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はたらく女性の更年期「知ってるつもり」じゃ乗り越えられない?

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。

今回はひとりの働く女性として、私自身が“更年期”をどうとらえたかをお伝えしようと思います。

最近はすっかり落ち着いたのですが、実は4~5年前から更年期の症状に悩まされていました。

女性には“更年期”というものがあって、閉経が近づくとのぼせとかほてりとかイライラとかいろいろな症状が出ることは、もちろん知っていました。
ですが、自分がいざその時を迎えるとかなりオタオタしましたし、今振り返ると何もわかっていなかったんだなと思います。

加齢に伴う自分の変化は受け入れたくない?

もともと私は身体が丈夫です。
多少の肩こりや二日酔いによる頭痛でしんどい日などはあったものの、毎年の健康診断でもAが並ぶ健康体でした。年齢とともに多少の変化は感じていましたが「まだまだ全力で働ける!」と思っていました。

最初に変化を感じたのは、50歳になる少し前です。

まず目が見えにくくなります。
もともと近視ですが、夕方になると手元がぼやける。「こ、これが老眼か!」かなりショックを受けました。
年齢とともに老眼になるということは知っていましたが、どこか自分ゴトになっておらず、「むしろ自分にはそういう症状は起こらない!」ぐらいの感覚だったと思います。

そんな私にも、加齢によるカラダの変化が起こり始めた……。それを自覚したときのショックはかなり大きいものでした。

それからほどなくして更年期の症状が現れたのですが、当初は老眼の到来と同じ感覚で、どこか人ごとだったのだと思います。
自分の身に起こることなのに実感がなく、年上の友人が少し体調を崩している話を聞いた時も「大変なんだなぁ」と思った程度。これからどんなことが自分のカラダに起こるのか、積極的に調べたりしなかったと思います。

いま思うと、加齢に伴う自分の変化を直視したくなかったのかもしれません。けれどそんな私のおもいとは関係なく、カラダは刻々と変化していくことになります。

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もっと教えて欲しかった更年期のはじまりとつきあい方

“更年期”という期間が閉経を挟んだ前後の10年間だということも、閉経とは最後の月経から1年以上月経がない状態を経て決まるということも、実際に自分の身に変化が起こり始めてから知りました。

しかも、“閉経”と認識するのに1年以上かかるということは、実際に閉経してみないと更年期の期間が定まらないということになります。
つまり、「閉経かな?」ではなく、「閉経だね!」と確信できてから前後5年間を入れた期間が決まるわけです。

つまり、更年期の入り口に立った人は、自分が更年期かどうかがわかっていない状態です。そして「わかっていない」ことによる不具合が、日常生活でたくさん起こりました。

つくづく「誰かもっと教えておいて欲しかった」「いやいや、私自身がもっと真剣に考えておくべきだった」と思います。

月経困難症や妊娠・出産などによるからだの変化、女性特有のがんについては比較的いろいろな情報が手に入れやすいと思います。それなのに、更年期の情報ってどうしてこんなにキャッチしにくいのでしょう?

推察ですが、日本の性別役割分業的な考え方や文化的な影響もあるかもしれません。

閉経を「あがる」と表現することがあるぐらいです。
月経がなくなる=女性ではなくなる、そんなイメージから「更年期であることを知られたくない」「更年期であることを公にするものではない」といった意識も強いのだと思います。

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でも、実際に更年期になってみて私が強く思ったことは「働く女性の先輩たちからもっと経験を聞いてみたかった!」です。

「最初はこういうことがあるよ」
「こんなことがあったら注意した方がいいよ」
「こういう症状は婦人科に相談できるよ」
「こんなふうに乗り越えたよ」

……更年期にかんするこうした情報交換が気軽にできる社会になってほしいと切に希望します。

はたらく女性の高年齢化は進んでいく

医学的な情報はあっても、「はたらく女性がどのように更年期に対処すれば良いか」という情報がなかったのは、更年期になるまで働き続ける女性が少なかった影響もあるのかなと思います。

男女雇用機会均等が施行されたのは1986年です。このときに総合職として採用されたいわゆる“第一世代”の女性たちが、現在50代後半で定年が視野に入ってきています。
裏を返せば、それまでは結婚、出産を機に家庭に入るコースを多くの女性たちが選んでいたため、定年を迎えるどころか働きながら更年期を経験するケースも圧倒的に少なかったのです。

法律が施行された頃の世の中はバブル景気。女性は25歳を超えるとクリスマスケーキ(売れ残り)と言われ、3高(収入・身長・学歴の高い)男性をつかまえて寿退社が女性の幸せという空気がありました。
多くの女性が結婚や出産・子育てで一度離職し、子育てが落ち着いた頃に非正規で働くのが一般的でした。

年代別に女性の労働力率(15歳以上人口に占める働く人の割合)を表したグラフがあります。いわゆる“M字カーブ”といわれているグラフです。
平成元年からの30年で、若い世代の方が就労率が高くなり、かつM字の底がどんどん浅くなってきたのがわかります。

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◆女性の労働力率の推移(総務省統計局労働力調査基本集計より) この30年で“M字カーブ”の底は23.7ポイントも上昇しました


以前は、40代ぐらいで非正規として仕事復帰する人が増え、50歳あたりを境に再び仕事から離れる人が増加する傾向がありました。ですから、フルタイムで働きつづけている50代女性は、世の中全体としてはまだ少ないのです

更年期と仕事との関連性を知る情報が少なく、ましてやその体験談を語る機会などはまだまだ少ないのは、そういった背景もあるのだと思います。

今は産休や育休の制度を活用し出産を経ても働きつづける女性が増えました。働き方も多様化しています。少子化の今、働きつづける女性の高年齢化は、世の中の高齢化とともに進んでいきます。

これから先、はたらく女性にとってますます更年期にかんする情報が必要になっていくと感じています。

はたらく女性たちに、もっとカラダの変化に意識を向けて必要な情報を収集し、「更年期はいずれ自分にも起こることなんだ」という意識をもってもらいたい。

更年期経験者として、そのおもいをmezameのプログラムでも伝えていきたいと思っています。

■ 文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師


“mezame”は、
はたらく女性の健康とキャリアを
サポートするプログラムです

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女性特有の体調の周期的な変化、年齢やライフステージごとに変わって行く役割、体調、かかりやすい病気…。ウィメンズヘルスをふまえて“はたらく”を考えれば、女性従業員のパフォーマンスは今以上に向上し、女性自身もなりたい自分、叶えたい人生に近づくことができます。

さんぎょうい株式会社提供する“mezame(めざめ)”は、産業保健師と国家資格キャリアコンサルタントがタッグを組み、

*健康知識とキャリアプランニングの基礎研修
*個別のキャリア面談によるモチベーションアップ
*ライフステージ別・職級別の健康とキャリアを考えるセミナー 等

をおこなう支援プログラムです。

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