不毛

不毛会議 #9

不毛会議

「今日から社内を大阪にします!」

会議という定義なんか、もうどうでもいい。
陰鬱ムードの社内環境改善の為にアズナブルが出した解答はこれだ「どうだまいったか」と言うかのごとく高らかな宣言であった。

そう。何だかんだ言ってアズナブルも血の通った人なのだ。
社内の空気感、雰囲気の大切さ。
そう。人と人が存在する以上、人間が醸し出す"空気"というものを感じないわけにはいかないのだ。

思いやり、助け合い、小粋なジョーク、肩をたたき合い、上手くいけばハイタッチできる。
「なんだやるじゃないか」
「そんなことないっすよ」
そんな空気感が組織には必要なんだ。

あぁそうさ。
たとえその空気がおかしくなっている原因が“自分”だということに気がつかないとしてもな。

アズナブルは恐らくこう考えたのではないだろうか。
「空気が暗い」
「空気を換えるには?」
「陽気な奴らが必要だ」
「陽気な奴らとは誰だ?」
「関西人はどうだ?いつもボチボチでんなだ」「関西人は陽気だ」
「会社を大阪に移すか?」
「いや、社内を大阪にしよう」

どうだ、論理的だろう。
とことん考えに考えた結果出た答えがこれだ。これしかないんだぜ。
おっといけない「これしかおまへん」だ。
今日から社内は大阪だ、参ったか。

さぁ早く本当の病院に行こう。
俺も限界かもしれない。

つづく

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