不毛会議 #2
不毛会議#2
「よくやったと褒め称えてやりました」
朝礼というものをいつの日からかやるようになっていた。
この前日はアジアカップで激戦の末、見事優勝を果たしたサッカー日本代表に向けてエールを送るアズナブル。
しかし、違和感がある。よくよく考えてみると彼はサッカーに全く興味がないはず。サッカーどころかスポーツに興味、関心があるなんて聞いたことがない。光に集まる虫が暗闇に集まらないのと同様、金にならないものには目を向けないのだ。
という事は、この話を通じて何か伝えたいことが必ずあるはずだ。
常にこの会社では言葉の裏を読み取る集中力を持たないと足もとをすくわれてしまう。
何てことない発言にも裏が必ずあるのだ。
「その真意は何か?」「次に来ることは何か?」などを反射的に考えるように常に鍛えられる。(もしも裏を考えていない人間がいたなら送別会への出席が無条件で許される。もちろん主役だ。)
しかし、この発言に関しては裏を考えても考えても全く読めない。
ただわかったことは、「やけに、上から目線だな」ということだけだった。
つづく
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