑑賞、旅費)に使います。