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自分以外は全員敵!

ありがたいことに、昔の私には両親が居ました。親のいない人からしたらとても恵まれた状況なんだろうなあと思いますが、居ればいいってものでもないですよね。

タイトル通りですが、“自分以外は全員敵!”と思って生きています。どんなに大切な相手でも大好きな相手でも、ずっとずっと敵。


父親はとても支配欲の強い人間でした。理不尽なことで怒鳴りつけられ叩かれる。彼の“教え”は機嫌によって変わるので、昨日怒鳴った内容と今日怒鳴っている内容が矛盾しまくり。自分で感情を処理できない悲しい人なんだと思いながらも、幼くて無力な私は彼の手元で育ちました。

完璧主義者&学歴コンプの彼は、当時中学生の私に“試験で学年一位をとり続けろ”と言います。えっ何のために。なんてもちろん言えない臆病な私は、おとなしく勉強に励みました。
そうしてバカなりになんとかノルマを達成していたのに、あるとき二位に落ちました。

夜、仕事から帰った父親が私の部屋にやってきます。試験の結果を訊かれて成績表を渡すときはもう、心臓が口から出て廊下でバウンドしていました。どうなってしまうのかな〜と思う間もなく降りかかる怒号。
「俺が働いて飯を食わせてやってるのに何でこんなことも出来ないんだ!!!」と叫ばれる。
いやこちとらあなた方の勝手で生まれたのですが、、、と心で溜息をついていると、突如放たれた彼のグーパンチ👊によって鼻がバキッといきました。

イッテーーーーマジでクソ痛い。あまりの痛みに対してキレそうになるけど、そんなことしたら彼に対してキレてるんだと誤解されかねないからじっと耐えます。うつむくと太ももに血が滴って、とりあえずティッシュで抑えながら教えを聞きました。
“良い成績をとって、良い高校に入って、良い大学に入って、良い会社に勤めて、幸せになる。”
そんなことを一時間ほど説くと、彼は満足したようで部屋を出て行った。血も止まったし、今日やるべきページまで勉強を終わらせた私は疲れ切って眠りました。

“良い”って何だろう。“幸せ”とイコールなのかな。彼の言葉が本心だとすれば、私の幸せを願ってくれているということ。それなのにどうして私達はこんな形になってしまうんだろう。
そんなことを考えながらでも眠れたのは、まさに若さかもしれないね。


翌日、鼻の腫れ方が尋常じゃないので病院に行きたくなります。ただ昨夜の出来事を母親に話すのは気が引けるからマスクをしたりなんだりで隠しますが、さすがに気付かれました。でも結局病院には行きませんでした。
彼は母親に対する愛情だけはまともだったので、母親には暴力を振るいません。だけど母親も彼のことがそれなりに怖いのだと思うと、私はもう何も言えなくなる。

鼻を殴られた昨日の夜よりも、何かを諦めたような母親を見たその夜のほうが悲しかったなあ。
父親も母親も、自分の身を守ることで手一杯なんだと。勝手で生んだ親なんだから責任を持って守ってくれるかもしれないなんて少しでも思っていたのが甘かった、これからはもうやめよう。そう納得するのが一番簡単でした。でもやっっぱり眠れるのはただただ若さ、、、。

波風立てずに暮らすのが最善策ということで。放っておいた鼻はだんだんと腫れが引いて一安心、そして鼻筋はガッツリ曲がりました。顔面ど真ん中で永遠のセンターである鼻がバグってんの、最悪すぎるだろ、、、。

でもミラクルなのかなんなのか、成長過程で上手いこと馴染んでいきます。今では折れていたであろう部分に触れてもらわないとわからないくらいになりました。(マリオカート実況を見てくださったかたはお分かりかもしれませんが、マジで“巻き返しの鬼”です)


寒い季節になるとたま〜に鼻の骨が痛くなって、その出来事をふと思い出します。良い高校、良い大学、良い会社。
何一つ興味がなかった私は彼と離縁するやいなやレズ風俗でブイブイ言わせ、稼いだお金で専門学校に通い、そうして手にした専門職は即辞めて。彼に言わせれば“無駄なことしかできない馬鹿”なんだろうけど、めちゃくちゃ幸せです。強がってるとかじゃなく。私は自分の人生を幸せに生きるプロだと思っています。

一番身近であるはずの、そして身近であってほしかった親ですら敵だったし、少なくとも味方ではなかった。
期待をするからがっかりするのであって。ア○パンマンが顔を分けてくれても“おっ、ありがとねー!”という感じだけど、バ○キンマンが100円くれたら“マジで!?いいの!?”となるタチなのです。
それなら多少極端かもしれないけど、“全員敵”と思っておけば少しの善意でもとても嬉しくなれる。


ちなみに母親のことは大好きです。本当に本当に面白いし優しくてヤバい大切な存在。だけど母親である前に一人の人間だから、それだけは忘れないようにしています。その考えをすべての相手に適用するようになってから、ネガティブな感情を抱くことは激減しました。
自分の身は自分で守ること。それは唯一の味方である自分が、自分自身に対して取れるたった一つの責任。


私にとってはあなたも敵です。優しい言葉やあったかい時間をくれる、結構好きな敵。いつもありがとう。
あなたにとって私も敵でしょうか。みんなが敵同士で、褒めたり撫でたりし合ってる。そう思うとなんだかおもしろいよねえ〜。
というわけで、今回もだらっとした雑記でした。読んでくれてありがとうございます。


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