コーチングは○○に似ている
コーチングは〇〇に似ている、と感じることがよくある。
「コーチングとは」を端的に表現したいなと思うものの、定義しようとすればするほど余計に分かりづらくなったり、また定義という一線を引くことで実際の姿形からずれていくように感じていた。
そこでひとまず、「コーチングは何に似ているか」という観点から、コーチングの輪郭を捉えていきたいと思う。
(コーチングのわかりやすい解説は、こばかなさんやもえはしさんが図解や例を交えてnoteにまとめてくださっています。とてもオススメです。)
触媒としてのコーチ
クライアントの思いが強ければ強いほど、目標達成や行動変容、葛藤の克服を推し進める原動力となる。その原動力を、コーチは触媒として望む変化・行動が生じる方向に上手につないでいく。コーチ自身が張り切る・力を込めるというよりも、合気道のように相手の力をうまく利用し相手に返す感覚。
壁打ち相手としてのコーチ
まず話してみるだけで、意外なほどに気づきが進むことがある。そのとき、根っこにある熱量と向きあいたいテーマや目標とを、問いかけを通じて上手に交通整理し繋げていくことで、気づきの速度は加速する。
鏡としてのコーチ
目標達成に向けて、一人でできることは多くある。行動したり、内省したり、文章を書くことで考えたり。身近な人とできることもたくさんある。相談したり、雑談したり、一緒に行動してみたり。
しかし、一人で自分と向き合おうとしても、自分だからこそ見えないことは多い。また、身近な人に相談する際、なかなか純粋に「自分のために自分と向き合う」時間をとることは難しかったりする。
そこでコーチは、対話を通じてクライアントの性格や特性、思考や行動、期待や悩みをクリアに映し出す。そして、そこに潜む葛藤や自己矛盾を浮き彫りにして向き合うことを促す。
伴走者としてのコーチ
行動の継続は難しい。特に自分のための時間を確保し続けたり、変化というストレスの大きいことに向き合い続けたりするのは難しい。だからこそのライザップ。人との関係は行動の動機としてけっこう強力。
シェルパとしてのコーチ
コーチングのセッションは山登りに例えられることがある。どの山に登りたいかを明確にし(目標設定)、現在何合目あたりにいるかを確認し(現状理解、自己理解)、どう登っていくかを計画する(行動計画)。一息で登れる山ばかりではないので山小屋で休息もすれば、進む行程を都度確認したりする(継続コーチング)。
実験室としてのコーチ
何か変化しよう、行動しようとするとき、いきなり実践しようとしても恐怖や不安のブレーキがかかることがある。そういうときにコーチは、その場でシミュレーションする実験を手伝うこともある。安全が担保された場での実験を行った上で、クライアントは実地試験に向かうことができる。
味方としてのコーチ
コーチングの重要な要素として、エンパワーメント・勇気づけがある。
普段なかなか表出できない思いや本音を受け止めること、これまでの歩み・行動を受け止めること。そしてクライアントの持つ力を信じること。
「目標設定できれば、あとはクライアントが勝手に歩き出す力を持っている」という言葉をいただいたことがある。一人では立ち止まってしまうかもしれないような道のりでも、コーチは味方となって伴走する。
コーチングの輪郭とその中心にあるもの
「何に似ているか」を重ね合わせていくことで、コーチングの輪郭がぼんやりと見えてくるのではないかと思ってこの文章を書いてみた。その輪郭はけして別の概念と線を引くためのものではなく、コーチングの多様な側面とグラデーションを示すもののように感じる。
その重ね合わせの中で、コーチングの中心がどのあたりにあるのかも同時に見えてくるのではないかと書いていて感じた。暫定的に言葉にしてみると、
「クライアントが持つ主体性と自ら変化する力を信じ尊重しながら、主体的な思考・行動を間接的に支援する」
これが中心のあたりにあるのではないかと書きながら感じつつ、この思いを大事にしていきたいなと改めて思った。
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(参考)こばかなさん、もえはしさんのコーチング解説
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cotree advent note 38日目
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