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家計簿アプリのもっと先、まだないものをデザインする - マネーフォワード ホームカンパニーの面白さ

今回は「すべての人がお金の悩みをなくし、自分らしく生きられるようにする」というミッションをもつマネーフォワード ホームカンパニーについて、デザインの観点から、CDOのセルジオとカンパニーCXOの久冨の対談を通して紹介したいと思います。

ミッションや事業内容、ホームにおけるデザインと人、組織など、様々な話をしていますので、ホームカンパニーをより深く知りたい人、ホームカンパニーでデザイナーとして働くことに興味がある人に是非読んでいただきたいです。

伊藤セルジオ大輔(いとう せるじお だいすけ)以下セルジオ
株式会社マネーフォワード グループ執行役員 CDO

久冨 伸彦(ひさどみ のぶひこ)以下DOM(どむ)
株式会社マネーフォワード ホームカンパニー カンパニーCXO

ふたりのそれぞれのミッション

セルジオ:今日はよろしくお願いします!まずは僕たちふたりのそれぞれのミッションについて、これを読んでくださる方にお話ししましょうか。

DOM:ですね、CDOとカンパニーCXOがどんなミッションを持っているのか、気になる方も多いと思うので。

セルジオ:マネーフォワードには80名以上のデザイナーがいて、デザインの力をとても大事にしています。僕はCDOとして、デザインの力をどう最大化していくか、というミッションを持っていて、組織作り・ブランド・プロダクトに責任を負っています。

DOM:僕はマネーフォワードのBtoC事業を担うホームカンパニーのCXOなので、「すべての人がお金の悩みをなくし、自分らしく生きられるようにする」というホームカンパニーのミッションを、デザインの力を最大化しながら実現することに責任を持っています。
もう少し具体的にいうと、ホームカンパニーのプロダクトの中心には「マネーフォワード ME」がありますが、それだけではミッション実現は難しいんです。「マネーフォワード ME」は、家計の状況を可視化することができますが、実際にお金の悩みをなくすために、ファイナンシャルプランナーへの相談サービスや、保険の見直しといった課題解決のためのアクションを訴求するサービスが複数存在します。それらと「マネーフォワード ME」を繋げるユーザー体験を、いかに上手く設計し推進していくかが、カンパニーCXOの腕のみせどころですね。


ホームカンパニーが届けたい世界観

セルジオ:改めて聞くと、「すべての人のお金の悩みをなくす」って本当に難しいし、壮大なイメージがあります。DOMさんはもともと、お金の悩み解決というテーマに興味をもって3年前に入社してくれたと思うんですが、どれくらい解決した感覚がありますか?

DOM:正直、まだ0.1%程度ですね。入社当時に考えていた「こういうことがやりたい」というイメージにはまだまだ到達できていないです。

セルジオ:なるほど……。確かに難しいテーマを扱っていますからね。その中でも入社してからの3年と、これからの3年で、プロダクトへの期待や、可能性は変化がありますか?

DOM:そうですね、変化は大きいです。ここ最近ではデザイナーのメンバーが増えて、複数のテーマを取り扱うことができるようになり、サービスが多様化しました。さらにデータ分析を行う体制も整えて、ユーザーの特性ごとにソリューションを提供する基盤を作るなど、僕が入社した時よりも組織としてできることが確実に増えています。そして、これからそういう体制を、もっと強化することができそうな感覚もありますね。

セルジオ:プロダクトの開発やデータの活用など、理想のプロダクトを提供するための体制が整ってきて、今後はアウトプットが出てくるフェーズになるということですね。DOMさんにとって、BtoC事業のプロダクト開発の醍醐味はどんなところだと思いますか?

DOM:僕自身がもともとお金のことに悩んでいたというか……住宅ローンとか、保険とか、難しいし、逃げていたんですよね。僕みたいな人って結構多いんじゃないかと思っています。
そういう「お金の悩みを解決する」というテーマのプロダクトを作ることで、身近な課題を解決していく実感を得られるし、世の中の人のためになるっていう感覚も得られる。そして、自分の人生そのものが変わっていく感覚も得られることが醍醐味なんじゃないかと思います。

セルジオ:DOMさん自身の人生が前に進んでる感覚ですかね?

DOM:それです。マネーフォワードに入ってサービスを作りながら、金融知識も勉強しはじめたことで、「いかに自分が必要以上の保険にはいっていたか」といったことが分かったんです(笑)
それで、いくつか保険を断捨離したら、妻が泣いて喜んだっていう体験がありました。彼女には「必要以上な保険に入ってるんじゃないか」っていう不安が強くあったようで、そういう身近な人の課題を解決し、喜ぶ姿をそばで見ていることによって自分の人生も変わったと思います。

セルジオ:そういった人が増えていくといいし、まさにホームカンパニーが届けたい世界観ですよね。
また、不安を解消した次のステップとして、なんらかのアクションをすることまで含めて提案することも必要です。そして「お金」ってチャンスを生むこともできると思っていて、新しい挑戦の源泉となるものですよね。


まだまだ完成形ではない「マネーフォワード ME」

DOM:ホームカンパニーが、ミッションとして「すべての人のお金の悩みをなくす」だけでなく「自分らしく生きられるようにする」を目指している意図もそこにあります。たとえば貯金できるのもとても重要だけど、その使い道というか人生をどう豊かにしていくか、までサポートしたい。
先日ユーザーインタビューをさせていただいた方は、エクセルで管理しながら余剰資金を算出し、自分が幸せになれる使いどころにお金を使いたいと考えて、カフェに行く回数を増やしたという話をしてくれました。結果ご家族の幸福度がとても高まったと。そういう分析や行動の変化をサービス内でできると、多くの人がもっと幸せになりますよね。

セルジオ:貯めることの一歩先の領域までいくのは本当に難しいことです。「マネーフォワード ME」は、これ以上やることがない成熟したプロダクトだと思われることもありますが、サービス体験の完成形はまだ遠いと思っています。

DOM:お金の見える化をする家計簿機能だけでいうと、確かに完成されているのかもしれないです。けれど、僕たちはその先のお金の課題解決や、幸せな使い方の支援をしたいので、もっと提供する価値を増やしていきたい。

セルジオ:そんなプロダクトって世にあまりないから、まだまだ新しいものを作るっていう感覚を得られそうですね。

DOM:難しさもありますけどね!セルジオさんの言う通り、実際今世の中に存在しないので、生み出すために考えなければいけないことがたくさんあります。でもそれだけチャレンジし甲斐があるんです。
僕たちがやろうとしていることは、お金を通じた幸福度の見える化に近いのかなと。それをユーザーの反応をみながら作っていけるといいですね。


ホームカンパニーにおけるデザイナーの役割や面白さ

セルジオ:目指すプロダクトを実現していくデザインを考えたときに、デザイナーとしての役割や面白さってどんなものがありますか?

DOM:今までないプロダクトを作る時にはやっぱりイメージが曖昧なので、デザイナーが見える形にして方向性を示したり、導いていきます。そこにデザインの力が発揮されますね。

セルジオ:確かに、見えないものを可視化するところにデザインを取り入れるということは、マネーフォワード全体でも活用していきたいと考えているので、見える化できるメンバーが集まっていますね。なにかこれからより強くしていきたいことはありますか?。

DOM:「マネーフォワード ME」と他の複数のサービスとの連携を作っていきたいのですが、その包括的なデザインをまとめあげて引っ張っていくマネジメント能力が求められます。そこを強化していくのが今のホームカンパニーデザイン部のテーマになってくるかと。

セルジオ:なるほど。多くの会社がシングルプロダクトから始めて、マルチプルなプロダクトを生み出していき、それを安定的にそして品質高く提供することが必要になっていきます。今のホームカンパニーは、そういった組織をデザインするというフェーズにあるわけですね。

DOM:ホームカンパニーのデザイン部は少人数なので、デザイン組織としては未成熟だけれど、同時に伸びしろがある状態です。その伸び代をチームで共に高めあっていくことが必要かなと思います。

セルジオ:スタートアップだと1、2人でデザインを行うとか、それぞれが個人として業務にあたるということもありますが、チームとしてPdMやマーケといったほかの職種も含めて連携していく上での面白さってどんなところでしょうね。

DOM:そもそもホームカンパニー自体が2,000人規模のマネーフォワードの中で、80名ほどの比較的小規模な組織ですけど、色んな職種がぎゅっと詰まって一つのプロダクトを作ろうとしています。複数のマトリクスがあって、それぞれが協力して開発しているというのは珍しいのではないでしょうか。

セルジオ:共創していく感覚ですか?

DOM:そうですね。いろんなアイデアを多様な人から貰いながら進めていっています。

セルジオ:あとは、BtoCプロダクト全般に言える面白さかもしれないですが、多くのユーザーの声が直接届くのも醍醐味ですよね。

DOM:確かに。ホームカンパニーでは、デザイナーに限らず色んな職種でユーザーインタビューをして、生の声を聞きながら開発しています。インタビューを通じてユーザーの方の、僕たちのサービスへの愛を感じることができるんです。
「満足度は100点満点です!」と言っていただけたりだとか、インタビューに「マネーフォワード ME」との出会いの紹介から始まるプレゼン資料を用意してくださった方もいました。

セルジオ:それは嬉しいですね!

DOM:はい、もちろんしっかりご要望もいただいています(笑)すごく励みになりますよ。最近だとリアル交流会も復活させて、代表の辻さんにも来ていただきましたし。
ユーザーひとり一人が、少しでも人生を進めるきっかけになっているんだと思うと、我々としても有難いですよね。

セルジオ:本当に。ユーザーの皆さんと同じ言葉で語り合えるのもBtoCプロダクト開発の醍醐味かもしれません。


デザインが好きな人と一緒に働きたい

セルジオ:DOMさんとしては、どんなデザイナーと一緒に働きたいと思いますか?

DOM:変わった人ですかね……?

セルジオ:変わった人(笑)僕はなんとなくわかりますけど、これを読んでくださっているみなさんにも伝えたいので、もう少し具体的にお願いします!

DOM:ですよね(笑)デザインが好きな人がいいです!こだわりをもっていいものを作りたいと思ってくれる人。「もっといい表現ないかな」といった気持ちってユーザーや一緒に働く周りの他の人にも伝わると思うので。あとは、ユーザーとのコミュニケーションが大事なプロダクトが多いので、言葉についても一字一句突き詰めて考えられることも大事です。

セルジオ:世にあまりない新しいことをやろうとしているので、手さぐりなところもあるし、そういう熱量と追求する力があると心強いですよね。
チームワーク的な観点だとどうでしょうか?僕としては、マネーフォワードにはリスペクト文化が根付いているし、お互いの違いを尊重しながら意見を積み上げていく人が必要なんじゃないかって思います。

DOM:確かに!あとは、ひとつ一つこだわることも大事なんですが、スモールチームで色んな人とアイデアを出し合って、その間に立ってコミュニケーションを促進していくような力は必要ですね。

セルジオ:組織のつなぎ役ですね。モノを作っていく上でとても重要だし、実際マネーフォワードのデザイナーにはそういう人が多いです。

DOM:「デザインはここからここまで」というように幅を決めず、デザインそのものを広義で捉えられるような、デザインの定義を柔軟に広げられる人がマネーフォワードには合っていそうですね。

セルジオ:そういう広い役割を担うのが重要になってきているので、デザイナーへの期待値が高くなっているのは事実です。けれど、僕たちとしては支えあって、そういった「デザイナーへの期待値が高い環境で成長の機会」を提供していきたい気持ちがありますね。
特にデザインマネージャーは一般的には孤軍奮闘せざるを得ないことも多いですが、マネーフォワードのデザイン組織は事業部を越えた横の繋がりも作って、共に学びあいながらこの期待値に応えていくことを目指したい。


お金は悩みのタネではなく、チャレンジの源泉や心をよい方向に動かす源

セルジオ:マネーフォワードのデザイナーたちが、広くデザインを捉えることで力を発揮できるようになると、未来の事業ってどんな風に広がっていけるんでしょうね。DOMさんとしてはこういうものを作りたいとかありますか?

DOM:僕の理想は、マネーフォワードのアプリをダウンロードすれば自動でお金の悩みが解決して、その使い方までレコメンドしてくれるサービスを作り上げることですね!
今はまだ「自動でよしなに」っていうことができないのが課題というか、自分が入力したり分析したりすることが必要なんです。まずは、家計や資産管理として、悪いところを自動で解決できるプロダクトを目指したい。その上で、使い方の提案とかを自動化していくっていうステップを踏むイメージです。

セルジオ:フィンテック以外の領域でもそういう「自動でよしなに」っていうプロダクトはなかなかないですし、ユーザーのみなさんに価値を提供できそうですね。

DOM:あとはお金のイメージを変えたいのもあります。「お金ってなんとなく汚い」というイメージを「お金は人生の豊かさを作る」っていうようなポジティブなものにしたい。そうすることで、もっと楽しくお金に向き合う世界を作れる気がします。

セルジオ:その通りですね。お金は悩みのタネではなく、チャレンジの源泉や心をよい方向に動かす源というか、そういうイメージを持ってもらいたいと僕も思います。
デザインの力で、それを実現できるといいですね。

最後に

セルジオ:じゃあDOMさん、最後に読者の方へ一言お願いします。

DOM:僕は、子どもが生まれて初めて真面目にお金に向き合いました。そういう実際にお金のことで悩んだ経験があったり、あるいは今まさにお金の悩みや課題がある人がいたら、同じ課題を持つ沢山の人を助けるプロダクトを一緒に作りたいです。このインタビューを読んで、少しでも興味を持ってもらえると嬉しいですね。

セルジオ:そうですね、ぜひ僕も一緒に考えていきたい。DOMさん、今日はありがとうございました!

DOM:こちらこそありがとうございました!



ここまでお読みいただきありがとうございます。「すべての人がお金の悩みをなくし、自分らしく生きられるようにする」というミッションをもつマネーフォワード ホームカンパニーに少しでも興味をもっていただいたデザイナーの方々、是非以下よりエントリーをお待ちしております!

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