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TOKYO MXからの書面回答(8月10日)

 8月10日(木)に、TOKYO MXの編成局長(城田信義氏)より、「朝鮮学校報道を問う有志の会」宛に公開質問状に対する回答が届きました。これに対する「有志の会」代表3名の見解はこちらをご覧下さい


メール本文

朝鮮学校報道を問う有志の会
代表 早尾貴紀 様
   山本かほり 様

先日はお時間頂き、ご来社の上面談頂きご意見頂戴しました事、改めて感謝申し上げます。
また、今日までお時間かかってしまいました事、お許しください。
面談・メールで頂きました3点について、下記のように回答させてください。

(1)公開質問状への文書による回答
(2)貴社Webでの回答公開
(3)6/19の放送での事実誤認(公開質問状で指摘)を認めるならば,それについての番組内での訂正・謝罪

(1)について
 本メール添付の書面にて回答とさせて頂きます。

(2)について
 上記(1)の書面の中の「番組理念(ステートメント)」を当社番組公式Webで公開をさせて頂きます。

(3)について
 添付書類(1)回答に記載の通り、我々の確認・検討の結果、誤認はなかったと考えます。
 歴史認識を含めた見解の相違はありますが、面談の際にお話した通り、
 国や自治体の政策決定について当社が正誤を断定する事はありません。
 番組や編成は、政策や現状に対する多様な意見を取り上げる事で次の施策の糧となる事を目指します。
 適切な表現に配意した番組作りをより一層努めて参ります。
 今後も、ご意見をいただく事で番組作りに活かしていきたくご意見を引き続き頂けますと幸いです。

TOKYO MX
城田信義

(添付ファイル1)

公開質問状及び面談時に頂いた質問に対する当社の見解

<ご質問1・2・3・8について>
(当社回答)
 「私立外国人学校教育運営費補助金」は、東京都から学校に対して支給される補助金です。2013 年11 月の東京都の調査には「朝鮮学校は朝鮮総連と密接な関係にあり、教育内容や学校運営について、強い影響を受ける状況にある」と明記され、また、いわゆる高等授業料無償化制度に関するものではありますが、朝鮮総連との密接な関係に鑑みて朝鮮学校を対象から除外停止した国の判断が2021 年7 月の最高裁判決等において是認されております。当社は、自治体や国の決定した施策・判断についての正誤を判断することは致しませんが、上記の事実に照らせば、「朝鮮学校に対する補助金」とコメントした大空氏の発言自体は、制度の内容及び自治体や国の決定した施策・判断の内容と相違はありません。
 また、当該発言は、面談時に早尾先生・山本先生から頂いたご意見である「国際的な子どもの基本条約に反している」という正誤判断の問題でもなく、またご質問1でお書き頂いているような「政治的にカットされても子供の学ぶ権利に無関係である」という発言ではないと考えます。むしろ大空氏の発言は、補助金停止の状況にある学校に対して、経営面の努力や工夫において運営を成り立たせることにより、そこに通う子供達の学びへのサポートが実現できる側面もあるのではないかという1つの意見であると受け止めております。そして同時に、当該発言は、補助金停止の事実が学校側へ与えた影響等に対して、あるいは学校側に責任が全てあるのだという趣旨のものではなかったと捉えています。
 しかしその一方でこうした発言の趣旨が、結果的に番組の意図に反し、正確に伝わらない形となってしまい、早尾先生、山本先生をはじめ呼びかけに賛同された1096 人の方々、その他まだ声をあげられていない方のお気持ちを害してしまったことについては、番組制作・演出の重要な課題であると反省しております。今後はより良い議論や意見の発信、またその平等性や透明性が充分に担保される取材資料等の掲示によっても発言の趣旨を伝えられるよう、より一層の注力を施し取り組みたいと考えておりますので、ご理解賜れれば幸いです。

<ご質問4・5・6・7について>
(当社回答)
 早尾先生、山本先生との面談時にお話しさせて頂いた内容の通りと考えております。

<ご質問9について>
(当社回答)
 まずは、別資料で共有させて頂きます本番組の理念(ステートメント:番組の目的であり目指すべき編成制作態度)について、ご確認頂けますでしょうか。早尾先生、山本先生の本件に対する知見の広さ、そして呼びかけに賛同された 人の皆様の本件に関する想いの深さには一足飛びでは及びませんが、本番組では継続してこのテーマを取り上げ、深堀りしていくことも検討しています。
東京には本件と同じく多くの社会課題があり、本番組は、そうしたテーマについても取り上げ、議論をし、深堀りをしていきたいと考えています。其々の分野には、早尾先生や山本先生のような知見をお持ちの方々がいらっしゃり、また、関係者には積み重ねた歴史や関係する皆様の想いがあることも十分認識しながら、番組理念を体現することを通じて、より良い「東京」という街づくりに貢献できればという気持ちで進めていきたいと考えております。こちらについても、ご理解賜れれば幸いです。

(添付ファイル2)

<堀潤モーニングFLAG 番組理念・ステートメント>

 日本は、世界的な経済・文化・教育のグローバル化、人口減少にあります。今後、多様な民族や思想と共創していかねば日本の成長は難しいです。そのため、日本の玄関口である東京に位置する当社では、「国際都市・東京の情報を国内外に発信し世界に開かれたテレビ局にする」という経営理念を掲げ、編成でこれを実践していきたいと考えています。
 思想や背景が違えば、「避けて通るタブー」としてしまう事も多いことでしょう。しかし、それでは開かれた国際都市・東京にはなれません。むしろそうした議論を積極的に番組で取り上げる事で、視聴者に「共創に向けた、新しい知見や発想、前向きな思考のきっかけ」を提供したいと考えています。
 国家間や、異なる思想・信条の微妙な狭間に落ちているボールを、丁寧に取り上げるのが番組の役目だと考えています。落ちているボールにすら気付かず生活する事の方が、無意識な差別や情報格差を生んでしまい、気付かぬうちに人を傷つける事さえあります。
 TOKYO MXは「モーニングFLAG 」というオープンな議論の場を提供していくことで、「開かれた東京」の街づくりに貢献していきたいと考えています。