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レポート「多摩美術大学ゲームアート研究室 第一回」

2024年6月22日に「多摩美術大学ゲームアート研究室 第一回」を開催しました。
このイベントは、ゲームのイベントや研究会は多数あるけれど、ゲームアートのイベントはあまり見かけなかったため企画しました。また、企画タイトルに関しては、東京大学ゲーム研究会(UTGL)がとても素晴らしい研究会だったため、主催の吉田寛先生に許可をいただいて、UTGLの多摩美版のタイトルにしました。


この教室は定員35名ですが、実際130人ほどご来場していただきました!大感謝!(写真:古山瑠琉)
ステッカーはNaoto Hiedaさん、谷口暁彦先生の協賛、大量のお菓子は私の自腹です。
(写真:古山瑠琉) 
谷口先生と私のゲームアート関連書籍セレクション(写真:古山瑠琉) 
リハーサルを終えてこれから始まるワクワク感(写真:古山瑠琉) 

まずはミニレクチャー編です。
mgr allergen0024(私)は「アートゲームとは何か」のレクチャーを行いました。Matteo Bittantiのゲームアートの説明の図について、ゲームアートの美術史的立ち位置や、ゲームアートとアートゲームの違いについてレクチャーしました。また、自作ゲームのレビューを通じて、アートゲームとプレイヤーの距離感ついても話しました。

mgr allergen0024「ゲームアートとは何か」(写真:古山瑠琉) 

吉田寛先生には「メタゲーミングの批評性と創造性」のミニレクチャーをしていただきました。「メタゲーミングの四つの戦略」(ステファニー・ボラック、パトリック・ルミュー)のお話から、具体的なメタゲームの紹介をしていただきました。

吉田寛先生「メタゲーミングの批評性と創造性」(写真:古山瑠琉)

ドラゴンワサビポテトさんには「世界のゲームアートと出会うには」というレクチャーをしていただきました。itch.ioやSteamでのゲームアート作品の探し方、海外のアートゲームのコンペなどのご紹介をしていただきました。ドワポンさんのXではレクチャーの資料がご覧いただけます。

ドラゴンワサビポテトさん「世界のゲームアートと出会うには」(写真:古山瑠琉)

谷口暁彦先生には「In-game photography の要点」のレクチャーをしていただきました。実際にゲーム内写真の事例を紹介しながら、論文などもご紹介いただきました。谷口先生のXではレクチャーの資料がご覧いただけます。

谷口暁彦先生「In-game photography の要点」(写真:古山瑠琉)

大岩雄典さんには「インスタレーションとプレイアビリティ」のレクチャーをしていただきました。「ゲームアートはなぜ、標準的な多くのゲームと異なり、特に「アート」と呼ばれるのか?」という切り口から入り、インスタレーションをめぐる芸術理論と、遊び・技術の哲学から考えるというお話をしていただきました。大岩さんの論文はリンクから読めます。

大岩雄典さん「インスタレーションとプレイアビリティ」(写真:古山瑠琉)

続いて、ゲームプレイ編です。
mgr allergen0024は「YOUR EARTH」「Bottled Beer Go Around」のゲームプレイを行いました。以下のリンクからプレイできるのでぜひ遊んでみてください。そのほかにもhttps://hihaheho.comにてこれまでのゲームがプレイできるのでよろしければどうぞ。

mgr allergen0024のゲームプレイ(写真:古山瑠琉)

Zennyanさんのゲームプレイです。今回は展示のご都合でビデオレターでご出演いただきました。今回プレイしていただいた「詩が書けなかった日」はリンクからプレイできます。

Zennyanさんのゲームプレイ(写真:古山瑠琉)

薄羽涼彌さんのゲームプレイ(プレゼン)です。薄羽さんが助教として所属されている東京藝術大学のお話や、自作のゲームのお話などをしていただきました。薄羽さんのゲームはリンクからプレイできます。

薄羽涼彌さんのゲームプレイ(プレゼン)(写真:古山瑠琉)

小光さんのゲームプレイです。今回プレイしていただいた「Five Years Old Memories」は体験版がリンクからプレイできます。

小光さんのゲームプレイ(写真:古山瑠琉)

YOWPYさんのゲームプレイです。今回プレイしていただいた「Living as me, and dead as it.」はリンクからプレイできます。

YOWPYさんのゲームプレイ(写真:古山瑠琉)

宇佐美奈緒さんのゲームプレイです。今回プレイしていただいた作品はPrix Ars Electronica 2024 のHonorary mentionに選出されています。

宇佐美奈緒さんのゲームプレイ(写真:古山瑠琉)

宍倉志信さんのゲームプレイです。吉田先生と谷口先生が対戦プレイをしました。今回プレイしていただいた「子どもたちの庭」はSteamでリリース予定だそうです。

宍倉志信さんのゲームプレイ(写真:mgr allergen0024)

最後は懇親会をし、その後は飲み会をして終えました。本当に多くの人々が来てくれて大感謝です。現在多摩美大学院メディア芸術コースではゲームアートを制作・研究しているのが私一人なので、こんなに興味がある人がいることが知れて、とても勇気づけられました。

そして吉田先生からのとても嬉しいお言葉…!

「多摩美術大学ゲームアート研究室 第一回」が存続するかどうかについてはよく聞かれますが、私ももう修士を修了する予定なので、後は後世に期待して引き継ぎたいと思っております。また小規模でもゲームアートのイベントなどできたらいいな〜とぼんやり考えています。
また、「Game Art Club」というDiscordコミュニティを運営しているので、興味のある方はお気軽に参加してください。今回のステッカーのキャラクターもDiscordのアイコンの差分キャラクターです。参加者の多くはこのコミュニティに参加していただいております。

谷口先生、久保田先生、助手の平山さん、ゲストのみなさん、協賛のNaoto Hiedaさん、ご来場いただいたみなさん、本当にありがとうございました!!

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