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84歳寅年京子ばあちゃんの老いるを楽しむを書き留めてみる その二十六

今日はいよいよタローとの出会いのお話です。

2007年、夫が70歳になり、社長を引退することになりました。
会長として若い社長の相談役として残りますが、これまでのようにお弁当をもって毎朝6時半に出勤ということはなくなるので、日常は大きく変わりました。

以前から朝の散歩の相棒が欲しいとペットショップなどものぞいていましたが、もうすぐ70歳のお誕生日を迎えようとしていた夏のある日、次女から電話がありました。

東京の青梅市にある御岳山の神職さんのお家で柴犬の赤ちゃんが生まれたというのです。夫は、ぜひもらってきてほしいと即答しました。

御岳山は、2000年前にヤマトタケルが立ち寄った際、霧の中をオオカミが案内したと言われていて、「大口真神」という名の神様が祀られています。
天空のご神域「御岳山」の魅力 | OMEGOCOTI

山の上には東京都を見守るように「武蔵御岳神社」があって、次女が主宰していたNPOちんじゅの森が毎年夏にこの神社で民話語りを行っていたご縁で、こちらの神職さんのお家で生まれた由緒正しい(?)おいぬ様の赤ちゃんをいただくことになったのです。

御岳山の武蔵御岳神社は「大口真神」が祀られていていることから、最近では神社としては珍しくワンちゃんと一緒に鳥居をくぐって参拝できるので、ペットを連れて山に登る人たちが増えているそうです。

7月に御岳山に行ったときは生まれたばかりでしたので、1か月後、現在のちんじゅの森の代表である森村さんが1歳になったばかりの息子さんの桂大君を連れて一緒にタローをもらいに行ってくれました。

1歳になったばかりの桂大君

ちなみに、タローという名前は、タローのお父さんの名前でもあります。
お母さんは「マメ」といって神職さんのお家で飼われていますが、お父さんは山を自由に駆け回っていて、あちこちで子供を作っている…と聞きました(^^;

次女はタローをバッグに入れてケーブルカーで山を下り、バスでJR青梅線の「御岳山」駅に向かい、それから東京駅へ。

バッグに入ったタロー

武蔵御岳神社からケーブルカーの駅まで徒歩で約30分、ケーブルカーは6分、バスは約10分、御岳駅から東京駅までは約1時間40分、途中バスや電車の乗り換えの時間を入れると、ここまでで約2時間半で、さらにここから新幹線で新大阪まで2時間半。新幹線では隣に座った若いお兄ちゃんが「僕も実家で柴犬を飼っていました」と優しくこえをかけてくれたので、車掌さんにばれないようにバッグから出してお兄ちゃんに見ててもらってトイレに行って戻ってみると、子犬はそのお兄ちゃんの足の上でぐっすり眠っていたそうです。

一方、夫は朝から子犬のミルクを入れる器を買いに行ったり、タオルを用意したり、寝る場所を決めたり、タローを迎える準備で大はしゃぎでした♪
待ちきれずに、夕方早めに家を出て新大阪に向かい、改札で今か今かとタローの到着を待ちました。

朝から知らない人との大冒険で、食べ物はのどを通らないらしく、水もほとんど飲まないままだったので、大阪に着いたときは死ぬんじゃないかと思うほどぐったりしていて、夫は心配そうに、猛スピードで車を走らせ(いつものことですが)帰宅しました。

帰ってからもあまり食欲がなく、夫は何度も起きて様子をみていました。
すぐに自分と重ねるので、生まれて1ヵ月ということは、たぶん人間でいうと5歳くらいでお母さんと離されて、知らない人に連れられて穏やかな山の暮らしから大都会に連れてこられて、不安で寂しいだろうと、同じ大きさくらいのぬいぐるみを用意して傍においてやります。

それはそれは優しくてあほらしくもありましたが、思えば、夫は子供にもそういう優しさで接していました。厳しかったのは私にだけ。まあ、甘えていたのでしょうね。

お腹がすいたので、続きはまた次回。
今日のお昼はタローの大好きなおうどんにします。

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