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何歳になっても新しい挑戦は未来をつくる

こんにちは。産業保健師の小林智美です。

「保健師」という言葉を聞くと、保健所にいる保健師をイメージする方が多いのではないでしょうか?
また、保健師はどこかの組織に属し、会社員のように働く、そんなイメージもお持ちかもしれません。

しかし、私は企業で保健師として従業員の健康管理にたずさわる傍ら、産業保健に関するコンサルティング、執筆、セミナーを行い、時にはアンガーマネジメントの講座に登壇したり、保健師コミュニティを立ち上げ交流を深めたりしています。

じつはこの働き方、保健師としてはまだまだレア中のレア。
やはり、多くの保健師さんは病院、保健所、企業などに雇用される働き方をしています。

打算で看護師になったはずの私ですが(▼▼こちらのお題を参照)、どうしてキャリアチェンジをし、企業で働く保健師を経て、フリーランス保健師となったのでしょう?

その背景には、看護師時代に目の当たりにした先輩方の姿がありました。

固定概念に縛られていた私

私は高校時代、ほぼ全員が大学に進学する女子校に通っていました。多くの生徒が一生懸命勉強し、未来のために頑張っている環境でした。

そのせいか、一人の人間として働くことはもちろん、その道を究めることこそ素晴らしい人生だと考えていました。
大学入学後に看護師を目指す中でも、「看護師になったらいずれは専門看護師(※)になり、ゆくゆくは師長になること」を目標に掲げていました。

※専門看護師…がん看護、精神看護、地域看護など、特定の専門看護分野の知識・技術を深めた看護師のこと。日本看護協会の専門看護師認定審査合格者。複雑で解決困難な看護問題をもつ個人、家族及び集団に対して、水準の高い看護ケアを提供することができます。

同時に、育った環境が影響していたのでしょう。
バレエやピアノなど、おけいこ事は3歳くらいから始めたものしか極められない、今から何かを始めても目指すところには届かず、新しいことを始めることは無駄だと考えていました。

今考えれば、頭の凝り固まった冷めた10代後半だったと思います。

井の中の蛙…衝撃を受ける

そんな固定概念に縛られていた私が、とても驚いたことがありました。

それは、先輩助産師の一人が桶谷式母乳育児を学ぶために病院を辞めたことでした。

熱意も知識も技術も信頼もある先輩でしたし、このまま働き続ければ師長だって夢じゃない…そんな方だったので、衝撃でした。
先輩ですから、当然自分より年上です。先にも述べた固定概念もあって、「先輩、今更何か学んでも…」というのが私の受け止めでした。

ところが、その先輩は退職して学んだあと、もとの病院に再就職され、改めて一緒に働くことに。退職後に学んできた知識や技術を惜しみなく提供し、スタッフからいっそう信頼される存在になったのです。

その時です。私が新しいことを学び、人生に活かすことは何歳になっても可能なんだ!と知ったのは。

大げさに聞こえるかもしれませんが、私にとっては青天の霹靂でしたし、自分がどれだけもったいない人生を送ってきたか気づかされた瞬間でした。

井の中の蛙…大海に出る

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それからです。私が、

「このまま本当に看護師を続けたいのか?」
「本当は何をしたいのか?」
「そのためにはどうしたらよいのか?」

…そんなことを考えるようになったのは。

その自問自答を続けた結果、“産業保健師”という新しい道に挑戦することにたどり着きました。

それまでは、就職し安定した収入を得ることこそがステータスといった概念がありました。
しかし、私が目指す産業保健師は、さまざまな現場で役に立てるたくさんの引き出しを持った存在
だから、多くの現場を知り、学び、引き出しを増やしたい…そんな思いで、あえてパートでの産業保健師デビューを飾り、その後も就職することをせず、複数の企業とかかわりながら働くことを選んでいます。

現在も、自分の知識や経験を活かせる場所を、病院、保健所、企業に限定するのではなく、幅広い分野で活用したい、常に新しい挑戦をしたいとの思いから、“フリーランス保健師”として多様な仕事を引き受けています。

保健師としては少し変わった働き方かもしれませんが、結婚し子どももいる環境で、ワークライフバランスを考えながら自分らしい働き方が実現できている日々。
先輩から最初の一歩の勇気をいただいたことからはじまった、この働き方に満足しています。

■ 文/小林智美(こばやし・ともみ)
産業保健師、メンタルケア心理士、アンガマネージメントコンサルタント叱り方トレーナー

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