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歳末大売出し時期にセールのルーツ考察

ふと京都を歩いていた。
ずっと視界に入っていたけど改めてみてみると「あれ、神社じゃん」と突然目に入ってきた社。

下京区四条通寺町にある「冠者殿社(かんじゃでんしゃ、かじゃでんしゃ)」だ。
ここに書かれている文を読んで思わず唸った。なぜなら
"歳末大売り出しのルーツ"が書かれていたからだ。

もともと下京区烏丸高辻の八坂神社大政所御旅所にあったが、1590(天正18)年の区画整理(天正の地割)により、1592(文禄1)年に現地に遷される。

江戸時代の1863(文久3)年に焼けて失くなり、その後再建。

1912(明治45)年に今の位置にうつされたんだそうだ。

祭神が素戔嗚尊(スサノオノミコト)。

八坂神社の祭神も素戔嗚尊ですが、冠者殿社は素戔嗚尊の”荒魂(あらみたま)”が祀られてる。

神の穏やかな側面を”和魂(にぎみたま)”といい猛々しい側面を”荒魂”という。

和魂と荒魂は対をなしているとのこと。

この対というのと”荒いほうの魂”を祀っているというのがいいですね。

商売とは物を売って利益を得ることが基本で、それが原理原則。

ここからが大切なポイントだけど、昔の社会通念では「商売上の駆け引きで契約を破ったり、安い物を高く売って利益を得ること」に”罪の意識”を感じていた。

その”罪の意識”を払う意味で、江戸時代に「誓文払い」と言われた二十日えびす講の日(10月20日)に多くの商人が参詣することになった。

そして、神事を終えると”商売ができることへの感謝”と”利益を得ることに対する償いの意識”罪滅ぼしとして、客に利益を還元するという意味で大安売りを行ったのだそう。

この風習は商売人の間で評判となり次第に全国に広がる。

それが“歳末大安売り”という形へと変化していったのだそうだ。

成長期末期の商売はとにかく安く作ることを競争手段とし、結果的に環境破壊や様々な矛盾を産んできた。

食品や物資の過剰在庫に廃棄。

原点の商人はそこに良心があった。今一度振り返ると成長期におけるビジネスモデルの恩恵に胡座をかいた怠慢さへのツケが回ってきているのがわかる。

収益構造としても、人間本来の倫理観としても美しさのあるビジネスモデルをつくりたい。

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