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「忙しい」と言う人がいたらデスクトップを確認してみ?というはなし

デスクトップを見ればわかること

「めちゃくちゃ忙しいんだよね」と言いながらバタバタしている人をたまに見かける。
そんな時、僕は必ずその人の(たまたま持っていたとしたら)デスクトップをチラ見する癖がある。
大抵の場合、デスクトップはこんな状態だ。

下手したらフォルダの数はもっと多かったりするのではないだろうか。
この記事を読まれてる方はいかがだろう?
「忙しい、忙しい」と言ってない人でも画像のようなデスクトップの人は多いのではないだろうか。

僕は「忙しい」を連呼する人のデスクトップをチラ見して、上記のような状態であれば「本当に忙しいのかな?」と考える。
なぜなら「忙しい」状態を回避する対策をとっていない可能性があると思うからだ。

忙しい状態を回避する方法

「忙しい」状態を回避する対策とは何か。
シンプルに時間だけを考えてみるとまずは「無駄を無くす」という考えに至った。
人間が「探し物」に当てている時間は年間54時間とも150時間とも言われている。
年間に2日あるいは6日間使ってる計算だ。
年に6日間探し物してるなんて考えただけでも笑っちゃう。


僕は昔、相当な時間を「探し物」に使ってた。
「去年のあの見積もりどこだっけ」
「あの指示書どこに入れたっけ」
などと膨大な時間を「探し物」に当てていた。
でも、ある日何かの影響で「探し物時間」撲滅に乗り出した。
そしてかれこれ15年くらい経つ。

パソコンの最大の強みとは何か?

まずパソコンの「探し物」時間の撲滅に乗り出した。
パソコンのデータを整理すればいいだけの簡単なことだ。
でも良くやりがちなフォルダに入れて整理するというのをやめた。
自分の部屋の棚にたくさんの書類フォルダを置いて分類を書き込んで整えた気になりたくもなるが、前提から考えることにした。

考え方はシンプルで「パソコンの最大の強みは何か?」をまず考えた。
そして、それは「検索機能」だということがわかった。
色々な作業や加工、ネット接続・閲覧なども勿論強みではあるがパソコンの「検索」という機能には敵わない。
今、皆さんのパソコンの中に入ってるデータが全て書類だったらとんでもない量の書類の山が出来上がることだろう。
その中から特定の1枚を探し出すのにどれだけの時間がかかるだろうか。
整理し分類したとしてもパソコンには敵わない。
パソコンなら「検索窓」で打ち込めば数秒で特定できるってわけだ。

「フォルダを作る」という罠

それにしても、なぜ人間はフォルダを作りたくなってしまうのだろうか。
前述した通りキャビネットに書類棚や書類ボックスを詰め込んでフォルダ分けすると何となく整理された気分になる。
整理してる気分でフォルダのタイトルを「見積り」とか「資料」とか名付けて分類していく。
しかし、ノリでタイトルをつけていくと時には「会社名」や「プロジェクト単位」などのタイトルでも分けたくなりがちだ。
何かのイベントのレポートが50人分とかあると「レポート」というフォルダより「プロジェクト」で他のレジュメやガントシートなどと一緒にまとめたくなったりしないだろうか。
そうすると会社名の中に「見積り」が入っていたりプロジェクトに「分析資料」が入っていたり、「レポート」というフォルダも「プロジェクト名」で分けてしまって膨大に増え続けたりとあっという間にカオスが出来上がる。
「あれ、ここに入れたんだけどな」なんて台詞を何度吐いたことか。

タイトルにルールを決める

そこでフォルダに頼ることをやめて、その代わりにデータのタイトルにルールを適用することにした。
何かしらのルールを決めていないと5年前のデータを検索しようにも、何を打ち込んでいいのかわからなくなってしまう。
勿論「5年前のデータのタイトルなんて忘れちまう」前提でだ。

そこで決めたルールは至って簡単。
データのタイトルを
「大分類_中分類、小分類_YYMMDD」
というルールだ。

大分類とは「そのデータを一言で言うと何?」だ
中分類とは「そのデータを特徴付ける第二の特徴は何?」だ
小分類とは「そのデータを特徴付ける第三の特徴は何?」で
YYMMDDは年月日であるYYYYにしてないのは字数を極力減らすためだ。

例えば〇〇株式会社に出した23年7月2日の見積書であれば
「見積_〇〇株式会社237月_230702」というタイトルになる

見積書の一番大きな特徴は「見積書」であるということだ。
そして第二の特徴は「誰に向けたものか」であり
第三の特徴は「いつの物か」である。

契約書だったら
「契約書_〇〇株式会社2205~2304_230702」のようになるし
企画書だったら
「企画書_〇〇株式会社プロジェクト名_230702」のようになる。
どうだろう、ちょっと面倒くさい感じもするが、この「面倒くさい」という部分が肝になるので後述しようと思う。

タイトルにルール適応する効果

人間の記憶は曖昧なのですぐ忘れてしまう。
でも探し物の対象である属性と取引先はわかっているはずだ。
もしかすると日付は忘れてしまってるかもしれないが何月くらいのかくらいは覚えていそうだ。(勿論、忘れていても探し出せる)
だから、このルールに則ってタイトルを付けさえいると
「契約書+取引先+日時」だけで必ず検索に引っ掛かるようになる。
このルールに則るとフォルダの中身はこのようになる

モザイクで見にくいかもしれないけれどタイトル属性で並んでいるので整然と種類別に分かれていることがわかる。
とはいえ検索窓しか使うことがなくなるのでフォルダを開ける必要がないのだけれど。

フォルダにルールを決める

データのタイトルを決めた後はフォルダにも工夫をした。
トップ画像は僕のパソコンのデスクトップの写真だがフォルダは3つしかない。
パソコンに「フォルダは3つしか置かない教」の信者になったというわけだ。

3つのフォルダはこのようになっている。
1、「今日」フォルダ(今日作ったフォルダ)
2、「作業中」フォルダ(昨日作ったフォルダを入れるフォルダ)
3、「保管庫」(僕はBASECAMPと名付けているが、名前の通り保管庫だ)

役割は明確で
1、今日作った書類は「今日フォルダ」に放り込む。
時にはタイトルをルール通りつけていない物もある。
タイトルを後でつけなければいけない場合があるので「今日」フォルダは仮置き場といったところだろうか、この中はルール通りじゃ無いタイトルも混在していて混沌としていてもいい。
2、そして、最低でも翌朝仕事始めのタイミングで「今日フォルダ」のタイトルを吟味し付け替え「作業中フォルダ」に移す。
そして、週に一回見直す。
見直すことは
・捨てるべきか?
・直近で使うものか?
・保管庫に入れて保存すべきか?
直近で使うものであればステイさせ、もう使わないけど資料として置いておく場合は
3、「保管庫フォルダ」に移動する。
捨てる書類はここできっぱりゴミ箱行きにする。
捨てる勇気が必要とされる。

メールにルールを決める

また、メールを送るときにメールのタイトルは添付ファイルのタイトルをつけるようにしている。
例えばこのような感じだ。
【要返信】インボイス_〇〇産業230623_230702
このように冒頭に【要返信】や【確認】【相談】など相手にしていただきたい行動を入れると分かりやすい。
ただし【緊急】や【急ぎ】は使ってはいけない。
どんな書類も緊急だと思いがちだから全部緊急になってしまうからだ。
緊急の場合は直接電話する方が効果的だ。
そして、ファイルのタイトルをメールのタイトルに入れておく。
すると自分も相手も探し出しやすくなる。
検索できるからだ。

以前いた会社ではタイトルに「お疲れ様です!!」と書く人がいた。
お陰でお目当ての書類を探すのに苦労したもんだ。
なるほど、「お疲れ様です」な訳だ。

このルールが生み出す「見えざる大きな効果」

このルールを適応してすぐにはその効果を享受できなかった。
でも、数ヶ月、数年経つとこの効果が明確に出てくる。
どの書類だろうと1分以内で探し出せることの便利さを感じるのは勿論のこと
実は「それ以外」の効果があることに気がついた。

最初は上手くタイトルを付けれないかもしれない。
上手く付けたなと感じていても「あれ?探し出せないな」と感じることや「これって中分類かな」と改めて見直すべき点が見えてくる。
その都度修正し最適化し続けていくこと。
この一つの書類が「何であるか?」を毎日繰り返し考えること。
これが「それ以外の効果」である。
僕の場合は同じ部署の部下になると強制的にこのルールに従ってもらう。
最初はみんな苦労する。
毎日書類のタイトルをルール通りにつけ続けなければならないし、上手に付けれない事もあるからだ。
しかしそれを毎日続けることで論理的思考力が高まり、物事や仕事自体の意味を「考える力」がつくようになる。
またパソコンの強みを理解すること、メールにもルールを適応し「無駄な時間」を撲滅することにここまで神経を使っているとチームに自信がつくことがわかった。
「俺たちほど効率化してる部署ないんじゃないか」と思うからだ。
また、逆に自部署から別の部署に異動になった時に、このルールの良さを実感するらしい。
世界中の人たちの多くは「探し物」で忙しいからだ。

「忙しい」ならまずはデスクトップを整理してみよう

ここ十数年、デスクトップに何もない(フォルダ3つ程度)状態の人を見かけたことは1度としてない。(部下以外では)
なのに人は「忙しい」と言うし、実際そうなんだろうと思う。
でも、毎日使うものや「探し物」に使っている「無駄な時間」を考え、工夫をし、日々更新し続けて論理的思考力を日々鍛えていても「忙しい」のと「何となく忙しい」のでは全く訳が違う。

この文章を読んで実践するとなると今フォルダに入っているすべての書類のタイトルを変えなければいけない。
その時間を投資と考えるか浪費と考えるかで未来は変わっていくのかも。 
少なくとも6日以内で終わる作業ならやる価値はあるじゃないかな。
知らんけど。

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