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「器用貧乏も、極めれば唯一無二の価値になる」インターンから新規事業立ち上げメンバーとなった新卒3年目の”パイセン”

MF KESSAIの様々なメンバーにインタビューをするこの企画。今回は、2017年マネーフォワード新卒入社時から「MF KESSAI株式会社」立ち上げに参画し、現在も中核メンバーとして重要なミッションを担っている山本隆弘さんにインタビューしてきました。

Profile
山本 隆弘 Takahiro Yamamoto
2017年4月新卒入社。MF KESSAI株式会社でビジネス領域を幅広く担当。社内の一部からは親しみを込めて ”山本パイセン” と呼ばれている。

最初は入社するつもりもなかった、気軽に始めたインターン

― 本日はよろしくお願いいたします。さっそくですが、まずは自己紹介からお願いします。

山本隆弘(以下、山本):よろしくお願いします。私は半年くらいのインターン期間を経て、2017年新卒として株式会社マネーフォワードへ入社しました。入社後はインターン期間から立ち上げに関わっていたグループ会社のMF KESSAI株式会社にそのまま所属しています。

― 山本さんは、入社が決まったのが結構直前でしたよね、確か12月とか。まずはマネーフォワード(MF KESSAI)に入社を決めるまでのことや、入社を決めた経緯について伺えますか。

山本:マネーフォワードと出会ったときには、実は別の会社に入社することを決めていました。就活では「一番仕事に集中できる20代は、スモールチームで色々幅広く経験しながら、かつ素敵なボスのもとで働きたい」という軸で会社を選んで、内定をいただいた別の会社に入社するつもりだったんです。

内定をもらった後は時間の余裕があったので、新しい勉強もできるようなアルバイトがあればやってみたいなと考えていました、偶然マネーフォワードでインターンをしているゼミの先輩から、ゼミのLINEにインターン募集のメッセージが流れてきたんです。これがマネーフォワードとの出会いでした。

ITベンチャーって就活の時には候補としては考えておらず、業界の情報や事業モデルなども全然キャッチアップ出来ていなかったんです。でも、知らないからこそ興味が湧きましたし、改めて考えてみたら「ITベンチャーも自分の企業選びの軸に当てはまっているよな」と感じたこともあって、すぐメールして応募しました。

― ご縁ですね。それでインターンとしてマネーフォワードで働くことになったわけなんですが、どういう業務を担当していたんでしょうか?

山本:マネーフォワードFintech研究所に所属して、取締役で所長である瀧さんの下で海外のFintech企業のリサーチ関連業務をやっていました。事業部門から受けた調査依頼に対して、レポートを作成して提出するような仕事です。海外のサービスや企業について、社内で一番詳しいポジションになれる面白さがありました。

また、依頼主の事業部の方々とコミュニケーションを取る機会も多く、既存事業の理解が深まったり、「事業を作る側の立場で見たら、こういう視点で調査すべきなんだな」というような理解も深まって面白かったです。後のMF KESSAIの母体となるチームとの最初の接点もこのタイミングでした。

Fintechレポート

<山本さん作成のFintechレポート抜粋>

― そうなんですね!当時のメンバーの印象などありますか?

山本:某Fintech企業のリサーチを頼まれてM&Aのヒストリーやサービスの連携先の調査をしたのですが、普通はレポートを提出したら「ありがとう!」くらいで終わるケースが多いんです。なのに、MF KESSAIメンバーからはものすごく掘り下げて聞かれました。

正直よく分からなくてフワッと書いていた部分についても細かく質問をされたり、「M&Aヒストリーがこうです、連携先がこうです」というファクトベースのレポートに対して、「M&Aする企業を選択する基準って何なんだろうね?」とか、背景にある戦略まで意見を聞きにきてくれたのがすごく印象に残っています。インパクトのある出来事でした。

― 確かにそれは印象的ですね(笑)

入社先としてマネーフォワードを選んだ決め手

― 別の就職先を考えていた中で、マネーフォワードに気持ちが向いてきたのはどんなタイミングでしょうか?

山本:インターンとして働き始め、そんなこんなしているうちに10月となり内定先の内定式にも参加しました。会社の雰囲気などを見る中で次第に「このままで良いのか?」という気持ちが漠然と出てきたんです。

一方、時期を同じくして瀧さんからは「どうしたらマネーフォワードのメンバーになってくれますか?」とマネーフォワードへの入社を誘われていたこともあり、このタイミングでしっかりマネーフォワードへの入社を考え始めました。

検討をするうえでは、事業部門の中に入って考えたいと思いました。これまではFintech研究所として事業を外側から見ている状態だったので、正直会社のことをよく分かっていない部分も多いと感じていたんです。

そこでわがままを承知で「入社を考える上で強い材料となるはずなので、新規事業のプロジェクトにアサインしてほしい」と伝えてみました。するとこんなムチャな要望に対して即日で話を付けてくれて、結果としてMF KESSAIの母体となるチームにジョインすることがその日のうちに決まりました。

― それはスピード感ありますね!実際、チームにジョインしてみてどうでしたか?

山本:ビジネスの内容が固まり事業計画を作っているようなタイミングで、とても刺激的でした。面白かったですね。元々理想と考えていた「スモールチームで、なんでもやれる」という環境でしたし、メンバーもとても魅力的でした。

メンバーの魅力って具体的にはどういうところでしょう?

山本:仕事の振り方やコミュニケーションの取り方などを見ていて、「マネーフォワードの中でもイケている、デキる人たち」という印象は元々ありました。

冨山さん(現MF KESSAI株式会社 代表取締役)は社内でも高く評価されていて、代表の辻さんや瀧さんも「冨山さんが自信をもって提案する新規事業ならやらせてみよう」というスタンスでしたし、実際チームに入ってみても最初の印象そのままでした。社内のエースが集まっていましたね。

考えないといけない範囲がとても広いし、抽象的な論点が多い中で、それに対する思考のアプローチがとてもスマートで、課題に対してガンガン太刀打ちしていっていました。めちゃくちゃチープな言葉でいうと「仕事できるなぁ」って感じです笑。あとは冨山さんの人を巻き込む力も凄いですね。

MFK初期の様子

<MF KESSAI 立ち上げ当初の写真(一番右が山本さん)>

サービスの設計を考えることができるようになったくらいのタイミングで、当時エンジニアやプロダクトオーナーとしてバリバリ活躍していた丸橋さん(現MF KESSAI取締役)に冨山さんから声をかけて合流してもらいました。

丸橋さんにも「スーパースター」って印象があったので、正直言って「そんなに社内のエースを引っ張ってきて大丈夫なの?こんな豪華なメンバーで良いの?」ってすごく驚きましたね。

― なるほど。所属する組織に相当魅力を感じていたみたいですね。具体的に最終的な決断をしたのはいつ頃ですか?

山本:12月にマネーフォワードの全社員が集まる半期総会で、内定者の紹介があるんです。その時期が近づくころには辻さんや人事の方からも「で、いつ決めてくれる?」と決断時期について聞かれていました。

自分としてもズルズル行くのは良くないなと思っていましたし、とても楽しく仕事ができていたので、あまり迷う理由もありませんでした。12月というギリギリのタイミングでしたが、入社を決断しました。

元々キャリアの理想としていた「スモールチームで素敵なボスをフォローする」という働き方がそこにありましたし、そういう環境にアサインすることを了承してくれたマネーフォワードという会社にも魅力を感じていたことも大きいですね。

仕事のスタンスのルーツは幼少期のサッカー経験かもしれない

― いわゆるオールスターチームに参画した山本さんですが、どんな仕事を任されていたんでしょうか?今に至るまで色々と役割を変えている印象もあるのですが。

山本:そうですね。本当に色々やってきましたね。まずは顧客獲得のための営業活動から、ユーザーさんが増えてきた段階ではカスタマーサポートの立ち上げや社内オペレーションの整備など、そしてこの間まではカスタマーサクセスの領域を担当していました。 直近は、財務やアライアンスなどの経営企画的な立ち位置で仕事をしています。

合計5人しかいない組織からのスタートだったので、「ボールを拾った人がオーナー」みたいな雰囲気がありました。みんなが自然とやるべきことを見つけて責任を持って取り組んでいましたね。自分が全体を見る立場になるタスクもあり、「自分が間違ったことをしたらお客さまに嘘をつくことになる」というプレッシャーがあったのも良い経験でした。オーナーシップを持つことの大切さを学べたと思います。

― なるほど、スタートアップ感ありますね~!山本さんの「タフさ」と「やりきる力」の原点を感じました笑。客観的に見て、めちゃめちゃ広範囲に責任もってますよね。そういう未知のものに臆せず取り組めるアグレッシブな姿勢って、何かルーツがあったりするんでしょうか?

山本:うーーーん。本当にそれがルーツかも分からないんですけど、サッカーをしていた時期の経験が大きいかな、と思います。

山本さんのサッカー姿_retouch

<サッカー少年時代の山本さん(赤い方)>

幼少期にサッカーをずっとやっていて、全国大会に行くような強いチームに所属していました。最初は足も速かったのでフォワードをやっていたんですけど、だんだんみんなが成長していく中であまり身体の成長が早い方ではなくて。徐々に身体がデカくて足も速くて強いヤツにポジションをとって代わられるようになってきたんですよね。かといって小さくすばしっこくて、というタイプでもなく。要は尖った特徴があんまり出せなくて中途半端な感じになってしまったんです。

そんな中で色々ポジションを試されていったのですが、そのうちに中盤で泥臭いことなんでもやります、みたいなポジションになっていきました。

― 中盤って具体的にどんな動きをするポジションなんですか?

山本:「全体を見て、攻撃の時はシンプルにパスでつなぐ。他の選手がいい場所でシュート打てるようにスペース作る。守備時には全体のバランス見ながらフォローしつつ・・・・・・」みたいな感じです。

小さい頃ってあんまり後ろのポジションをやりたがる選手がいないんですよね。自分も同じくそういう役割は好きではなかったんですけど、試合に出たいという気持ちの方が強かったので「それが生き残る道なのであればそうするしかない」と思い、腐らずプレーしていました。

するとだんだん、その中盤のポジションとして評価されて、色んな選抜大会とかに呼ばれるようになってきたんです。「試合の全体をみてバランスとる、ちゃんと考えながらプレーする人」ってジュニア世代にはそんなにいないんですよね。

― なるほど。こういう経験がある種の成功体験としてキャリアにおける価値観にもつながっているんですかね。

山本:今説明したような動きって「身体能力が高くなくても、技術が無くても誰でもできるものだ」って最初は思っていました。でも、そうではなくてずっと考えていないとできないし、経験を積んでいないとできない。「器用貧乏も、極めると価値になる」ことが評価と共に分かってきたんです。

プレーをしていくうちに全体を考えて動くマインドセットが身につき、考えた上でのプレーが評価されたりもして、なんでもやること自体への心理的な抵抗感は無くなっていきました。

新卒でMF KESSAIにジョインして、少数精鋭の優秀なメンバーしか周りにいない状況って、「優秀なプレイヤーたちの中で自分には何ができるんだろう?」というサッカーチームの時に経験したものと似た状況だったんですよね。

そういう時に、「こういう時は、こうしよう」みたいな発想の仕方は当時の経験が生きていますね。サッカーの時はレギュラー争いではありましたが、個として価値を見出していく上で、「今の何もない自分がどうしていくべきか?」みたいな考え方は同じかな思います。

― そういう全体思考は確かに大事ですよね。

山本:まぁ、スター選手になりたかったですけどね(笑)

大切にする価値観と、これからのこと

― では次に、山本さんの価値観みたいなところにも迫りたいと思うのですが、山本さんが仕事をするうえで大事にしていることって何ですか?

山本:そうですね、、2つあるかなと思います。

1つは「全体視点を持つこと」。

冨山さんの仕事を手伝っている中で、事業計画を見たり計画づくり自体に携わる経験してきたのですが、「今していることが、結果として何につながっているのか?」という視点を持つようになりましたし重要なことだとも感じました。

例えば営業としてユーザーにサービスを提案する際に、サービス開発の進捗も把握していると「今開発チームがこういう取り組みをしているから、ユーザーさんはこういうタイミングでこういう機能を使えるようになるはず」というようなイメージを持ってユーザーさんとコミュニケーションを取ることができますし、社内全体の動きを知っていることは、あらゆる場面で重要なことだと思います。

もう1つは「相手に対する想像力を働かせて、仮説を持って臨むこと」。

これはカスタマーサポート、カスタマーサクセスをやってきている中で培ってきたことだと思っているのですが、ユーザーとのコミュニケーションや営業先との交渉時に、「相手が本当は何を考えているのか、本当は何をしたくてその発言をしているのか?」ということを想像することは大切だと考えています。

カスタマーサポートにおいて言われる、相手が聞いてきたことに対して、なぜその質問をしてきたのかを考えて、本当は何を知ろうとしているのかを考えて、そこに対する回答をするということですね。これはカスタマーサポートに限った話ではなく、提案資料作りにおいても「相手が本当に知りたいことって何だろう?」って考え抜いて作ることが大事だと思います。

結局、1つ目の「全体視点を持つ」ことともつながってくるのですが、「ユーザーからこういう質問があったけど、最近開発チームから機能リリースのアナウンスがあったな」とか、「月初の時期で、こういう運用をしているユーザーだから、恐らくこういう操作をしているはず」という風に、全体を把握、イメージできているからこそ仮説がパっと立ちやすいということもあると思います。この「ちゃんと仮説を立てる」というところは強く意識していますね。

― まさにこれまで色々な役割を経験し、ユーザーやステークホルダーなどとコミュニケーションをしてきた中で培ってきた価値観という感じですね。
では最後に、今後MF KESSAIで山本さんとしてチャレンジしていきたいことについて聞かせてください。

山本:基本的なスタンスは今までと変わらないですね。今まで社内の色々な役割を担ってきたことは楽しかったですし、そういう経験は自分の良さだと思います。

たからこそ、より長期的で全社的な観点が必要になるような、MF KESSAIが非連続的な成長を実現するための課題にチャレンジしていければいいなと思っています。MF KESSAIが社会に価値を提供する上で必要とされることであれば、なんでも取り組んでいきたいですね。より長期的で全社的な観点が必要になるような、MF KESSAIが非連続的な成長を実現するための課題にチャレンジしていければいいなと思っています。

MF KESSAIが社会に価値を提供する上で必要とされることであれば、なんでも取り組んでいきたいですね。

― 山本さんらしい、頼もしいコメントですね!本日はありがとうございました。

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インタビュー・執筆
井上 玲 Rei Inoue
MF KESSAI人事。新卒入社の会社でソリューション営業、マーケティングを経験し、転職後は開発とデザイン以外だいたい、という何でも屋なポジションを3年半ほど経験。その末に人事に辿り着き今に至る。