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写真展と秋の雨

 台風直撃の予報だった昨日は朝から冷え込んでいて、思わず洋服箪笥の奥からヒートテックを引っ張り出して長袖のプルオーバーの下に忍び込ませてしまった。昼には気温が少し上がってバイト先でヒートテックを鞄に丸めて詰める羽目になったのだが、雨は季節の変わり目をしっかり線引きするようにしとしとと降り続けた。これから数ヶ月、夏を楽しみに生きなくてはいけない。

 バイトが終わってから、今月27日までの写真展『永遠のソール・ライター』を観に渋谷まで出向いた。美術展や写真展には都内の大学に通うようになってから頻繁に行くようになったが、世の中がこんな状況で大学も休みなので展覧会自体がすっかり遠い存在になってしまった。定期もないし、交通費が馬鹿にならない。

 写真を見ながら、私の大好きな画家ピエール・ボナールのことを思い出していた。こんな構図で絵を描きそう、とか、この色はピエボナっぽいな、とか。(ピエボナは私が勝手につけた略称)そしたらなんと、キャプションに彼の名前が。ソール・ライターもピエール・ボナールを敬愛していたらしい。人生の伴侶を最後まで描き続けた(写真に納め続けた)という境遇まで似ているのだ。これは運命なのかもしれないなと思った。

 展示室を出ても、まだ雨がしっかり降っていた。ソール・ライターの写真には雨や雪や傘のモチーフが繰り返し使われていて、今日はこの展示を見るのにぴったりな天気だったんじゃないかと嬉しくなって、傘置き場の後にあった大判ポスターの写真を記念に撮ってしまった。(普段、一人で展示に行くとなんとなく写真を撮るのが恥ずかしくて携帯を出せないのが悩み。。)

 展示の帰り道、横浜駅のカメラ屋さんに預けていたフィルムの現像データを取りに行った。ついこの間の写真を、待ちきれずに現像してもらったのだ。写真のセンスはあまりないけど、友人を撮るのは得意だと思う。あと、フィルムカメラで自撮りをする時に失敗したことがないのが自慢。一台のカメラを二人で持って、一人がシャッターを、もう一人がフラッシュのボタンを押す、というアナログ共同作業感がたまらなく良いです。

 ちなみに私が使っているのはlomographyのsimple useとkodac社のカメラで、どちらもフィルム交換のできる写ルンですみたいな感じで、軽量、簡単操作、お手頃価格でおすすめです。最後に、現像した写真をお披露目して終わります。おやすみなさい。

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