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【チャゲアスっていう奇跡】Ep.0 はじまりの”YAH YAH YAH”

ギリギリ30代の私だが、ここ数年めっきり嵌っているのがチャゲアスことCHAGE and ASKA(チャゲ&飛鳥⇒CHAGE&ASUKA⇒CHAGE&ASKA⇒なう)だ。

ご存知の方もいるかもしれないが、2年前の2019年8月25日(12時07分)、ちょうどチャゲアスデビュー40周年という記念すべき日に、ASKAが一方的に脱退を宣言した。

ASKAのブログ(Fellows)のコメントを見る限り、これはもう決定的で不可逆的な事実だ。だからもう、チャゲアスという奇跡のユニットのパフォーマンスをリアルタイムに見ることはできない。ファンにとっては信じたくない現実だが、なんといってもASKAは自由意志を持って生きている一人の人間。彼の人生は彼にしか決められないし、彼がやりたいようにすればいいと思う。

(意味はないけどカッコいいから貼る。)

けれど、何十年経っても色あせない名曲、名パフォーマンスの数々を見るにつけ、どれほど彼らが才能に溢れ、そして、互いに唯一無二の才能のパートナーであったかを痛感するとともに、今もこの二人がこの世に存在しているならば、もう一度心を通い合わせて、二人で起こす化学反応を我々の前に突き付けてはくれないかと、願わずにはいられない。

ともあれともあれ、私がなぜこの文章を書いているかというと、とにかく、チャゲアスの素晴らしさを絶賛したいのだ。誰かに伝えたい、という気持ちよりも、自分にはチャゲアスの魅力を感じることができているんだ!と表明したい。チャゲアスの歌を聞いて、ライブの動画を見て、どうしようもなく震えた魂が、そのエネルギーをどこかに発したい。そう希求しているのを感じているから。


そして、私が今日、このシリーズの第一回目として紹介するのがこの曲。知っている人も沢山いることだろう(ある程度の年齢以上であれば、、だが)。

(デ~~~ン。"YAH YAH YHA"。B面の夢の番人はほとんど覚えていない。)

何を隠そう、私が生まれて初めて買ったCDは、"YAH YAH YAH"だった。当時小学4年生。新任の先生がちょっと都会の街に、私と友達二人を連れて行ってくれた。その時街の音楽屋で買ったのが、この8cmの、シングルCD。

どうだろこの突き抜け感!二人の動きも激しいが、とにかく作品自体があらゆる意味でぶっ飛んでる。こんなにオリジナルで、手放しに正面からぶつかってくる曲がほかにあるだろうか。

私がここでついでに紹介したいことがある。チャゲアスと言えばこのYAH YAH YAH、と言う人も多いかもしれないが、過去の曲を聴き始めると、ヤーヤーヤーと歌っている曲はいくつかあることに気付く。ASKAはよく言語にならない声でメロディを歌い上げる。普通だったら、Yeah、なのかもしれないが、ASKAはよくヤーヤーヤーと発する。多分声が出しやすいんだろうと思う。特に特徴的でわかりやすいのがこれ。もう歌い始めの冒頭からヤーヤーヤーを繰り返している。

この”Trip"は1988年のリリース。このTripも名曲ですね。バブル時代の都会のど真ん中で繰り広げられるキラキラした男女の着飾った外面とウブな内面との交錯が、これでもかという甘い詩的な言葉で綴られている。これは、この時代の人に生きた人にしか書けない世界観だと思う。

話は逸れたが、"YAH YAH YAH"は1993年の発売だから、それより数年前に、かなりヤーヤーヤーと前面に歌っているのだ。

思うに、"YAH YAH YAH"というのを曲のタイトル(というかサビ)に据えたのは、率直に、小田和正じゃないけど、言葉にならなかったからだと思う。サビに歌詞ないけど、まあいいや!タイトルも"YAH YAH YAH"にしちゃおうぜ!そんな勢いだったのではないかと想像する。勢い。勢い。時代のせいもあってか、勢いだけでも大ヒットしちゃう、そんな無双状態な時代の作品だ。

私がこの曲のCDを買ったのは、「振り返れば奴がいる」をテレビで見ていて(夕方の再放送だったように思う)、めちゃめちゃドはまりしていたからだ。歌と言うより、ドラマにだが。

その後も、7つ上の兄がいたから、兄が買ってきたCD(RedHill)とかで多少聞いたことは覚えている。けれども子供心にはあまり響かず、それよりもB'zに熱中していくようになった。

初めてCDを買ったアーティストではあったけれど、私がその魅力に開眼したのは、もうアラサー時代。奇しくも、ASKAに薬物使用疑惑が持ち上がったことが、彼、そしてチャゲアスを聞き漁るきっかけとなったのだ。YOUTUBEの彼らの動画へのコメントを見ても、私と同じようなきっかけで、過去のライブ映像を探し始めた人は多いように思う。

皮肉なことではあるけれど、ASKAがファンに顔向けできない事件を起こしたことで、これまで彼らに見向きもしながった人たち(若い層)が彼らの魅力に気づき、彼らの作品を評価し直し始めるムーブメントが多少なりとも起こったように思う。この数年。

そんなある意味不純で大衆的なきっかけからではあるけれど、私は彼らの曲を聴き始めることができて、本当に良かったと思っている。心を震わせるメロディ、世界観を持つ詩、圧倒的な歌声、ソウルフルなハーモニーが溢れている。そしてこれらは、精神的な高ぶりや癒しを私にもたらし続けてくれている。

だからその一端でもここで紹介して、誰かの心が私の心に共感してくれること、そして彼らの音楽と誰かの心が共鳴してくれることを祈っている。