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『日本仕事百貨』を手がけるナカムラケンタさんのナレッジ

いま、この状況をクリエイターはどうやって乗り越えようとしているのでしょうか。Creator’s Knowledgeでは、さまざまなクリエイターの今つくっているものの原体験、作っているもの、そしてこの状況を乗り越えるための知恵についてお話を聞きます。第一回目は、求人サイト『日本仕事百貨』などを手がけるナカムラケンタさんのナレッジです。


生きるように働く人の求人サイト『日本仕事百貨』のはじまり
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求人サイト『日本仕事百貨』を作るきっかけになったのは、いい場所にはそこに合った人が必ずいるということに気づいたことです。昔は、いい場所を作るために建築家になろうとしていました。でも、ある時近所に素敵なバーを見つけたことがきっかけで考え方が変わったのです。カウンター10席とテーブル席のあるそのバーには、オーナーやバーテンダーの人柄に惹かれてさまざまな人が集まってきていました。そこで、いい場所にはいい人がいきいきと働いているのだと考えるようになりました。それならば、いい人と、その人に合った働く場所を結びつければいい場所が増えるはず、そう考えて『日本仕事百貨』が始まりました。

『日本仕事百貨』は、転職するつもりがない人も楽しめる求人サイト

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『日本仕事百貨』を説明するとしたら、転職するつもりのない人もみている求人サイトです。今の職場に不満がなくても、さまざまな仕事があることに触れて「こういう仕事があるんだな」「こういうアイディアがあるんだな」と楽しんでもらっています。実際に旅行に行かない人でも旅行雑誌をみて楽しんでいるような感覚でしょうか。
その根底には、「仕事はそもそも楽しいものだ」という考えがあります。『情熱大陸』などのドキュメンタリーで人の働き方や仕事を見るのは楽しいものだし、『TED』のようにプレゼンテーションという仕事の一部が派生してエンターテイメントになっている例もあるように、仕事はそもそも楽しいこと。それを楽しいまま伝えられるような仕立てで作られています。


生活コストを下げて、今できることにフォーカスしよう

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日本仕事百貨以外にぼくらがやっている活動のひとつに、実際に僕らの拠点の1階で毎日のように開催されていた『しごとバー』というものがあります。この『しごとバー』を最近オンラインで行ってみたら、普段の30倍近くの人が見てくれました。もともとは対面のコミュニケーションを大切にしていた『日本仕事百貨』や『しごとバー』ですが、オンライン化することで新たな可能性がありそうだと考えています。

今は、何かをやってもすぐに結果が得づらい時期だと考えています。きっとこういう状況は2年くらいは続くでしょう。2年と言っているのは、早めに希望を持ちすぎても叶えられなかった時に心が折れてしまうし、2年以上では困難すぎるから。いわゆるwithコロナの状況がそれくらいは続くだろうと覚悟を決めて、1日1日をどう過ごすかにフォーカスしながら、売り上げがほとんどなくてもなんとかなる方法を模索するべきなのではないかと思います。例えば、いろんな工夫をして生活コストを下げて1ヶ月10万円で生活することができたら、240万円で2年間を乗り切れます。今は緊急小口資金制度などもあるので、それらを利用して工夫をすれば、自分ひとりが生き延びることは不可能ではないと思うのです。

僕は、増えた時間を使って事業承継をサポートする『BIZIONARY』や、『しごとバー』、『日本仕事百貨』の取材などをオンラインで行えないかを試してみるつもりです。もちろん厳しい状況にはなるけれど、今やれることもたくさんあると思うんです。

プロフィール
ナカムラ ケンタ
株式会社シゴトヒト代表取締役
生きるように働く人の求人サイト「日本仕事百貨」代表。事業やスペース、コミュニケーションシゴトヒト文庫ディレクター、グッドデザイン賞審査員、IFFTインテリアライフスタイルリビングディレクターなど歴任。東京・清澄白河「リトルトーキョー」監修。誰もが映画を上映できる仕組み「popcorn」共同代表。著書『生きるように働く(ミシマ社)』。現在オンラインで参加することができる「しごとバー」、存続が難しくなった事業の承継をサポートする「BIZIONARY」も手がけている。

日本仕事百貨
https://shigoto100.com

しごとバー
https://shigoto100.com/event_cat/shigotobar

BIZIONARY
https://shigoto100.com/bizionary-top

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