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「未来が見えない」テレワークで気づいた自分の姿【後編】

こんにちは。キャリアコンサルタントの松岡澄江です。

前回より、キャリアコンサルタントによるオンライン面談の事例をお伝えしています。

テレワークが導入され、これまで以上に仕事ばかりの生活になってしまったと話すもりのさん(仮名)。「世界を広げるにはどうすればいいですか?」との質問に、キャリアコンサルタントの私は、すぐさま彼女にアドバイスをするのは控えました。

《ご来談者プロフィール》
もりのさん(女性・30代前半)仮名
IT系企業で営業企画の仕事に従事、都内で1人暮らし
仕事は順調ですが、テレワーク導入以降ついキリなく働いてしまい、心身共に疲れを感じているようです。

「何が正解か」より「どうありたいか」

もりのさんは
「自分の世界をどうやって広げたらいいですか?」
とききます。

私は
「どんな世界だったらすてきだと思いますか?」
と投げかけてみます。

もりのさんの質問のしかたには、2つの傾向があります。
1つは「何が正解か?」
もう1つは「どうしたらいいか?」

それに対する私の問いかけの方向性は、
「どうしたいですか?」
「どうありたいですか?」

と、ご本人の希望に焦点をあてるものです。

答えがほしいもりのさんと、
もりのさんにとっての答えをきいている私。
禅問答のようですが、
どんな世界を広げたいかがわからないと
アドバイスのしようもありません。

私が思い描く世界ともりのさんが叶えたい世界は
きっと違うはずです。
もりのさんは、どういう世界を広げたいのか?
それを一緒に考えようと思いました。

自分がどうしたいのか?
自分がどうありたいのか?
自分のココロの声に耳を傾けることに慣れていないもりのさん。
とても戸惑っています。

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これまでの歩みの中に未来へのヒントが

思考の突破口がない状態を繰り返していても
しかたがありません。
そこで、少し「今」から視線をはずして、
学生時代、子ども時代に好きだったことや
夢中になっていたことを聞いてみます

過去の中には、
その人の大切にしている価値観が見える
ことがあるからです。

高校時代は、
吹奏楽部でサックスを吹いていたそうです。
スポーツが盛んな学校だったので
応援団で夢中になって吹いていたという話をしてくれました。

とても楽しそうに。

社会人になったばかりの頃は、
自己啓発でいろいろな本を読んでは読書日記をつけていたそうです。
それが自分の成長をうながしてくれていたといいます。

几帳面な性格が表れていますね。

「今、手元に楽器がないのですぐには演奏ができませんが、
読書はテレワーク中でも復活させられそうです。
SNSに読書日記をつけていくのはどうでしょう?
リアルな世界を広げるのが難しい今だから、
バーチャルな世界で何かを始めるのもいいですよね」

そう提案してみると、もりのさんが興味を持ってくれました。

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「すごいこと」をしなくても大丈夫

誰かが見てくれることが励みになるでしょうし、
なにより自分のためになります。
記事が蓄積していくことで達成感も得られます。

やらなければいけないこと、ではなく
自分のペースで自分のために
まずは始めてみてはいかがでしょう?

ひとつの方向性としての提案ですが、
少しホッとした表情でもりのさんは言ってくれました。

「そういうことでもいいんですね、
もっとすごいことをしなければいけないと思っていました

そういうことだからいいんだと思います
今、もりのさんの業務量は、
さみしさを埋めるためにどんどん増えています。
まずは、オンとオフを切り分ける何かが必要です。
仕事から離れる時間をつくって何かをアウトプットすることに振り向けたら、
興味関心の世界を少しずつでも広げていけるのではないでしょうか?

もりのさんとは、今後も面談の機会を持ちながら
サポートを続けていきたいと思っています。

文/松岡澄江(まつおか・すみえ)
国家資格キャリアコンサルタント、研修講師

*なおこの記事は、個人の特定を避けるため、一部プロフィールや内容等を変更しています。
*キャリアコンサルタントには「守秘義務」が課されています。


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