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株式会社ワークサイド|「個人」が主役のオンボーディングで働く体験を変える


ー起業家と投資家というより「同志」のような関係ー

HIRAC FUND 公式note (10)

インタビュー前から話が弾んでいるのは 株式会社ワークサイド 代表 秋山貫太さん(左)HIRAC FUND 代表パートナー 古橋智史さん(右)

(まさかの服装もそっくり。打ち合わせしていません偶然です。)

2020年7月のHIRAC FUND設立時、最初の投資先の1社であるワークサイド。そこから約1年、どうしてお互いを選び1年間どのように一緒に歩んできたのか、お2人に話をお聞きしました。

株式会社ワークサイド
従業員体験を向上させるオンボーディングプラットフォーム『Onn(オン)』を開発・提供。
Onnは、人事と現場がタッグを組みながら入社者一人ひとりに合った入社体験を構築する入社オンボーディング特化型のクラウドサービスです。
入社者の86%は最初の半年で会社に長く勤めるかどうかを決定しているというデータがあるなど、「入社初期の体験」の重要性は認識されつつも、アナログや属人といった受け入れの課題感も多く聞かれるオンボーディング。
Onnは「会社の入り口から従業員を大事にする会社」へシフトチェンジするための仕組みを提供していきます。

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出会いは2014年。6年ぶりの再会から数週間でファイナンスを決意

ーお2人の出会いについて教えてください。

古橋:最初に秋山さんに出会ったのは実は6年前。僕はスマートキャンプを創業したタイミングで、リクルートの『サンカク』という人材マッチングサービスを使っていたんですが、そのサービス責任者が秋山さんだったんです。

そこから、HIRAC FUNDの立ち上げ時に、Twitterで秋山さんの起業を知ってご連絡しました。

秋山:それが2020年6月頃ですよね。その時はあまりエクイティでのファイナンスを考えていなかったんですが、結果的に会って数週間でHIRAC FUNDから調達させていただくことになりました。

ーはやい!そんなにすぐに決めることができた理由は?

秋山:はやいですよね(笑)古橋さんの後押しがあったからかな。「事業をのばすために今(資金調達を)した方がいい」という現実的なアドバイスはもちろんですが、それ以上に古橋さん自身がファウンダーでその熱さがいいなと思いました。

例えば、初回MTGで僕が事業説明をしたら、古橋さんが「僕らも考えていることがあって」と、なぜかHIRAC FUNDのピッチがはじまって…。

古橋:話した気がする(笑)

HIRAC FUND 公式note (1)

秋山:古橋さんがパッションを持って、1人の起業家として新たにHIRAC FUNDに取り組まれている姿勢にすごく共感して、最後は「一緒に頑張りましょう!」と励ましあって終わりました(笑)

ーなんだか「同志」のような関係ですね。

秋山:まさにそうですね。

古橋:最初の出会いの時もそうですけど、秋山さんとは仕事の節目が重なったり、コミュニケーションしていても波長が合うんです。実現したい世界観への共感、事業の成長性などは大前提であるものの、縁や相性、信頼関係などの「感情」の部分も、投資をして一緒にビジョン実現を目指す上ですごく大事だと思ってます。

秋山:僕の理想として「起業家と投資家」という関係であっても「ワンチーム」でやりたいという思いがありました。調達のタイミングだけや短期間ではなく長期的に一緒に頑張っていきたいと思えるか、HIRAC FUNDの方々とお話する中で、それが叶うと思えたのが決め手でした。

HIRAC FUND 公式note (12)

従業員が主役のHRサービス。オンボーディングから働く体験を変える

ーワークサイド社のメインサービス『Onn』についても教えていただけますか。

秋山:リクルートで採用支援などを経験する中で、従業員一人ひとりの「働く体験」を良くしたいという思いをずっと持っていました。多くの人にとって、仕事をしている時間は1日の大半を占めるので、その時間が楽しいものになれば、個人にとっても組織にとってもベストですよね。

一方で、そのために重要な「入社後の従業員が十分に力を発揮できる」「従業員同士が信頼しあって働ける」というところを支えるサービスや仕組みってあまりなかったんです。

今後は人口も減少し、副業が一般的になるなど個が強くなっていきます。エンゲージメントの重要性も認知されるようになってきた中で、働く人たちがより輝ける世界を叶えるサービスを作ろうという思いで『Onn』を開発しました。

古橋:『Onn』が取り組むオンボーディングはすごく重要ですよね。

採用段階でのアトラクトはもちろん大事だけど、そこから入社前後のフォローができていないと期待値のギャップが起きて、それが会社への不信感などに繋がってしまうこともある。個人と会社、お互いにどういう期待役割があって、何をして欲しいとうのを言語化してすり合わせないといけないですけど、人数が増えてくるとそれが中々難しい…。

HIRAC FUND 公式note (3)

秋山:そうなんです。現場の肌感覚としても、オンボーディングの重要性は理解しているものの、純粋に忙しかったり、その役割と責任を担う専任者がいなくて「重要だけど自分のボールではない」となってしまう。ということは仕組みで解決する必要があるよねということが、『Onn』の構想のきかっけでした。

古橋:コロナ禍でリモートワークが進んで、採用も入社後も全てオンラインみたいな時代になると、より『Onn』の社会価値が高まるだろうなって思っています。チームメンバーみんなで新メンバーの状況を共有してサポートできるシステムは、こういう時代にこそ必要ですよね。

ー「オンボーディング」と言ってもそのアプロ―チは様々だと思いますが、その中で『Onn』が特に大切にしているポイントはありますか?

秋山:「従業員(個人)を主役にする」というのは、すごくこだわっています。

人事担当者の手間を減らす、企業側の管理をしやすくするという方向性のサービスも良いと思うのですが、今後も僕たちは「個人が感じる体験をポジティブにする」「個人が主役になる」を起点に、課題解決、サービス開発を進めていきたいと思っています。

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HIRAC FUND 公式note (4)

実際にHIRAC FUNDやグループ会社のマネーフォワードシンカでも『Onn』を導入。新メンバーとメンターのやり取りがブラックボックス化されずに共有されている。(写真右はマネーフォワードシンカCOO 中島さん)

広報支援でサービスリリースが日経新聞掲載。自分たちの「あの時もっとこうしていれば」を次の起業家に伝えたい

ーHIRAC FUNDのサポート体制はいかがですか?

秋山:『Onn』の正式版リリースの際に、広報の支援をしていただいて、日経新聞をはじめ色んなメディアに取り上げてもらえたんですが、これまで接点のなかった規模の企業や有名な企業からもお問い合わせをいただいたり、実際にご導入いただいたり、かなり景色が変わった印象です。

HIRAC FUND 公式note (9)

古橋:HIRAC FUNDのバリューアップチームで広報戦略を担当している柏木さんが、メディアとのリレーションを持っているのが大きいですね。今だともうスタートアップも数が多かったりするので、例えば数億規模の資金調達でも、それだけではメディアに載らないんです。今回で言えば、SaaS × オンボーディングという新規性 × コロナ禍での社会ニーズなどをかけ合わせて提案できたのが掲載に繋がったんだと思います。

日経新聞やスタートアップメディアで取り上げてもらうと、それだけでも会社やサービスの認知度や信頼度が上げることができるので、そこをサポートできたのはうれしいです。

秋山:そういった広報の重要性も、僕らのような初期フェーズのスタートアップだと気づけないんですよね。この時も、隔週で行っている定例MTGで古橋さんが「正式版リリースはメディアにリーチしていきましょう!」と言ってくれたのがきっかけ。

古橋:広報は、僕自身が起業した時にあまりうまくできてなかったことなんです。他にも僕らが「もうちょっとこれやっとけばよかったな」がいっぱいあって、HIRAC FUNDの支援先の皆さんには、そういった僕たちの経験則をなるべく多く伝えたいという思いがあります。

「いつか見た景色」を共有して、歴史の参考書という感じで見て欲しいんですけど、そういうものって全部が全部表にできない、口伝えじゃないと難しいセンシティブな話もいっぱいあります。僕もいろんな起業家の方に話しを聞いたりしますけど、トラブルやハードシングス系って、本質的に同じだったりするのでそういう話をお伝えしたいです。

HIRAC FUND 公式note (6)

秋山:古橋さんが起業当初苦しまれていた部分も知っていますし、きっと失敗も経験されていると思うんですが、すごく事業を伸ばされて成功されているのを見ているので、そういう起業家としての古橋さんから、スタンスやマインド面で鼓舞していただいたり、相談にのっていただいたりというのは、僕にとってかなり大きいです。古橋さんの「起業家のために」という思いはすごく伝わってきています。

古橋:起業家と投資家は、その立場から利害が対立してしまう場面ももちろんあると思います。それでも僕らは、最後まで起業家の味方でいれるような存在でありたい。

あくまで起業家の皆さんが主役であり、その成功のために何をサポ―トできるのかは、HIRAC FUND内での常にディスカッションしています。お互いにナレッジをシェアしていくという思いでやっていきたいですね。

秋山さんが「この事業をやってよかった」と思えて、ワークサイドで働いている人もお客さんもみんなが「良かった」と三方良しになるのがベスト。自分たちのやりたい世界観、ミッション実現に向けて引き続き頑張って欲しいです。

秋山:古橋さんやHIRAC FUNDのユニークさ、信念によって、実際にこの1年とても助けていただいています。僕らは必ず期待に応えたいですし、HIRAC FUNDにも「起業家視点のファンド」の道をブレずに突き進んでいって欲しいです。

HIRAC FUND 公式note (5)

インタビュー・文・写真/苞山 美香

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