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無計画で島に渡る話。小豆島編

緊急事態宣言がまたまた発令され、思うように出かけることも出来ない今日この頃。最近はひたすら家に籠ってHuluを見て過ごす毎日です。さて、そんな緊急事態宣言が発令される今から二週間前、仕事の関係で一週間の休みを頂きました。元々はJR九州の株優を使って九州を回ろうと考えていたのですが、なんだか出かける気になれず、結局自宅でぐーたら過ごして気が付けば休暇も五日目。このまま一週間籠っていては流石に勿体ないと、出かける決意を固めました。どこへ行こう。行きたいところもないし。強いていえば海が見たい。でも、近場の海も面白みがない。そうだ、瀬戸内海だ。


1.桃太郎に降り立つ。

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翌日、朝の飛行機で岡山桃太郎空港に降り立ち、バスで岡山駅へ向かいました。前日の天気予報では晴れときどき曇りとなっており、絶好の瀬戸内海日和です。さて岡山からどこへ行こうか。尾道か、倉敷か、はたまた竹原か。ふと、岡山のMAPを眺めていると行ったことが無くて気になる場所を発見。そう、小豆島です。
香川を代表する観光地の一つで、エンジェルロード等の名所はあまりにも有名。夏は観光客で凄いことになると聞いていたので、今の時期なら人もまばらで回りやすいのではないかと思い、小豆島へ向かうことを決めました。当然、ここで行き先を決めているのでノープラン。まぁ、海外でもないし、死ぬことはないでしょう。次の日は大阪で友人と会う予定だったので、今日中には姫路あたりまで行っておきたい。つまり、日帰りです。もったいない。

朝9時30分の岡山駅。ここから新岡山港へ移動し、小豆島へ渡るのがメインルートなのですが、乗り継ぎがうまくいかない。そこでJR宇野線に乗り、宇野からフェリーで渡るルートを選択しました。

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ひとまず、児島ゆきの普通列車に乗ります。広島圏からも消えてしまった115系は、岡山ではまだまだ現役。

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茶屋町で乗り換え。213系車両です。これぞ瀬戸大橋線というイメージがありますし、この顔の中ではこのラインカラーが一番好きだったりします。

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岡山から1回乗り継いで一時間弱。宇野線の終点、宇野に到着。瀬戸大橋が無かったころは、ここからフェリーで高松とを結ぶ宇高航路の玄関口として栄えていましたが、今ではひっそりとした終着駅です。

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改札口の掲示。岡山へのアクセス方法としてバスもあることを知らせています。JRがバス誘導というなかなか面白い構図。

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港町という雰囲気がいかにも漂う宇野駅前。そしてお気づきでしょうか、空模様に。岡山ではそれなりに晴れていたのに、完全に曇天となってしまいました。曇りの瀬戸内海なんて……。

2.いざ、フェリーへ。

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こちらが今回乗船する「フェリーてしま」。「てしま」の由来は、この小豆島に向かう航路において、途中寄港する「豊島」から。「豊島」と書いて「てしま」と読むのだそう。

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なかなか味のあるキップ売り場。小豆島航路は一日4往復です。

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乗船券を購入しました。小豆島である土庄港まで二時間弱ですが、運賃1260円。佐渡出身の私からすると、なかなかリーズナブルだと感じます。佐渡汽船が高いとかそういう訳じゃないですけどね。

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フェリーてしまは順調に瀬戸内海を進みます。本当に天気だけが残念。

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船内はソファータイプもあって、なかなか快適。瀬戸内海の航路って、通勤通学メインでかつ所要時間が短いので、基本的に簡略な設備が多いのですが、小豆島航路はそれなりの時間乗ることになるのでその配慮なのでしょうか。

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豊島に寄港。フェリーの運航には多くの方が携わってるのだな、と改めて強く感じさせられます。

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ところでこの航路、毎月第一火曜日の特定の便において、危険物の輸送が行われるらしく、その便は一般旅客が乗れないそうです。つまり、その日は一日三往復になるということ。

3.上陸

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土庄港には昼に到着。完全に曇天です、本当にありがとうございました。雨が降らないだけマシ?
さて、ここからどこへ行こうか考えます。小豆島と言ったら、名物はオリーブ。オリーブ公園なるものがあるそうなので、そこへ向かおうと思います。

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目の前にハローサイクリングが。シェアサイクルのシステムで、関東等でもかなりの数見かけるのですが、小豆島においては島内に数十か所のポイントがあるらしく、ハローサイクリング島と言っても過言ではなさそう。折角なので、オリーブ公園まで自転車に乗ろうと考えました。距離は11キロ。自転車なら丁度よさそうだなと。

港にある観光案内所で、オリーブ公園がどんな所なのかを聞いてみるついでに自転車で行くとしたら走りやすいですか、と質問してみました。すると、

「今からならやめておいたほうがいいですよ。三時間半はかかります。」

まさかの返答に唖然。11キロで自転車漕いで三時間半もかかるのか?と思ったのですが、地図上では分からない。坂がかなりきつく、それも連続しているとのこと。観光案内所の方によると、ちょうどバスが出るとのことなので自転車を諦め、大人しくバスで行くことにしました。

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オリーブ色のバスが来ました。小豆島オリーブバスという会社だそうです。単に小豆島バスという名前じゃないのがいいですね。

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そしてこの小豆島オリーブバスの路線の特徴として、運賃の上限が300円であることが挙げられます。地方で路線バスに乗ると、いくらまで運賃が上がるかわからなくて怖い、4桁の運賃表示器に恐怖を感じるといった経験がよくあるかと思いますが、小豆島オリーブバスにおいては、どこまで乗っても最高300円という良心的設定。お陰で後半になってくると、300円の運賃表示が連続するようになります。これもなかなかに珍しい。

4.そして、この展開。

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バスをオリーブ公園で降り、砂浜へ。天気さえ良ければ最高のロケーションですが、今日はこの天気のまま変わらないようなので、もう気にしないことにします。

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先ほど砂浜とは逆方向に進むと、オリーブ記念館が見えてきました。

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記念館の前にはたくさんのオリーブの木。実はなっていません。

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高台に設置されている、オリーブ色のポスト。いかにも映えそうなスポットなので、外国人女性二人が大量にシャッターを切っていました。

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映画版魔女の宅急便で使われたセットだそうですが、移築されてこの公園に保存されているのだとか。実際にお店として営業しています。

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肝心のオリーブ記念館の内部へ。これがオリーブの原木だそうです。
その他、オリーブの歴史が紹介されていて、なぜ小豆島でオリーブの栽培が盛んなのか等、なかなか興味深い内容がたくさんありました。

それにしても今日は早朝から動きっぱなし。流石にそろそろお腹が空きました。このオリーブ記念館にはレストランがあるようなので、折角だから頂くことにしましょう。オリーブを使った料理なんかが、あるのかな。

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はい。カフェは4月30日まで休業。そこまでは良いんですよ。ただ、レストランは営業していると思っていたら、水曜日定休の文字。今日は水曜日。そんなピンポイントなことある?早くも先行き不安に。

調べてみると、数キロ先の港の近くにあるうどん店が人気だそうですが、営業時間的に今から行っても厳しい。あれ、これ詰んだ?

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それはさておき、なかなかの絶景です。海と丘と風車。WindowsXPを思い出すような光景です。

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オリーブ記念館の裏手に自転車が。先ほどのハローサイクリングのポイントがここにも設置されていました。行く当ても無いし、とりあえず自転車を借りて開いている飲食店にでも入ればいいか。

ハローサイクリングに関しての説明は割愛しますが、スマホアプリから借りたい自転車を登録するだけ。あとは自転車に付いている設定機で認証すればロックが解錠されます。リーズナブルな価格も良い。

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夜には姫路に向かう予定なので、姫路に行くフェリーが出る福田港まで借りようとしたのですが、臨時休業という文字が。これでは自転車を返却できません。てか、無人のポイントで臨時休業ってなんやねん。

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調べてみると、数キロ離れた内海という辺りの喫茶店で返却できる模様。喫茶店なら食事もできるはず。これは都合がいいぞ。希望が見えてきました。ちなみに、駐輪可能が0になっていると返却できません。

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早速借りてみることに。電動なので、坂道もらくらくです。これなら、土庄から自転車で来られたかも?それにしても、防犯登録が埼玉県なのが気になります。

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海岸線を走ります。晴れてたらもっと気持ちいいんだろうなあ。

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途中にある草壁港。ここから高松までの航路が出ているのですが、休止中。人気が無く、寂しい感じです。内海フェリーの公式サイトは今風なつくりなのですが、運航休止のお知らせが出ていて理由が諸般の事情。やっぱり利用者が少ないということなのでしょうか。

5.なるよ!!うになる。

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オリーブ記念館から40分位で返却ポイントである内海に到着。坂も無く平坦で、大変走りやすかったです。流石にそろそろ食事にあり付きたい。そう願っていたのですが

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目の前の看板には「CLOSED」の文字。木金土日しか営業していないそうです。先ほども言いましたが、今日は水曜日。とことん恵まれない。

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とりあえず自転車の返却ポイントがこの先に存在しないので、返却。42分使って300円ならアリなんじゃないでしょうか。オリーブバスと同じ値段ですし。

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仕方ないので歩いて街を散策。地元住民からの視線を感じます。途中のお店では草壁~高松航路存続を願う張り紙が。コンビニ等至るところに貼られており、厳しい状況であることを感じさせられます。

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道を歩いていくと、酒造を発見。何やらカフェも併設されているっぽい。これはきたか?でも営業しているかは怪しい。

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営業中!!!勝った!!!
畑の手入れをしていたお婆さまに挨拶され、お腹を空かせながら店内へ。

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小豆島酒造さんのお店ということで、さっそくお酒を頂くことに。飲み比べセットがあって、気軽に楽しめます。個人的には左から二番目の「ふふふ。」が好みでした。

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オリーブのピザ。軽くてサクサクいける。日本酒にばっちり合う。たまらん。

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粕汁定食。空腹すぎてつい注文しすぎてしまいました。酒造だけあって、粕汁も奈良漬も絶品。ちょっと冷えてきたので、粕汁が身体を温めてくれます。こういうのでいいんだよな、こういうので。アラサー間近の私、最近は野菜中心の生活になりつつあります。

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落ち着く雰囲気の店内。いつまでも居たくなるような空気が漂っています。あえて載せませんが、このお店のトイレはなかなか面白い構造です。もし訪れたら見てみて。

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食事後は散歩。金両醤油という醸造所。ショップもあったので買い物。

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店員さんに勧められたので、ドレッシングを購入。ガーリックオリーブオイルとだし醤油のハーフ&ハーフ。美味くないわけがなかろ。

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近くにバス停があり、福田港へ行けるらしい。しかも、調べるとちょうど姫路ゆきのフェリーに接続するとのことなので、バスに乗ることに。思ったより早く島を脱出することになりましたが、また泊まりでゆっくり訪れることにしよう。オリーブバスのバス停とオリーブの木という、絶妙なマッチ。

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福田港に到着。道の駅のような見た目ですが、この中で乗船券を売っています。

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船内はなかなか豪華な設備。デビューしてまだ数年だそうな。売店もあって、軽食を摂ることができます。客席にはコンセントが付いていて、公式サイト上に充電可能と書いてあるので、恐らくスマホの充電等に使って良さそう。フェリーで充電可能ってあまり見かけないので、便利ですね。瀬戸内海だと普通に電波入るので、ネットが使えるんですよね。

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ということで福田港を出港、小豆島を後にします。次に来るときは、バリバリ晴れてるといいな。やっぱり夏でしょうかね。

そんなことを思っていると

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まるでタイミングを見計らっていたかのように、天気が急に回復し気が付けば青空。初めから本気出してくれよ。

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スマートウォッチの天候情報によると、土庄の天気は曇りとなっているので、偶々なのでしょうか。いずれにしても良いオチとなったのでした。よくない。

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