2024NPB PERSOLパシフィック・リーグ 年間表彰予想


1.まえおき

9.9時点での成績から年間表彰を予想します。予想ランクは以下の通りです。

  • Sランク そのポジションorパリーグの中でとびぬけていて受賞がほぼ確実視される選手(今怪我して全休してもとれる)

  • Aランク 受賞が確実とは言えないが怪我をしなければ高確率で受賞できる選手

  • Bランク 受賞できるかは五分五分で好みで別れる選手

  • Cランク 同一ポジションorパリーグで傑出した選手がほかにいて受賞は厳しいが今年かなり頑張った選手

参考文献として以下の3つ

2.パリーグMVP

Sランク 近藤健介(福岡ソフトバンク) 他なし
MVPの選出方法としては

  • WAR

  • 優勝球団

  • 打撃成績

を採用しますが、いずれの項目でも近藤がかなり傑出しています。近藤のWARは7.3と傑出しており、パリーグの次点と比べると3ほど離れています。また、ソフトバンクは独走状態であること、打撃WARもかなり傑出していることからMVPは間違いないでしょう。

3.沢村賞

Sランク なし
Aランク なし
Bランク 才木浩人(阪神) 高橋宏斗(中日) 早川隆久(東北楽天)
Cランク 種市篤暉(千葉ロッテ)
本来沢村賞の表彰基準は

ですが、正直これは時代錯誤です。私が判断基準にしたいのは

  • 投球回

  • 奪三振

  • 投球WAR

  • tRA-/FIP-

の4つです。Cランクの種市篤暉は本来Bランクの3人と競える立場にあったのだが残念ながら負傷離脱してしまいかなり厳しくなってしまったのでBランクの3人で比較します。

  • 投球回 才木(148.2) 高橋(126.2) 早川(148.0)

  • 奪三振(率) 才木(124(7.51)) 高橋(118(8.38)) 早川(143(8.70)) 

  • 投球WAR 才木(3.1) 高橋(3.5) 早川(3.4)

  • tRA-/FIP- 才木(76/78) 高橋(49/58) 早川(71/65)

これを見ると投球回では高橋が劣っているものの、投球の質という意味では高橋が群を抜いているのが分かります。一方、才木と早川を比較するとやや質という意味で早川のほうが優勢であると言えます。しかし、3人の差は一回大爆発炎上すると結構変わるレベルで小さいので残り3-4登板で決まってくるのかなという印象です。しかし、さすがに規定投球回は投げないとさすがに厳しいので高橋は少し不利かもしれません。個人的には規定投げられれば高橋と予想します。

4.新人王

Sランク なし
Aランク 武内夏暉(埼玉西武)
Bランク 金村尚真(北海道日本ハム)
Cランク なし
おそらくこの2人のどっちかになるでしょう。個人的には武内が新人王、金村が特別賞と予想しています。一部オリカス界隈ではオリックスの古田島を推す声がありますが投球WARが0.1の中継ぎでは論値でしょう。それでは、この2人を比べていきます。

  • 投球回 武内(122.1) 金村(120.2)

  • 奪三振(率) 武内(90(6.62)) 金村(86(6.41))

  • 投球WAR 武内(2.4) 金村(1.4)

  • tRA-/FIP- 武内(76/78) 金村(99/95)

このように現時点では少し差があって武内が優勢となっています。しかし、最後の3登板前後で大爆発炎上があると同じレベルになるもしくは武内が少し離すことも考えられるので様子見でしょう。


金村を開幕当初中継ぎに据えていたあのアホ全権に対する感情

5.ベストナイン

ベストナインの判断基準ですが、投手は

  • 投球回

  • 奪三振

  • 投球WAR

  • tRA-/FIP-

  • 上位球団

の5つです。また、捕手は

  • 野手WAR

  • wRC+

  • wOBA

  • 守備イニング

  • ARM

  • Framing

  • Blocking

  • 上位球団

であり、その他野手は

  • 野手WAR

  • wRC+

  • xwOBA

  • UZR(TZR)

  • 上位球団

となります。以上を含めて投手ベストナイン候補は以下の通りです。
<投手>
Sランク 
なし
Aランク 早川隆久(東北楽天)
Bランク 宮城大弥(オリックス) 今井達也(埼玉西武)
Cランク 種市篤暉(千葉ロッテ) モイネロ(福岡ソフトバンク)
正直去年までは山本由伸という抜けた存在がいたのですが、極悪球団に逃げてしまい今年はそこまで抜けた存在はいません。しかし楽天の早川は先述の沢村賞候補に挙がるなどここまで大きな離脱もなく支配的な素晴らしいピッチングを見せています。そのため第一候補に据えました。
宮城と今井に関しては早川には少し劣りますが、WARが2.7-2.8程度とパリーグの中では抜けた存在です。しかし、下位球団であること、早川・種市に比べるとWARが1ほど低いので少し可能性は下がります。
優勝球団であることからモイネロを推す声も上がりそうですが、WARが2.1程度と世紀の超不快投球男伊藤大海と同じWARなのでさすがにB9は厳しいのではないでしょうか。種市は先述の通りWARは高いのですが、離脱してしまったのでここではCランクとしました。個人的には早川に取ってほしいと思っています。
<捕手>
Sランク 
なし
Aランク なし
Bランク 佐藤都志也(千葉ロッテ) 甲斐拓也(福岡ソフトバンク) 田宮裕涼(北海道日本ハム)
Cランク 森友哉(オリックス)
事実上Bランクの3人の一騎打ちでしょう。(森友哉を推す声もありそうですが捕手守備イニングがこの3人の半分くらいしかないので捕手としてのB9は少し厳しいとみています)序盤は田宮の調子がよくB9確定か?というレベルでしたが指標を見ても明らかに上振れだったので後半落ちてきてB9はかなり難しくなりましたが前半の貯金でWARとしては高いので可能性が0というわけではありません。指標を見ると守備はかなり終わってて打撃で稼いでいることが分かります。
佐藤と甲斐はかなり似たり寄ったりな成績です。WAR的には佐藤のほうが高いのですが、佐藤は一塁を守ったりちょこちょこ離脱をしているのでやや甲斐の方が優勢ではないかと考えています。個人的には甲斐に取ってほしいと考えています。

主要指標の比較 田宮は守備指標で劣るが打撃でトップ 甲斐はすべて安定している


<一塁手>
Sランク 
なし
Aランク 山川穂高(福岡ソフトバンク)
Bランク アリエルマルティネス(北海道日本ハム)
Cランク ソト(千葉ロッテ) 鈴木大地(東北楽天)
パの一塁手は現在山川がWAR3前後と抜けておりこのままいけばB9受賞は間違いないでしょう。アリエル(WAR1.3)に関しては7月までは割と山川と競っていたのですが、8月に山川が月間MVPの活躍をしたこととあの全権のせいで六に使われなくなったことで一気に離されてしまいました。しかし9月に無双をすればチャンスが完全になくなったということではありません。
ソト・鈴木大地は結構出ているのですが、意外と守備のマイナスがきつく、両者ともにWARが1を切っていてB9はかなり難しいでしょう。個人的には山川と予想しています。
<二塁手>
Sランク 
なし
Aランク 小川龍成(千葉ロッテ)
Bランク 外崎修汰(埼玉西武) 小深田大翔(東北楽天) 牧原大成(福岡ソフトバンク)
Cランク 石井一成(北海道日本ハム) 太田椋(オリックス)
正直二塁手部門はかなり悩みますが、現状小川のWARがほかの選手と比べると1ほど高いのでAランクとしました。しかし二塁守備イニングが400程度とBランクの選手の2/3程度しかないのでそこが唯一の懸念点です。
Bランクの3人はすべてWARが1.5程度で800イニング程度の選手で似たり寄ったり、Cランクの2人は守備イニングが400程度と少し格落ちします。個人的には太田椋に取ってほしかったのですが8月の怪我が痛すぎました。個人的には小川龍成と予想します。
<三塁手>
Sランク 
栗原陵矢(福岡ソフトバンク)
Aランク なし
Bランク なし
Cランク 佐藤龍世(埼玉西武) 浅村栄斗(東北楽天) 郡司裕也(北海道日本ハム)
守備イニング・打撃成績・守備指標どれをとっても栗原の一強です。議論の余地がありません。佐藤はシーズン中盤の怪我が痛すぎました。郡司と浅村は打撃はいいのですが守備で大きくマイナスをつけてしまっています。以上から栗原が受賞すると予想します。
<遊撃手>
Sランク 
なし
Aランク 今宮健太(福岡ソフトバンク)
Bランク 源田壮亮(埼玉西武)
Cランク 紅林弘太郎(オリックス) 水野達稀(北海道日本ハム) 村林一輝(東北楽天)
2023まで不調だった今宮が大復活を遂げてWARで他を1ほど引き離しているのでこのままいけばB9は堅いでしょう。
源田は守備は少し劣化しましたが今年は打撃で結果を残してWARが2.7と素晴らしい成績です。今宮には劣りますが今年も安定した成績を残しています。
Cランク3人はいずれもWARが1.5程度です。水野は某三塁コーチのせいでの怪我が悔やまれます。
以上から今宮が受賞すると予想します。
<外野手>
Sランク 
近藤健介(福岡ソフトバンク)
Aランク 辰己涼介(東北楽天) 万波中正(北海道日本ハム)
Bランク 周東右京(福岡ソフトバンク) 水谷瞬(北海道日本ハム)
Cランク 髙部瑛斗(千葉ロッテ) 松本剛(北海道日本ハム)

今年の外野はかなりレベルが高く、大混戦です。近藤健介はMVP級なので確定的ですが残りの2人はかなり難しいです。一応WARが3後半台がAランク、3前半台がBランクとしました。WAR2後半台がCランクです。

近藤を除く主要な候補選手の指標

辰己は去年(前半)までは守備の人のイメージでしたが今年は完全に真逆で打撃ゴリ押しになっています。万波は逆に今年は完全に守備の人です。しかしそのうえで平均以上の打撃力を誇っていて素晴らしい成績となっています。周東は課題の打撃がリーグ平均弱までは改善して守備がかなり改善されたため上位3人に肉薄した存在になっています。仮に9月辰己or万波が絶不調に陥ることがあればB9受賞の可能性があります。
水谷と岡は怪我などで規定に到達しそうにないこと、松本は守備はめちゃうまいが打撃が終わっていることを考えるとB9は近藤辰己万波周東のどれかと予想します。個人的には近藤・万波・辰己がとるのではないかと予想します。
<指名打者>
Sランク 
なし
Aランク レイエス(北海道日本ハム)
Bランク なし
Cランク 森友哉(オリックス) ポランコ(千葉ロッテ)
6月以降レイエスがDHとしてかなり無双状態にあって、打撃指標では200打席以上ではwOBAがパ3位となっていてDHとしての出場イニングも群を抜いていることからB9受賞はほぼ間違いないでしょう。
森友哉に関してはWARはレイエスを上回っていますが主に捕手としての出場が半分以上あり守備補正でかなり押し上げられていることから少し厳しいと思われます。ポランコはすべての面でレイエスに勝てていないので厳しいです。以上からレイエスが受賞すると予想します。
<個人的予想結果>
投手 早川(楽天)
捕手 甲斐(ソフトバンク)
一塁 山川(ソフトバンク)
二塁 小川(ロッテ)
三塁 栗原(ソフトバンク)
遊撃 今宮(ソフトバンク)
外野 近藤(ソフトバンク) 辰己(楽天) 万波(北海道日本ハム)
指名 レイエス(北海道日本ハム)

6.ゴールデングラブ賞

投手は守備指標を示すものが無いので省略してB9と同じ早川(楽天)と予想します。捕手以外のGG賞の選考として用いるものはTZRで、接戦の場合でARM Err 優勝球団などを考慮します。
<捕手>
Sランク 
なし
Aランク 若月健矢(オリックス)
Bランク なし
Cランク 古賀悠斗(埼玉西武)
守備イニング・TZRが大きくプラスとなるとこの2人しかいません。若月は今年は打撃が終わっているものの、ARM ErrR Blocking Framingの指標ですべてプラスと安定した守備力を見せています。
古賀もほとんどプラスと申し分ないのですが若月と比べると少し全体的に指標が落ちるので受賞は厳しいと思われます。以上から若月が受賞すると予想します。
<一塁手>
Sランク 
山川穂高(福岡ソフトバンク)
Aランク なし
Bランク なし
Cランク アリエルマルティネス(北海道日本ハム) 清宮幸太郎(北海道日本ハム)
守備指標においては山川が頭一つ抜けていて受賞濃厚です。一方、アリエル・清宮もTZRはプラスで一定程度のイニングを守っていて守備貢献は高いと言えます。しかし山川がかなり差をつけていて受賞は山川と予想します。
<二塁手>
Sランク 
なし
Aランク 小川龍成(千葉ロッテ)
Bランク なし
Cランク 上川畑大悟(北海道日本ハム) 石井一成(北海道日本ハム)
B9同様、小川のTZRは群を抜いています。受賞はこのままいけば間違いないでしょう。一方、日本ハムの上川畑と石井も守備指標はかなりよく守備貢献は大きいです。しかし小川がかなり差をつけていて受賞は小川と予想します。
<三塁手>
Sランク 
栗原陵矢(福岡ソフトバンク)
Aランク なし
Bランク なし
Cランク 中村奨吾(千葉ロッテ)
B9に続いて守備においては栗原が群を抜いています。以外にも中村奨吾がTZR次点と健闘はしていますが、栗原受賞は堅いでしょう。
<遊撃手>
Sランク 
なし
Aランク なし
Bランク 友杉篤輝(千葉ロッテ) 今宮健太(福岡ソフトバンク) 源田壮亮(埼玉西武)
Cランク 紅林弘太郎(オリックス) 水野達稀(北海道日本ハム)
B9では今宮の圧勝ですが、友杉 今宮 源田とでTZRはかなり似通っていてどちらが受賞するかは見通しが立ちません。ただ優勝球団補正で今宮が受賞する気がします。
Cランクの2人もTZRはプラスと守備貢献は大きいと思います。水野は某三塁コーチのせいでの怪我が悔やまれます。(2回目)個人的には今宮が受賞するのではないかと思っています。
<外野手>
Sランク 
万波中正(北海道日本ハム) 近藤健介(福岡ソフトバンク)
Aランク なし
Bランク 周東右京(福岡ソフトバンク) 松本剛(北海道日本ハム)
Cランク 五十幡亮汰(北海道日本ハム)
外野守備はBランクまでの4人が抜けていて特に左翼での近藤、右翼での万波は次点に倍くらいの差をつけていて受賞は確実でしょう。問題は周東と松本で、この2人はTZRがほぼ同じなのでかなり悩ましい問題です。

周東と松本の守備指標比較

上を見たらわかりますが、松本の勝っているポイントは守備イニング・守備範囲で、周東の勝っているポイントは肩・優勝球団補正・TZR(+0.2)となります。かなり難しい問題で、9月の成績で決まると思いますが個人的には松本にとってほしいですね。(贔屓球団補正)五十幡は打撃ではかなりヘイトを買っているのですが守備に関しては上位4人には劣るものの極めて優秀で守備固めとしては使う価値があります。以上からGG外野は近藤松本万波と予想します。
<個人的予想結果>
投手 早川(楽天)
捕手 若月(オリックス)
一塁 山川(ソフトバンク)
二塁 小川(ロッテ)
三塁 栗原(ソフトバンク)
遊撃 今宮(ソフトバンク)
外野 近藤(ソフトバンク) 松本(北海道日本ハム) 万波(北海道日本ハム)

7.まとめ

ここまで長文にお付き合いいただきありがとうございました。また9月の成績次第で変わる可能性があるので参考程度に見ていただければ幸いです。
<すべてのまとめ>
MVP 近藤(ソフトバンク)
沢村賞 高橋宏(中日)
新人王 武内(西武)・特別賞 金村(日本ハム)
B9/GG
投手 早川(楽天)/早川(楽天)
捕手 甲斐(ソフトバンク)/若月(オリックス)
一塁 山川(ソフトバンク)/山川(ソフトバンク)
二塁 小川(ロッテ)/小川(ロッテ)
三塁 栗原(ソフトバンク)/栗原(ソフトバンク)
遊撃 今宮(ソフトバンク)/今宮(ソフトバンク)
外野 近藤(ソフトバンク)辰己(楽天)万波(日本ハム)/近藤(ソフトバンク)松本(日本ハム)万波(日本ハム)
指名 レイエス(日本ハム)

以上です。ありがとうございました。

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