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神経電網は超万能調理器である

これまでの連載で、電脳の神経電網(ニューラル・ネットワーク)は、数値がうごめく電脳環境体系システムである事を示してきた。第五節の様に、数値で表せれば何でも扱える。画像はその典型と言える。しかし逆に言うと、数値で表せなければ扱えないと言う事だ。

数値でないものは、文章、将棋、チェス、囲碁などだ。ホテルの部屋代、不動産価格、株価などは数値だが、これらを変動させる要因は数値ではない。例えば、ホテル代では、駅から遠い近いや、風光明媚、都心か郊外か、また、同じホテル内でも、部屋によって眺望や最上階か最下階等、料金が異なる。

これらは多くは人が決めている。ホテルの部屋代を例に取ると、料金変動要因は、立地、設備、部屋の位置、季節だ。立地の場合、都心なら例えば評価を10として不便な郊外なら1として、10〜1の間で決める。しかし、これは観光を考えると、逆に郊外が10で都心が1になるかもしれない。これは人が判断する。

設備は、部屋の広さは数値だが、ベッドや家具、あるいはタオル、石鹸、歯ブラシ、整髪用品などの備え付け用品アメニティグッズは人の感覚を頼りに点を付ける。また、部屋の眺望も海が見えるとか、見事な庭園が望めるなども同じである。

季節と日付から、春の花見、秋の紅葉、季節の祭り、国際会議などの影響する催事イベントも、人が重要度などを参考に数値化する。これらを基に部屋の位置毎の格付けをする。

部屋が格付けで数値化されれば、稼働率が最大、即ち100%となるように、適切な部屋代を神経電網に学習させる。学習が正しいかどうかは、過去の情報粒データを入力して、結果が正しいかどうか判断する。思わしくなければ、評価関数や媒介変数パラメータを調整する。

この様に数値化できれば、料理の調理法、占い、薬品開発など、何にでも応用できる。神経電網は正に万能調理器になる。しかし、人が介在して感覚的に判断する部分がある。教師無し神経電網と言う自動で調整を行う電脳環境システムもあるが、電網の構造や各種媒介変数は人が決める。

つまり、人がどこかで必ず介在するので間違いが必ず生じる。計算上では絶対解ではなく近似値を出力する。電脳は1/3 + 1/3 + 1/3 = 1ができない。AIで競馬や競輪、あるは株価を予想させても、外れる時は多々有る。現在のAIは生成AIも含めて、SF映画に出てくる人造 人間ヒューマノイドではない。

以上

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