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ベンチャー企業のビジョン動画を入社1ヶ月で作った話

セーフィー株式会社(以下、セーフィー)のデザインセンターでディレクターをしている藤澤です。
セーフィーでは、会社やメンバーのことを知っていただくための活動としてnoteをはじめています。その一環として私もこの記事を書いています。

この記事を読んでいただく方の中には、そもそもセーフィーという会社についてあまり馴染みのない方もいらっしゃるかと思います。デザインセンター長の長谷山がセーフィーのデザインセンターについて書いた記事がありますので、もしよろしければそちらもご覧ください。

さて、前述の通り私はデザインセンターと言う部署で主にディレクターの役割を担っていますが、今回、2021年3月に入社してから1年が経過したことを機に、入社初期に担当した「会社のビジョンを体現する動画制作」の案件について、振り返りメモを書いてみようと思います。

プロジェクトの背景

元々あった課題

このプロジェクトが動き始める前から、セーフィーの目指している未来をわかりやすく伝えられるような動画があると良さそうだという声はありました。
セーフィーはこれまでにない世界を作ることを目指していることもあり、例えば営業活動ひとつとってみてもその説明だけで10〜15分かかってしまうなど、ユーザーにとって具体的にイメージしづらい側面があったためです。
その一方で、理解さえしてもらえればその先の話が一気に進むことも多く、そこに至るまでの過程の部分に課題感があったのです。

オフィス増床プロジェクトと一緒にスタート

そのような課題のある中、社員数の増加に伴ってオフィス増床のプロジェクトがスタートしました。
本社機能の移転ということもあって大きなプロジェクトとなりましたが、このオフィスには、課題となっていた動画を作って流すために、中央部分に大きなモニターを設置することや、訪問者用の待合スペースにもモニターを設置することで内装が決まっていきます。
この流れを受けて、新しいオフィスがオープンするタイミングにはモニターに流す動画も必要になるので、今回の動画制作のプロジェクトがスタートすることとなりました。

8F_大モニタ付近

動画が流れている新オフィスの大きなモニター

セーフィーの目指す世界とは

少し脇道に逸れますが、ここまで話に出てきた「セーフィーの目指している未来」についても簡単に触れておきます。
セーフィーの掲げるビジョンは「映像から未来をつくる」というものです。
セーフィーは、世の中のカメラの映像をクラウド化し、自分のためや社会のため、誰もが活用できる映像のプラットフォームを提供しています。
しかし、これを文字で読んだり言葉で説明されただけでは、「どういうこと?」となってしまうと思います。
そのため、ここまで述べて来たように、セーフィーが目指す先にどのような世界が作られるのかを表現する映像が求められていたのです。

プロジェクト化する

伝えたいメッセージの検討

企業の掲げるビジョンは、会社の目指す未来への道しるべですが、必ずしもそれは具体的なものを指しているわけではありません。
そこで、動画を作成するにあたって、抽象的に表現された世界観を噛み砕きつつ、動画を見た人にどのようなメッセージを伝えたいかを明確にしておく必要がありました。
今回、抽象化を噛み砕く部分については、私が入社した時点で既に社内で作られていた資料をベースに進めています。この資料はセーフィーの未来を語る場面で使われていた資料で、世の中をDX化していくためにセーフィーが2030年までに行っていくことを5つのステップに分けて説明しているものです。

画像2

参考にした資料

大きな流れの想定を作る

5つのステップに分けられた資料に倣い、動画でもこの流れに沿ったシーンを作ろうと考えました。

①これまでカメラは「防犯・監視」として使われていた
②今では遠隔作業での映像の活用も浸透しつつある
③他ツールとの連携によって映像データ活用の可能性が拡大し始めている
④この先、映像×AIによるソリューションがどんどんと生み出されていく
⑤さらに、誰もが映像データを活用することで、新しいソリューションを独自に開発したり、他の人がそれを活用したりできる社会が創られていく

といった具合です。
この大枠の流れが決まったら、さらにそれぞれのステップでどう表現していくのかを検討していきます。

プロジェクト概要をまとめる

と、具体的に動き出したプロジェクトですが、ここまでやりたいことが見えてきたところで、プロジェクトの目的・ターゲット・完成形のイメージなどといったものを改めて明文化しておきます。
他にも、「3分程度で理解できるものにしたい」や、「YouTubeなどの動画サイトにアップして営業活動でも自由に使用できることにしたい」、「オフィスで流すためナレーションなどの音声は入れない」などの要求や要件もここでまとめていきました。

プロジェクトを進める(準備編)

全体の流れを具体化する

ここから先は映像制作のプロである制作会社の方々の協力も仰ぎつつ形にしていきます。
まずは、ここまでまとめてきたメッセージやイメージ、要求事項などをもとにして、ざっくりとした完成イメージのすり合わせや、具体的にどういうシーンにすれば動画を見た人に伝わりそうかを議論していきます。ここでは字コンテや参考動画から、絵コンテ・ラフ動画といったものを用意しながら動画の構成を可視化し、固めていきます。
今回の動画の中で特に頭を悩ませたのは未来の描き方です。近い未来までは具体的なシーンで表現できるのですが、少し先の「まだない世界・作りたい未来」については、できるだけSFのようなフィクションに思われない範囲で「ほど良く」表現したかったからです。この辺りは弊社代表の佐渡島とも何度か議論を重ねたポイントです。

コンテ

絵コンテ

詳細部分の検討

絵コンテなどにしていく中で、それぞれのシーンの用意の仕方も検討していきます。例えば、撮影するシーンがどこで、すでに持っている素材を組み合わせて作れるシーンはどこになるのか。撮影するシーンの中でも、後から編集で追加していく箇所がどこになるのかなどです。
シーンの用意の仕方をイメージするのと並行して撮影に向けた準備も進めていきます。撮影する場合にはロケハンや出演者の選定(今回は社員の方々にお願いしています)、撮影機材や小道具の調達、それらを踏まえた撮影のスケジューリングなどが必要となります。
撮影に当たっては、スムーズに進めるために気を配らないといけないことも多く、慣れている方の協力あってこそ成り立ったところだと思います。例えば車のシーンでは、公道での撮影許可の取得は必須ですし、免許証を持っている人の中から出演者を選定したり、撮影しやすいオープンカーを用意するなどしました。

プロジェクトを進める(当日編)

撮影準備

私は現場では出演者の現場へのアテンドや撮影した内容の確認を行いますが、撮影に関しては基本的に製作会社の方々にお任せしています。
撮影するために機材をセッティングして照明などを確認したり、出演者のメイクや衣装合わせをしたりしますので、実際の撮影時間と同等かそれ以上に時間がかかる部分です。

撮影

照明や撮影の画角を調整しつつ撮影を行います。
今回の動画にはセリフはないため、動き方のイメージを出演者の方々とすり合わせながらリハを行い、完成度が高まってきたところで本番の撮影をしていきます。
また、撮影は複数の場所をまたいでいたため、スケジュールに沿った設置、撮影、撤収、移動を繰り返すところには特に気を遣いました。

撮影風景1

撮影風景2

プロジェクトを進める(後日編)

ラフ版の作成

撮影した映像の中から、よく撮れたシーンを切り抜いて繋げていくことで、絵コンテで決めていた全体の流れを再現し、確認していきます。
合わせて、シーン間のつなぎに入れる映像や各シーンに入れ込む要素の作成、BGMの用意なども並行して徐々に作り込んでいきます。

試写

完成度を高めていきながら関係者への試写を行ってフィードバックももらいます。
ある程度出来上がった段階で「ちょっと違う」という意見が社内から出てくるなど予期せぬ事態もありましたが、映像の足し引きでバランスを調整したり、メッセージ要素の追加したりしながら最後まで試行錯誤を繰り返しました。

完成

佐渡島の承認も得て完成となります。完成版は実際の新しいオフィスの大きなディスプレイでも映して確認しています。このとき、ちょうど通りかかった数人の社員が立ち止まって何周か流れるのを見入ってくれるなど、良い具合に目を引くものができたと思っています。
なお、後日談ですが、来客した取引先の方が動画を見て「コレ良いね」と言ってくださって話題になったという話を聞いたり、採用担当から採用コンテンツとしても使わせてほしいという依頼をもらったり、出演者について誰がどこで出ているか社内で会話が盛り上がるなど、色々なシーンで反響をいただいており、予想以上に役立てていることが実感できる動画となっています。

感想と仲間募集

今回、社員の方に出演を依頼していますが、声をかけた際に皆さんが積極的に協力してくれる姿勢には驚きました。もちろん出演は強制ではないので、中には表に出ることを好まない方からお断りもありましたが、そういう方も裏方としての協力を提案してくれるなど色々な形で関わってくれています。入社早々に社員の皆さんのセーフィーへの熱量や愛情が伺えるとても良い機会となりました。

そんなセーフィーですが、昨年に無事上場し、現在は一段と露出を増やしているフェーズでもあります。ブランディングやマーケティングにもさらに力を入れていきたく、こういった動画をはじめ、ウェブサイトや紙媒体、セミナーや展示会などなどの「武器」がまだまだ必要になっています。

こういったものを一緒に作ってくれる人や、違う形でも一緒に働いてくれる人を募集していますので、興味を持っていただいた方はお気軽にご連絡いただけると嬉しいです!

ディレクター職はこちらですが、色々な職能でも採用中です。



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