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日本語を駆使した英会話鍛錬の方法

まず最初に、これは私が考案したものではない。随分と前になるが、古本屋で英会話関連の本を漁っていた時、偶然見つけた本に載っていた手法を取り入れたものである。既に知っている読者がいるかもしれない。その時は無視しされるようお願いする。

ここで対象とする崖っぷちの人(第一部条件B)は、英会話を仕事で使うので、何らかの自分の分野が在るはずだ。その関連情報を最初の手がかりとする。

  1. 英会話鍛錬に使う道具の準備
    自分の分野/専門の日本語の文書を探す。これは例えば、商業、工業、或は自社が扱う製品の関連情報等、英語の会議や商談で話題とする分野である。ネット記事や現物の本など、必要と思うものなら何でも良い。後にネット翻訳サイトを利用するので、ネットで探した方が便利である。そのURLは保存して置く。尚、探す文書は英文でも良い。

  2. 単語や慣用句の抽出(ネット上で作業しているものとする)。
    まず、適当な名前で文書ファイルを作り開いて置く。次に、探した日本語文書の単語や言い回し(慣用句)を、英語でサラッと発音してみる。言えないもの、分からないものを選ぶ。このサラッと言うときの時間は0.6秒以内である。感覚として「えっーと・・」となったものは、0.6秒以上掛かっているので選ぶ。選ぶものは名詞、動詞はそのまま過去は過去形、形容詞、副詞、慣用句、その他の全てである。選んだ単語は、開いているファイルに複/転写して移す。順番は文書で見つけた順番とし、並べ替えはしない事。英語文書の場合は日本語の発音を試みて、同様の処理をする(移すのは英単語)。

  3. 対訳を付ける
    上記で選択した単語をGoogle翻訳サイト等で対訳を見つける。対訳は必ず一つとする。複数ある場合は複数対(つい)にする。英語列と日本語列の左右は、どちらでも好きな方に揃える。ここでは左英語、右日本語とした。ABC順等の並べ替えはしない。見つけた順とする。以下例、
    英語X <-> 日本語X
    英語H <-> 日本語H
    英語H <-> 日本語H
    英語A <-> 日本語A
    この様にして、必ず100組作る。これを一鍛錬単位とする。この鍛錬単位は何百も必要になるので、単語はどんどん抽出する。自分の分野周りが終わったら、他に何でも好きな分野で抽出し続ける。町を歩いて見た看板やTVを見ていて、「これ英語で何というのだろう」と、思った単語を次々と仕入れていくのも手である。既に作った表の単語と重複する語が出てくるかもしれないが、一鍛錬表に2〜3個重複しても構わないので、気にせずどんどん作っていく。
    尚、慣用句は、take A for Bの様に名詞/代名詞を入れておく。「〜」では発音できない。また、数値も商/工業英語では重要である。2,546,947,500のような数字を英語でサラッと言えなければならない。色々な数値をまとめて別途ファイルに置く。その際、相手国の単位がkg/cm/Lでない場合は、pounds, inches, yards, feet, miles, gallons などで、単位の切りの良い数字(一十百〜百億、千億、一兆・・)で幾らになるか、kg/cm/Lと相互の換算表を作って置くと良い。

  4. 鍛錬表の作成
    上記で作った単語対訳表は、鍛錬表とでも言うべきものである。その文書ファイルを印刷しても良いが、別の帳面等に丁寧に手書きで移す事を強く勧める。その方が遥かに記憶に残るからだ。印刷または帳面のいずれにしても、英単語と日本語の位置は、紙を縦二つ折にした中央線を堺に、左右に大きく離して置く(重要)。対訳が複数ある場合は、並べて置かず間に少なくとも、5〜6個の他の単語対を入れる。そして、同じ単語の方に印しを付けて、複数ある事を示唆する。
    100組単位を明示するために、100個目で新たな頁にするか、見やすいように余白や線を入れる。一行置きにしたりとか、好みに合わせて、見やすいように色々工夫する。この表は唯一無二、特注になるので大切にする。最初に300組(100x3)、即ち3鍛錬単位以上を作って置くと良い。鍛錬と鍛錬表作りは同時進行で行う。

  5. 鍛錬の仕方
    仕方は極めて単純、まず、英語側を紙で覆い、一つの日本語を見て、対応する英語を発音して、紙をずらして英単語を確認する。そして次に進むだけである。ただし、発音終了までに掛ける時間は0.6秒以内。時計を見て、1鍛錬単位(100組)の全てを必ず1分以内で言い終える事。出来るまで何度でも鍛錬する。英語の発音が1分以内で終わったら、日本語側を隠して、英語を見ながら同様に、全ての日本語を1分以内に発音し終える。英日間で休憩しても構わない。
    英会話鍛錬は声に出す事が重要なので必ず発音する。英語の発音の際は、f、vは必ず上の歯を下唇の上に当てる。th は歯と歯の間に舌を出す。LやRに留意し、p、s、shは各々空気音を必ず出す。これらは中学英語で習う発音法である。尚、正確な母音は体得できないので気にしなくて良い。最初は不慣れもあって、英日両方で2分以内の達成には、数日かかるかもしれない。しかし、続けていれば1鍛錬単位を一日でこなす事は十分に可能である。尚、子音の発音が身に付いたら、忘れないよう片仮名英語は使わない事、使うと元の木阿弥になってしまう。これについては前回の投稿、第二部を参照して頂きたい。

  6. 鍛錬表の覚え方のコツ
    分からない単語があれば、最初から1分以内は無理である。単語を覚えなければならない。単語を記憶する最良の方法は、前後の単語との関連性を無理や作り出す事である。想像力を働かして、画像だったり、物語だったり、できるだけ奇妙奇天烈かつ荒唐無稽なものを考える。異性には絶対に言えない恥ずかしい関連などは、強く感情と記憶領域に作用して、想起(思い出し)を助ける。脳は網の結び目の様に、物事を関連付けて記憶する。この事を利用すると100組の英語/日本語の記憶は、そんなに難しいわけではない。
    余談だが中学生の頃、単語を覚えるのに単語札を作って、その順番を変えたりして、暗記した人も多いと思う。実はこれが一番記憶しにくい方法だそうだ(認知学)。何故なら単語間の関連がぶち切られているからだ。この事を中学生の時に教わっていたら、人生が変わっていたかもしれない。

  7. 長期間、記憶を留める鍛錬日程
    一つの鍛錬表の記憶(英/日)は、慣れれば一時間とかからないし、鍛錬表の発音1分(英/日)以内も短時間で達成出来る。しかし、鍛錬表を長期間、覚えて置くのは難しい。そこで以下の日程で英会話鍛錬を行う。「◯日」は日付、右の数字は鍛錬順番である。二日目からは前日の分も鍛錬する。
    1日1◯◯◯◯◯
    2日12◯◯◯◯
    3日123◯◯◯ : 3日分
    4日◯234◯◯ : 一単位ずらす
    5日◯◯345◯
    6日◯◯◯456
    7日1 234 567 : 通しで鍛錬
    8日678◯◯◯
    9日◯789◯◯
    12日◯◯89,10◯
    13日◯◯◯9,10,11◯
    14日6789,10,11,12 : 通しで鍛錬
    〜〜
    3日は、前々日の分もやるので、3単位で合計6分を目標に鍛錬する。4日は一つずらして、234となる。即ち、3単位づつ鍛錬し、一つの単位は三回やる事になる。3単位の所要時間は6分である。7日(123となってから5日目)は今までの6単位分+次を通しでやる。鍛錬時間は2x7単位で14分となる。こうして、5日目毎に6単位分+次を鍛錬する。単位毎に休んでも構わないが片側1分は厳守する。これで確実に記憶できるわけではないので、時折不安のある部分を7単位通しで鍛錬する。更に鍛錬が進んだら、一ヶ月に二度か三度、30分ほどの連続鍛錬(15単位)をやる。十分鍛錬したら、その鍛錬表の単語を抽出するのに使った、原文(URL保存)を読んでみよう。
    また確実に1分以内で、発音できるようになった鍛錬表でも、繰り返し何度も鍛錬する。そして、鍛錬しながらテレビのニュースや、スマホの音声ニュース聞いてみよう。最初は難しいが、鍛錬が充実すると、ニュースの内容が、発音しながらでも理解できるようになる。この事が英会話に非常に役立つのである。

  8. 身に起こる事
    真面目に鍛錬が進んで2〜3週経つと、日本語の文書を目にした時、意識を集中すると文書の中に、その英単語がパッパッと浮かぶものがある。更に鍛錬が進むと、TVの字幕や宣伝文字、町中の看板や、その他立て看板等、あらゆる単語の英語がパッパッと脳裏に浮かぶ。また、集中すれば、流れてくる音声の中の文言も頭に浮かぶ英単語となる。人との会話でも、知っている単語の英語が浮かぶ。その度に、英単語がピタッピタッと相手の顔に張り付いて、頭が単語ぐるぐる巻のミイラになれば完璧である? これは冗談であるが、それぐらい鍛錬すべしと言うことだ。

  9. この鍛錬が何故、英会話に役立つのか(1:文言の側面)。
    崖っぷちの人(第一部、条件B)が英会話を試みる時、最初に頭に浮かぶのは日本語だ。英語を英語で理解できないので、当然である。従って思いついた日本語を英語に変換しようとする。この時二つの難関がある。一つは英語が思いつけない、また思いついても変換に時間がかかる事である。二つ目は思いついた日本語が、高度な文体で用語も難しい。これは、数十年も日本語ばかり扱い、かつ専門知識も詰めんこでいるからだ。頭に浮かんだ日本語を英語に変換しようとすれば、しどろもどろなるのは当然である。従って、今まで説明してきた英会話鍛錬が、この二つの難関を容易に、突破させる力となる事は、明白に分ると思う。

  10. この鍛錬が何故、英会話に役立つのか(2:思考の側面)。
    どの言語でも会話は、単に話しているだけではない。話ながら頭の中で、別の事を考えたりする。商談で相手との腹の探り合いの交渉なんか、考えると分かりやすい。既に説明したように、声に出して鍛錬するので、喋りながら考える練習ができている。崖っぷちの人の英会話は話すことに夢中で、考えることができない。聞く時も頭が英語の音のみに集中し過ぎて、ちょっと長い話になると、最初に何を言ってたのか忘れてしまう事も間々ある。この鍛錬はそれを防ぐことができる。

  11. この鍛錬が何故、英会話に役立つのか(3:発声の側面)。
    英会話教室に通う人もいると思うが、先生と一対一ではなく、数人の生徒と一緒に学ぶ事が普通だろう。この時、例えば1時間の授業で、正味どれくらいの時間、声を出して英語を話しているだろか。先生とのやり取り、隣の人との感情の乗らない会話練習等、合計しても10分と無いだろう。中高6年間の英語授業でも、英語の声を出す時間は、日本語のそれに比べて、圧倒的に少ないはずだ。これでは喋れないのが当たり前である。崖っぷちの人にとって、英会話教室は金と時間の無駄である。しかし、このお金のかからない英会話鍛錬は、1単位目標が英日で2分だが、それを達成するために、何度も試みて何回も発声することになる。合計の発声時間はやがて膨大になる。これは極めて重要な事である。

  12. 英会話鍛錬を実際の商/工業英会話に活かすコツ
    数十年も日本語ばかり使い、専門用語を溜め込んだ崖っぷちの人は、英語を話そうとして、頭に難解な文を思い浮かべるだろう。例えば「今回の御社のプラントに設置された、脱硫装置に連結されているパイプの腐食についてですが、弊社のパイプ製品は、厳しい基準で製造され、耐圧腐食等のJIS検査にも合格しているので、品質には問題ないと思いますが、御社側での御使用時の圧力、流量、硫酸濃度の測定値等のデータをご提示頂けますでしょうか」と言った具合の話し。これ、このまま英語にするには、とっても無理がある。
    こう言う場合、話の筋から自明の事、「今回、御社のプラントに設置された、連結されている」等は省く。「〜が」と話を長々と繋がずに短くぶっちぎる。敬語は使わない。日本人の癖である丁寧さを表す「〜され」等の受け身は使わない。これらは商/工業英会話には不要である。流暢にする事が目的ではない。相手の考えを聞き、こちらの考えを相手に、正確に伝えるのが、商/工業英会話の目的である。
    例として挙げた、この話は「(私は)脱硫装置の腐食したパイプについて説明したい。我社はパイプ製品を厳しい基準に従って製造している。我社の製品は耐圧腐食等のJIS検査にも合格しているので、製品は品質問題を持たない(製品に品質問題はない)。(貴方が)我社のパイプを使った時、(貴方は)圧力、流量、硫酸濃度を測定した。そのデータを私達に見せて欲しい」等と短く出来る。
    この中で「製品に品質問題はない」は日本語的言い回し、「持つ、持たない」または動詞を使う表現に言い換える。主語や所有は必ず付ける。既に0.6秒の英会話鍛錬に慣れているので、筋肉(発声)を使わない頭の思考は、毎秒100mの神経信号伝達速度で、日本語の日本語による置き換えを一瞬でやってしまう。これが「英会話に日本語を駆使しよう」の意味である。この短縮した話は、中3か高1ぐらいの英語で事足りる。化学プラント系の専門語周りを3〜4千語鍛錬していれば、造作なく出来るはずだ。

  13. この英会話鍛錬はどのくらいすれば良いのか。
    この問を最後に持ってきたのは、これを最初に明かすと後込みして、最後まで読んでくれないのでは、と言う不安があったからだ。目標の語彙はたったの約3〜4万である。人が日常で認識する語彙数と言われているので、どってことない数だ。
    (^^!) 英会話鍛錬単位では、たったの300〜400鍛錬単位である。
    (^^)\ 一日1鍛錬単位とすると、一ヶ月で約30単位(3千語)、10ヶ月で300単位(3万語)となる。最初の不慣れな次期や単語の重複を考慮しても12ヶ月、つまり、わずか1年で達成する。
    \(-o-)/ この位になると、英字新聞の大部分の単語が分る。語彙数3〜4万と言っても、動植物の一般的な名前とか、身の回りの物、町で目にするもの全てを含むので、大したことはない。
    (^^!) また、単語は覚えれば覚える程、覚えやすくなる。なので、ドンドンやれる気分になれると思う。
    (^^!) 以上で終わり。

最後に、誰が言ったか知らない、二つの言葉を送り、締めとさせて頂きます。ここまで、長々と御精読、ありがとう御座いました。

見て信じるだけでは救われない、折れない心で実践した者のみ救われる。

年を取っても学びを始めるのに遅すぎる事はない。しかし、後年のそれは、三つ子の魂が得るものとは違う。それは、忘却の海に浮かぶ、水より重い水鳥のようなものである。足ひれで漕ぐのを止めれば、たちどころに忘却の海底に沈んでいく。

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