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にわかアトラスマニアが「十三機兵防衛圏」を知り,そして読破するまで

(2021年8月8日 追記)

部分的に課金していた箇所についてその措置を解き,全文無料公開いたします。

はじめに

昨年(2019年)11月28日,アトラスはPlayStation 4向けタイトル「十三機兵防衛圏」を発売した。

この作品がかなり面白かったから,応援記事を書く……ことになった……マジか

発売に至るまで

ヴァニラウェアが開発した本作は,2015年の初報から数えること4年あまり,ユーザーを「いつ出るのか,いつ遊べるのか」とじらし続けた作品だ。当時は「ペルソナ5」発売が「2016年夏」と発表されたことも記憶に残る……7月に発表された「オーディンスフィア レイヴスラシル」が2016年1月14日発売と発表された時点で嫌な予感はしたが(アトラスは時系列を遡る発売日公表をしない)

いま見ても,曲がかっこいいな……(製品版ではタイトル画面で流れる)

発表から発売まで,オーディンスフィアとペルソナ5をクリアし,「ラジアントヒストリア」をクリアしたころに第2報が届いた。

「やっと遊べる……!」と思ったが,その後続報は無く,2018年秋にはVita版の開発中止が告知された

クリア後から振り返れば,Vita版の中止は妥当な判断だったといえるが,当時は不安を抱えずにはいられなかった。同時期には「真・女神転生V」の続報が1年間途切れていた状態(こちらは現在も記録更新中。続報をくれ……)で,「十三機兵防衛圏」の続報はまだか……と念じながらNew 3DS LLをいじっていた。

キャサリン・フルボディ」の知らせを聞きつつ「十三機兵防衛圏」の続報を追う気合いが落ち着いたころ,ある知らせが届く。

十三機兵防衛圏 プロローグ」が2019年3月14日に発売されるというのだ。

プロローグ版,だと……⁉︎

突然告知が来た時は驚いた……。

新しいPlayStationが発売されるたびに何らかの「グランツーリスモ」シリーズ作を買っている自分にとっては,プロローグ版といえばまさしく「グランツーリスモ」だ。向こうも頻繁に延期するし……

この存在によって自分は「十三機兵防衛圏」の生存を確認した。発表後間をおかず「デジタルアーカイブス」を予約した。PlayStation Storeの予約購入はいつも発売間近になって購入することが多いが,あの時は早かったな……「キャサリン・フルボディ」や「Devil May Cry 5」を傍目に見ながら,プロローグ版の発売を待った。

そして発売日を迎え,0時から遊び倒したが……のっけから不穏な雰囲気だった。当時公開可能な範囲(鞍部十郎編序盤)だけでも「実は別の誰か」とか「すぐ近くで監視されている」とか「一体どうなる……?」と思わせる。当時公開禁止だった範囲(製品版では公開可能)でもおもしろシーンや不可解なシーンの連続だった。沢渡とか,沖野とか,焼きそばパンとか……近い将来に「十三機兵防衛圏」を買う可能性を高めるには十分すぎた。

アドベンチャーゲームとしても,キャラクターごとのエンディングエピソードに富んだMAGES製アドベンチャー作品群になじめない自分にとっては「十三機兵防衛圏」の適度に動くアドベンチャーはちょうど良かった。この手の作品,セリフ自動送りをオンにしたまま放置してハードが無操作電源オフで止まることが自分にとって恒例だったが,「十三機兵防衛圏」を進めるのは自分のアクション――キーワードの考察,投げかけ,マップ探索――のため,放置しないし,適度に緊張感を持ちつつ物語を追える。このスタイルのアドベンチャーゲームの次なる展開に期待したい(特にMAGES方面に対して)

夏から秋にかけて,発売日(2019年11月28日)やゲームシステム(バトル・アドベンチャー・アーカイブの三段構え)が明らかになるにつれ,期待は更に高まった。同時に,金銭的余裕がない中で「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」や「イースIX -Monstrum NOX-」との兼ね合いを考える必要もあったが……

体験版を触った結果……「やるしかねえか」

10月30日,「十三機兵防衛圏」体験版が配信された。ちょうど「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」の購入を泣く泣く断念した頃だ。

3月のプロローグ版以降募る期待,そして続報で伝えられた「崩壊編・追想編・究明編の三段構え」がどう効いてくるか,そこを遂に確認できる絶好の機会だった。公開制限もなく,開始から約2割分(プロローグ版購入特典を含む)進められたが,この範囲だけでも(特に特典部分)どんでん返しの連続だった。あいつとそいつが同一人物とか,プロローグ版で見たイベントの続きが見られたり……拾いきれないイベントを見たいがために2周した。この作品を布教したいがために「電ファミニコゲーマー」Discordサーバーで紹介実況もした。

追想編(アドベンチャーパート)の触り心地の良さは変わらず,今回初めて触れた崩壊編(バトルパート)もまた心地良かった。「ファイアーエムブレム」のような一対一の命のやり取りとは異なる,敵の軍勢を高威力兵器で一掃する,喩えるならば俯瞰視点の「無双」シリーズだ。レベルを上げてサクッと撃破したい自分にとってはありがたかった。未踏のジャンルに踏み込んで楽しめた瞬間は気持ち良い。

そうして発売まで数日に迫った頃,PlayStation  Storeで「十三機兵防衛圏」豪華版を予約購入した。13,178円……高い買い物だった。後悔は無い,と今なら言えるが,当時はそう言い切れなかった。

いざ発売!どうだった?

端的に言って,超絶おもしろかった……。

発売日と翌日が予定無しだったこともあり,ぶっ通し(体験版含め32時間程度)でクリアしてしまった。限界までイベントを拾いきって進めなくなった体験版の続きから25時間程度,体験版も含めて32時間程度,2日ほどで完走してしまった。この間,冬坂編と薬師寺編で少し停滞したのを除いて,ほぼ止まらず駆け抜けられた。もう少し日数を経る予定だったが,わんこそばのようにどんでん返しを補給されては中断のしようがない。先が気になりすぎて⚪︎ボタンを連打していたほどだ(セリフ自動送りを入れていたのに……)

こうして自分は「十三機兵防衛圏」を読破した。今はクリア特典のボーナスステージ(崩壊編第4エリア)を進めている。作品の布教のために追想編を配信しながら遊び直しても良いかもしれない。

どうして「十三機兵防衛圏」は売れにくい?(妄想)

この作品を勧めるネックは,月並みだが「通常版の価格が高額」そして「広報における競合が自社および他社に多く存在」の2点だと考える。

「通常版 税抜8,980円」という値付けはアトラスのPlayStation 4向け,若しくはセガグループのPlayStation 4向けタイトルとしては最高額相当だ。「ペルソナ5」が8,800円,「龍が如く7」が8,390円と来て,税込み価格が1万円に達しそう(税込9,878円)な作品を買うのは勇気が要る。しかもそれが「周りからやれと押し付けられたがよく分からん何か」ともなれば尚更……。

ちなみに,例えばこれがSwitchなら,あと102円あれば「2本でお得 ニンテンドーカタログチケット」を使って,ポケモン新作両方のバージョン(それぞれ税抜5,980円)を買える。

仮に「十三機兵防衛圏」が「ペルソナ5」並みにメディア露出の多い作品だったら,高額はそこまでハンデにならなかっただろう。しかし実際自社でメディア露出の多かったのは「ペルソナ5 ザ・ロイヤル」だったし,セガは「新サクラ大戦」と「龍が如く7」だったし,他社では「Death Stranding」と「Jedi: Fallen Order」さらに「ポケットモンスター」と「リングフィットアドベンチャー」と,自社内でさえ話題の中心にいられない状態を発売直前まで続けざるをえなかった。高値を乗り越えるための認知度向上のチャンスを掴めなかったのだ。結局「十三機兵防衛圏」は充分な追い風を得られないまま発売日を迎えた……

自分も(厄介な)アトラスマニアの一人だ。だから広報の実際にコメントすることは避ける。それでも,熱量をより広く伝える術はなかったか,自分は何か貢献できなかったか,それを無視することもできない。今後発売されるヴァニラウェア,並びにアトラスの新作(「真・女神転生V」はいつ遊べますか?)の広報で,広報の威力不足に陥らぬよう,準備を期待するし,こちらも覚悟を決める所存だ。

まとめ

この投稿を作成する最中,アトラスから以下の告知があった。

アトラス作品が発売後の品薄に遭う例は多くないと感じる(直近では「世界樹の迷宮X」か)が,今回「十三機兵防衛圏」がその例に仲間入りしたことは,ヴァニラウェアやアトラスに多くの方が出会っていただけた,という点において喜ばしい。マニアとしては過去のヴァニラウェア作品,そしてアトラス作品にも触れていただき,ぜひファンになっていただきたい……と切に願う。

おまけ

「十三機兵防衛圏」崩壊編最終エリアをクリアした際の特典の一つ「第4エリア 住礼区」皆さんは何面までクリアしましたか?

自分は200面まで進みましたが,まだ続くようです……

第4エリア最終面に到達した方はどうぞご一報を……

あとは,そうだなぁ……とりあえず,サントラが楽しみです。

[十三機兵防衛圏]『十三機兵防衛圏』オリジナル・サウンドトラック発売決定!(1/17更新) 
#十三機兵防衛圏 #アトラス #ヴァニラウェア


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