見出し画像

まずは自分に近い10人にプロジェクトを伝えること。馬喰横山MIDORI.soのクラウドファンディング

『東京日本橋・馬喰横山に誕生するシェアオフィスMIDORI.soで「新しい生き方、新しい働き方」を探求する仲間を募集!!』。そんなタイトルで2021年9月にクラウドファンディングを行ったMIDORI.so。コロナ禍に、あらたな場所をつくるという難易度の高いプロジェクトに142万円を超える支援を集めたオーガナイザーの小柴美保さんにお話を聞きました。

問屋街にあたらしいMIDORI.soを作る

──これまでも書籍の出版などでクラウドファンディングを行ってこられましたよね。その中でもMIDORI.soのオープンでクラウドファンディングをしたのは初めてだと思います。なぜクラウドファンディングに踏み切ったのでしょうか?

今までオープンしてきたMIDORI.soの中でも、東京の東側エリアにオープンするのは私たちにとって初めての試みでした。それだけでなく、シェアオフィスが乱立している状況を踏まえると、ただオープンするだけでなくインパクトのある告知をしっかりやる必要がありました。それに加えて今回のMIDORI.soはビル一棟まるまる借りる形で1Fから7Fまでのフロアを手掛けるということで単純に資金が必要だという側面もありました。

スクリーンショット 2022-01-21 8.41.16

──これまでの.soは中目黒、表参道、永田町と比較的東京の中心部にありましたよね。馬喰横山にオープンしたのはなぜだったのでしょうか。

.soのコミュニティオーガナイザーのひとりがもっていた縁で、馬喰横山の物件ををMIDORI.soでやらないかというお誘いがありました。馬喰横山は昔ながらの問屋街で、世代交代の時期。ビルを売ったり空きビルになったりという動きも出ています。何もしないまま放っておくとビジネスホテルなどに買われてしまうことが課題の一つだったようです。物件を見させていただいたらとても面白い物件だったので、やってみることにしました。

──ビル一棟は大きな挑戦ですよね。

そうそう。家賃も通常通り払わなければなりませんし、今回はコワーキングスペースだけでなく、問屋街ということもあり、モノづくりができるアップサイクルスタジオも作ろうということでシルクスクリーンやリソプリンターなどを導入するコストもかかりました。シルクスクリーンのプリンターは200万円くらいするんですよ。告知もそうですが、オープン資金が少しでも欲しいという理由はこのような事情からです。

ポップなプロジェクトづくり

スクリーンショット 2022-01-21 8.39.55

──実際のクラウドファンディングプロジェクトの作成はどのように行いましたか?

プロジェクトそのものの作成やリターンの設計は、新たにメンバーに加わってくれたコミュニティマネージャーがやってくれました。私はそれをみて、少し手をいれたりする程度で。

──リターンのコースの名前が「MIDORIコース」「SOコース」などになっていて、素敵だなと思っていました。

あれもコミュニティマネージャーをしているスタッフが考えてくれました。プロジェクトのトーンをなるべくポップにしようとしていたので、ああいうネーミングになりました。

──プロジェクト制作で一番難しかったことは何でしょうか?

さきほどお話ししたように、MIDORI.soの中にはワークスペースだけではなく、シルクスクリーンやリソプリンターを使えるスタジオが併設されているのですが、クラウドファンディングの目的をどちらに主眼を置いたものにするのかをもう少し練れば良かったです。スタジオの支援を狙ったのですが、もっと押し出してもよかったのかも。そういったゴール設定なやリターンの設計が難しいなと感じました。

また、MIDORI.soをすでに使っている会員の方が応援してくれようとしている実態と、MIDORI.soの使用権というリターンの内容がうまくマッチしなかったのも難しかったポイントです。すでに会員の方は使用権はいらないですからね。それでも会員の方がたくさん応援してくれてとてもありがたかったです。

まだ実態のない空間に支援を集める

スクリーンショット 2022-01-21 8.40.09

──ビルの内装などが出来上がっていない状態でプロジェクトページを作るのも難しかったのではないでしょうか。このプロジェクトでは、上手に雰囲気を伝えていますよね。

クラウドファンディングに挑戦した経験がすでにあったので、プロトタイプやイメージで内容を伝えるという感覚があったのかもしれないです。内装はまだできていない状態だったので、すでにあるMIDORI.soの写真やイラストを使ってイメージを伝えました。

──プロジェクトの宣伝やSNSなど、実際の支援の集め方はどうでしたか?

今回は前回に比べてそんなに激しい宣伝をしませんでした。もちろんコミュニティオーガナイザーのメンバーたちで目標を決めて宣伝を頑張ってくれましたが、私は以前ほど何度も何度もお願いをしなかった。実際にMIDORI.soを運営していくなかで関わっていくまわりの人たちに「またお願い?」と思われてしまっては元も子もないので、無理のない範囲のお願いにしたんです。そうやって自然なお願いに留めておくことで、また次もクラウドファンディングが必要になった時にチャレンジがしやすくなりますから。

まずは身近な人10人に

スクリーンショット 2022-01-21 8.40.36

──これからクラウドファンディングをやる人に、なにかアドバイスはありますか?

まずは自分に近い人10人にクラウドファンディングをやっていることを教えることです。実際にクラウドファンディングをやってみると、身近な人が応援してくれるということがよくわかります。その身近な人に届けるための、まずは一番自分に近い10人に伝えることで、支援の話が広がるのだと思います。

(聞き手・文:出川 光)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?