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いるだけで成長できる環境! 社内でレコメンドされて読んだ本を紹介します

はじめに

こんにちは。GMOペパボのmewmoです。
普段はデザイン部コーポレートデザインチームにて、デザインプログラムマネージャーとして働いています。

ペパボには2019年の9月に入社しまして、今年の9月で2年が経ちました。時が過ぎるのは早い…
前職は建築系書籍の編集者。学生時代も慶應義塾大学環境情報学部、通称SFCでデザイン領域の研究室に所属していたものの、当時インターネット事業にはあまり興味がなく、本の装丁デザインにばかりにかまけていた私。
ペパボに入社した際にはデザイナー未経験で、Webやインターネットに対する知識も十分ではありませんでした。

入社当時はデザイナー中途研修もなかったので、仕事をしながら経験の中で覚えていくこと、そして空いた時間で書籍を通して学習していく必要がありました。
ペパボでは社内のデザイナーでレコメンドしたい書籍をNotinページにリストとして共有していたり、有志で読書会をする文化が元々あったので、そこでレコメンドされた書籍を読み進めることで、ペパボで扱うデザイン領域に対する知識や理解を深められました。

今回は、先日デザイナー中途研修の一環で共有した、社内デザイナーからレコメンドされて私が入社当時に読んだ本のリストが好評だったので、社外に向けて22冊を、カテゴリーごとにざっくばらんに紹介していきたいと思います。

デザインシステム

入社した当時はデザインシステムに対する知見がまったくなかったので、デザインシステムとはなにか、ブランド実装においてどういう位置づけなのか、実践していくためにはどういう視点や考えが必要なのかを知るために『Design Systems ―デジタルプロダクトのためのデザインシステム実践ガイド』を読みました。
そもそもデザインシステムとはなにか、というところから、個別の認知パターンの話、実際にシステムと作動させる上でどう計画していったら良いかなど、組織的にデザインシステムを導入としている人にとって参考になる話が詰まっていると思います。

ブランディング

デザインシステムをうまくワークさせるためにはそもそものブランディングに対する理解も必要なので、この3冊を読みました。

『ブランド論』は鉄板の教科書という感じで理論から実装における考え方までとても参考になりました。

『事例で学ぶブランディング ランドーのデザイン戦略大公開』は内容のほとんどはランドーの事例集となっているので読む人によって賛否が分かれるかもしれませんが、序盤に書いてあるブランディングの開発プロセスや開発後の仕組みづくりの考え方は、ブランディングに対する知見が少なかった当時の私には参考になりました。

『ニューヨークのアートディレクターがいま、日本のビジネスリーダーに伝えたいこと』は、ビジュアル・アイデンティティやコーポレート・アイデンティティなど、ブランド実装における要素を理解するためにとても参考になりました。

デザイン組織

デザインプログラムマネージャーとしてデザイン組織の取り組みにどう貢献していけるか、社内にロールモデルがないこともあって模索していかなくては...というところだったので、この2冊を読みました。

『デザイン組織のつくりかた』を読むことで、自分に期待されている役割に対する解像度がぐんと上がった気がします。

『コ・デザイン』はデザインの歴史から体系的にデザインとはなにか、というところをやわらかい文体で解説してくれるので、デザイナー以外の方にもおすすめしたい一冊でした。

デザイン思考

この書籍自体は「デザイン科学」に関する書籍なのですが、この書籍の中で登場するデザイン行為を紐解くモデル図などがデザイン思考に関連する内容でした。具体的な例でいうとダブルダイヤモンド・モデルなどが登場します。
デザイン行為のプロセスをモデルとして理解することで、実際にデザインを実践するときにプロセスと今やっていることの位置づけを意識しながら進められるようになった気がします。

ちなみにこの本は、私がペパボの最終面接で「最後になにか質問ありますか...?」と聞かれたときになぜか「デザインに関連して勉強するのにおすすめの本ありますか?」と聞いてしまい(今思えばすごくアバウトな質問だった...)、そこで弊社CDOであるkotarokさんから今読んでてよかった本を紹介していただいたのがこの本だったのでした。読書課題のような気がして内定いただいたあとに入社までに読みきらなきゃ、と焦って読んだ記憶があります。

デザイン批評

デザイン批評についての理解を深めるためにチームで読書会を行った際に読んだのが『みんなではじめるデザイン批評―目的達成のためのコラボレーション&コミュニケーション改善ガイド』です。
デザイン批評を建設的なものにするためにはどういう準備や心構えが必要で、批評する側、批評される側、ファシリテーターなどそれぞれの役割の中でどんなことを意識したらよいか、細かに書かれていました。
ベストプラクティスがまとまっていたので、まずはそれをチームで実践できるようになろう、と実践にトライしやすくしてくれる書籍でした。

デザイン倫理

デザイン倫理という言葉も実はペパボに入社してから知った言葉でした。この本は社内のデザイナーの有志で読書会を開いて読み進めました。
デザインがポジティブな影響力だけではなく、ネガティブに働く影響力を与える可能性があること、人を傷つけ場合によっては誰かの命を奪ってしまうことすらあり得ることを、具体的な事例を交えて理解することができました。また、そうした悲劇を回避してユーザーを守るために私たちデザインする側の人間がどうシナリオを考え判断していったら良いか、というところにも言及があってとても勉強になりました。

コミュニケーションデザイン

コミュニケーションデザインというと多岐にわたりますが、前職が編集者であることもあって得意分野に近そうなUXライティングに対する知見を深めたいという狙いがあり、この2冊を読みました。

『UXライティングの教科書 ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方』は、UXライティングの中でもマイクロコピーに特化した内容で、ケースごとに事例を交えながら紹介されていてとてもわかりやすかったです。事例が諸外国のものになるので、日本の場合だとそのまま同じケースで利用できるとは限らないものもありそうではありましたが、UXライティングにおいてどういう視点が必要なのかはとても参考にできると思います。

『書かなきゃいけない人のためのWebコピーライティング教室』はコピーライティング全般の話になっていて、まず目的を達成するための内容の伝え方や文の構成・組み立てから学びたい、という方におすすめです。だいたいなにかに例える形で本が構成されているので読んでいて面白いです。読み手を飽きさせないライティングの工夫のひとつかもしれません。

ビジュアルデザイン

ビジュアルデザインに関する書籍は、基礎的なことは学生時代から読んでいる本をリファレンスとしてまだ読んでいたり、他社デザイナーのTips記事を参考にすることが多く、入社後新しく読んだ本としてはオンスクリーンにまつわる話だったり、よりスコープの狭い特化型の書籍を読むことが多かったのだなと、今この並びを見て気づきました。笑

『オンスクリーン タイポグラフィ 事例と論説から考えるウェブの文字表現』は、9名の執筆者によって事例を交えながらそれぞれの観点でスクリーン上のタイポグラフィについて論じられていています。印刷物との違いやアクセシビリティを担保するために考えるべきことなど、いろいろと考えるきっかけになりました。

『レタースペーシング タイポグラフィにおける文字間調整の考え方』は、印刷物/Webにかかわらず、文字がどうやって設計されていて文字間の関係性によってどう見え方が変わるのか、イラストを交えてわかりやすく解説されています。よくわからず己の感覚でなんとなくやっていた文字詰めの解像度が上がった気がします。

『たのしいインフォグラフィック入門』は、インフォグラフィックを制作する上での知見が深められたのはもちろん、図解の考え方についてあらためて学べたのが良かったです。コーポレートデザインチームではスライドのデザインなどで図解が多く求められることあるので、そういったところで参考になりました。

IA

IAに関してもペパボに入ってから学ぶことが多かったです。基礎的なことは社内デザイナー勉強会「Designer's MTG」でのナレッジシェアの中で知識を深めることが多かったですが、そのうえで書籍をリファレンスにしながら実践において役立てていました。(Designer's MTGでのIAのナレッジシェアの内容は、テックブログ記事「わかりやすさを作るIA」をご覧ください。)

『オブジェクト指向UIデザイン──使いやすいソフトウェアの原理』は発刊当時社内デザイナー・エンジニアの有志で読書会を開いて読み進めていました。実は後半の手を動かすワークは全部はやりきれていないのですが、OOUIの考え方を理解するのにとても参考になりました。

『今日からはじめる情報設計 センスメイキングするための7ステップ』は実践的なIAの話というよりは、情報というものをどう捉えて整理していくべきか、といった心得が書かれている印象でした。実践的な書籍を読む前に入門として読むと心の準備ができるかもしれません。

『IA100 ユーザーエクスペリエンスデザインのための情報アーキテクチャ設計』は、具体的なサイトストラクチャやナビゲーションなどを設計するときに、どういうパターンや考え方があるのか、実践過程で参考にしていました。そもそものコンテンツの分析や分類、ユーザーの分析など、Webサイトの設計において必要なことが1から10まで書かれているような内容になっています。

UIデザイン

UIデザインについてはこの2冊を読みました。

『はじめてのUIデザイン 改訂版』は、デジタルプロダクトにおけるUIの変遷から、具体的なコンポーネント、情報設計やレスポンシブ対応の話など、基礎的なことが多岐にわたって書かれていて教科書としてとても参考になりました。

『Form Design Patterns ―シンプルでインクルーシブなフォーム制作実践ガイド』は、あらゆるフォームのケースごとに事例を交えながらベストプラクティスや実装方法が書かれているといった内容でした。こちらは社内デザイナーの有志で読書会を開いて読み進めていたのですが、実際に自分たちの業務に照らし合わせて議論もできてとても有意義でした。

UXエンジニアリング

最後にUXエンジニアリング関連の書籍。入社前はほとんどコーディングをしたことがなかったので、最初はWebの仕組みやHTMLの勉強から始めました。

『ユニバーサルHTML/XHTM』は、WWWがどういう歴史的経緯で生まれたのか、ということから具体的なHTMLのサンプルを含む解説、またユーザビリティやアクセシビリティの解説など、HTMLを主軸にしつつWebに関して広く取り扱っている書籍という印象でした。この書籍を入社後最初に勧められたときはあまりの厚さに戦慄していましたが、最初に読んでよかったなと思います。

『デザイニングWebアクセシビリティ: アクセシブルな設計やコンテンツ制作のアプローチ』は、アクセシビリティに対する知見を深めたくて読みました。なぜアクセシビリティに向き合うのか、といったところからはじまって、制作における個別のケースのアクセシビリティの考え方が書かれていてわかりやすかったです。この本を読んでからWCAG2.0を参照すると、理解が捗ると思います。

『HTML5/CSS3モダンコーディング フロントエンドエンジニアが教える3つの本格レイアウト スタンダード・グリッド・シングルページレイアウトの作り方』は、サンプルデータ付きで具体的なレイアウトの実装方法を解説している書籍で、そのなかでもどうしてこのような書き方や考え方が推奨されるのかなどが丁寧に書かれていて、とても参考になりました。コーディング初心者なので、この書籍を読んで、CSSにおけるクラスとIDの取り回しについて理解ができました。

まとめ

以上、私が入社から2年で社内デザイナーからレコメンドされて読んだ本22冊の紹介でした。長くなってしまいましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございました!

ここで紹介した本は、すべて社内でレコメンドされて読んだものなのですが、自分が読んだ冊数も頑張ったなと思いつつ、そもそもこれだけの冊数の本をレコメンドしてもらえる社内環境がほんとうに最高だな...!とあらためて実感しました。まさにいるだけで成長できる環境!
このカルチャーを維持できるよう自分ものっていきたいと思います。

こんな学べる環境で働いてみたい!ともし興味をもっていただけましたら、ペパボではデザイナー採用を積極的に行っているので、まずはお話からでもお気軽にお声掛けください。私が所属するデザイン部でもシニアデザイナーとして一緒に働いてくださる仲間を募集中です!

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デザイン部 シニアデザイナー

この記事は、GMOペパボデザイナー Advent Calendar 2021の5日目の記事でした!(1日出すの遅れてごめんなさい...!)

次の6日目の記事は、minneデザイナー・たるたるさんの「読んでよかった、アクセシビリティの本」です!こちらもぜひご覧ください〜

それではまた!


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