HIRAC FUNDメンバーインタビュー:シニア・アソシエイトSamuel Santoso
こんにちは、HIRAC FUND広報の矢頭です。
HIRAC FUNDメンバー紹介の第2弾をお届けします。
今回も2023年にジョインした新しいメンバーで、インドネシア出身のシニア・アソシエイトのSamuel Santoso(Sam)です。
多文化を経て築いたキャリア
ー最初にSamさんのこれまでのご経歴を教えてください。
Sam:私はインドネシアで生まれ育ち、高校生の時にアメリカに短期留学しました。もともとはアメリカで進学・就職することを想定していましたが、リーマン・ショックの影響もあり、先に語学、中国語を学びたいと考え、18歳のとき台湾に渡りました。
大学入学してすぐは、中国語も全然わからずかなり大変でしたね。転機になったのが、3年生の時、言語交換の部活に入ったことです。
アメリカにいた時から、アニメやマンガで日本語は学んでいたのですが、部活内で日本からの留学生と仲良くなり、生きた日本語を学ぶことができました。そこから日本にも興味を持ち、1年間大阪大学で交換留学をしました。
ーそこで日本とのつながりもでてきたのですね!卒業後はどうされたんですか?
Sam:当時は台湾に戻り就職活動をしていて、台湾の証券会社の経営企画の部門で2年半くらい働きました。そこで、色々と経験はできたのですが、フロントオフィス業務に興味を持ち商業銀行に転職しました。
ー銀行ではどういった業務をされたのですか?
Sam:希望が叶い銀行では法人営業を担当することになりました。銀行を選んだのも、証券とは違う面から、金融業界をさらに学びたいという気持ちがあったからです。
証券会社の経営企画にいた時の他の部署と連携してプロジェクトを推進することや、金融業界ならではの動き方が役立っていたと思います。
そして、銀行にいた際にもまた日本との関わりができました。私は本店に務めていたのですが、たまに東京支店から不動産投資の案件がくることがありました。本店では誰も日本語がわからなかったので、日本語がわかる私が担当することになり、間接的ですが、そこで初めて日本語を使っての仕事に携わりました。
ただ、どうしても型どおりの仕事が多かったので、フロント業務でありながら、もっと裁量をもってクリエイティブな仕事に挑戦したいと思いはじめました。
金融業界での転機とスタートアップ業界への挑戦
ー商業銀行の後にどのようなキャリアを歩んだのでしょうか?
Sam:そうですね、その後は転職して、台湾のベンチャーキャピタル(VC)に入社しました。
もともと、大学にいた時から漠然とVCに興味は持っていたのですが、大学でインターンも行ってなかったですし、自分に自信がありませんでした。
ですが、金融業界で経験も積み、ラストチャンスだと思ってチャレンジしたところ、幸運にも台湾の新しくできたVCにほぼ創業メンバーという感じで入ることができました。
ーそこではどんな経験をされたんですか?
出来たばかりのファンドでメンバーも少なかったので、なんでもやりましたね。
企業分析からソーシング、イベント運営、投資先支援…まで幅広く業務を担当させてもらいました。日々ハードワークでしたね(笑)。
それ以外にも、証券会社・銀行とVCは違う点である「コミットメントに対する意識の強さ、案件に対するリスクの捉え方」という、VCのマインドセットに適応することに苦労しました。
仕事の面でも、投資案件が中々通らず悔しい思いもしました。
ですが、初めてパートナーからの案件に投資実行できた時は本当に嬉しかったですね。そして2年ほどでソーシングからクロージングまですべてひとりで担当した案件も投資実行できるようになり、また仕事も効率化でき、自分自身の成長も実感しました。
ーそこから、HIRAC FUNDにジョインすることになったきっかけは何だったのでしょうか?
Sam:ちょうど世界的にコロナ禍に入り、自分のキャリアに停滞感を感じていました。もっと大きな仕事にチャレンジしてみたい、自分自身がキャピタリストとしてもっと成長できるのか、違うキャリアを歩むべきではないか?と思い悩み始めていました。
そこで色々と考えを整理するために、数か月インドネシアに帰国しました。そこで、現在Mekariに出向している田中 春利さんに出会いました。
出会い自体は、X(旧Twitter)上でジャカルタ在住で駐在している人を探していて(笑)。
ジャカルタ生活をアクティブに楽しんでいる方を探しているときに田中さんを見つけて、私からDMで連絡してご飯に行くようになりました。そこでマネーフォワードも知りましたし、定期的に情報交換をさせてもらっていました。
HIRAC FUNDでの新たな一歩。夢を追う起業家を応援したい
ーそこでマネーフォワードとのつながりができたのですね。
Sam:当時キャリアについて迷っていた時期で、インドネシアに残るか、台湾のVCに戻るか、日本での就職もあるんじゃないか、と初めて考え始めました。
そこから何か行動したく、日本に行き1年でMBA取得することにしました。そしてこのMBA取得の1年で各国の経済状況が変わり、日本で働くことを決めました。
当時HIRAC FUNDの存在は知らずにマネーフォワードにエントリーしました。経営企画部門での就職を考えていましたが、マネーフォワードの経営企画も管掌している代表パートナーの金坂からファンドの話を聞き、既に知っているマネーフォワードグループで、これまでの経験を活かせると感じ、HIRAC FUNDにジョインをしました。本当にただただ運がよかっただけだと思います。
ーお話を聞いていると、Samさんが前向きに行動しキャリアを積みあげ、人と出会い、経験を積んだ結果だと感じました。HIRAC FUNDにジョインしてみていかがですか?
Sam:話に聞いていた通り、若手メンバーの裁量が大きいと感じました。アソシエイトでもファンドレイズに関わっていたり、良い印象は変わらないですね。やりたいことに、ファンドとしてチャンスを与え、でも失敗を許容してもらえるのは理想的です。
また、これまでのキャリアも活かせていると思います。資金調達の知見、組織や働き方の違いなどはスタートアップではない証券会社や商業銀行にいたからこそ見えてくるものもあります。
ー今のご担当や、カバーしている領域について教えてください。
Sam:業務内容は他のキャピタリストと同様にソーシング、企業分析、投資、投資先支援ですね。注視している業界のひとつは海外のスタートアップです。特に、自分の出身でもある東南アジアのスタートアップと、アメリカのスタートアップです。
HIRAC FUND自体2号ファンドから海外投資もできるようになり、シニア・アソシエイトの檜山と今年1月にシンガポールのArkadiahへの出資も担当しました。
そのほか、台湾でも担当していたBtoBのSaaSや、ロジスティクス、eコマースも見ています。
ーありがとうございます。もうひとつお聞きしたいのですが、日本と海外のVCやスタートアップについて、違いを感じることはありますか?
Sam:違いはありますね。東南アジアのスタートアップ業界と比較すると、日本のVC自体の数や、若手キャピタリストが増えてきていて盛り上がりを感じます。
また日本のスタートアップ業界は特に小規模のIPOが多く、VCとしてもEXITを実現しやすく、それによって次のファンドも立ち上げやすいのでいいマーケットですよね。
一方で日本語という言語の壁、ビジネスの仕方が異なるため、海外のVCや資本が入りづらいのではないでしょうか。日本にはすばらしいスタートアップも多いので、ガラパゴス化してしまうのはもったいないと思います。
ー最後に、キャピタリストとして今後の目標を教えてください。
Sam:ひとつは、アジアでHIRAC FUNDが知られるように、アクションをしていきたいです。ファンド自体の特徴や、投資先も知ってもらいたいですが、特にHIRAC FUNDによる支援の熱量の高さは注目していただきたいです。本当に、投資先1社ずつ真剣に起業家に向き合い、サポートしています。
もうひとつは、すばらしいスタートアップがユニコーン企業になるよう、寄り添いながら事業成長や、夢を追いかける起業家に貢献したいですね。また、成長を見守れることがキャピタリストである一番のやりがいだと感じます。
私は音楽LIVEが好きなのですが、例えるなら、30人の会場が埋まらなかったバンドを推し続けて、武道館に立たせたいという感覚でしょうか。
その旅の途中に一緒に参加できること自体を光栄に思います。自分はいち投資家としてではありますが、事業の良い時も悪い時も味方であり続け、自分に精一杯できることをやりたいですね。
最後に💡
ー趣味/休みの過ごし方
Sam:さきほども触れましたが、ライブハウス、フェスに行くのが好きですね!あと最近初めてお笑いの劇場に行って、かまいたちさんを観ました。日本語の練習にもなりますし、おもしろいコンビも沢山いますね。音楽もそうですが、芸人さんも夢を追いかけていらっしゃる姿がかっこいいですよね。
ーHIRAC FUNDメンバーから見た印象を聞きました
的確に検討のポイントを挙げてくれる
VC、各業界の洞察力があり、また多角的な視点を持っている。また惜しみなくアドバイスをくれて勉強になる
常に笑顔、気さくで信頼がおける。心優しい人くて懐が深い
四ヶ国語を操る語学のスペシャリストで、気分が良くなるとたまに関西弁がでる
HIRAC FUNDのTシャツ着用率がメンバー内で1番高い
最後までお読みいただきありがとうございました!今後もHIRAC FUNDのnoteでファンドの情報をお届けしていきます。
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