初めて脚本を書く君へ【物語を分析する】②映画の構造を知ろう
さて、ここでの映画分析とは『物語分析(脚本分析)』がメインです。
赤色の光がどんな心理的効果を与えてカメラの動きがどのように感情を表しているのか…
などと言う映像分析は脇に置いておきます。
重要なのは【登場人物、行動、セリフ、事象】によってどのように物語が構成されているかです。
そして、映画分析の基本は構造を把握した上で
“疑問を持つ事、答えを導き出すこと”です。
さて、それではまずは映画の基本構造を知りましょう。
1.映画の構造
映画は基本的に8つのシークエンスによって構成されています。
日本ではよく起承転結などと呼ばれますが、基本的に映画分析においてこれは役に立ちません。
ではシークエンスとはなんだったでしょうか?その他の言葉と一緒に見ていきましょう。
【シーン】場所ごとのまとまり。場所が変わると次のシーンになります。
【シークエンス】シーンの集合により作られる1つの話の流れの事。
【アクション/アクト】シークエンスを含むさらに大きなまとまり。(日本ではこれを指して起承転結と呼ぶ事が多い様です)
映画全体の流れはこうなります。
このように計3つのアクト(アクション)
8つのシークエンスによって基本的に映画は構成されています。
1st・アクトには2つ、
2nd・アクトには4つ、
3rd・アクトには2つ
上記の様にシークエンスが組み込まれます。
イントロダクション/オープニングロールに関しては1つ目の日常を示すシークエンスに組み込まれる事が多いです。
もちろん、映画によっては各アクションにおけるシークエンスの数が変わる事がありますが、映画を分解していくと必ず
アクト→シークエンス→シーン→カットと分解していく事が出来ます。
疑問を持つ
2.全体の構造を知る
前回も書きましたが映画分析は常に疑問を持つ事によって答えを導く出すことです。
まずは初歩的な質問。
ⅰ. アクトを把握する
どこから第一のアクトの始まりか?
どこから第二のアクトの始まりか?
どこから第三のアクトの始まりか?
ⅱ. 8つのシークエンスの内訳を把握する。
ⅲ. どこが【 the point of attack /転換点】か?
シークエンスの中から主人公の具体的な行動/問題を見つける。
ⅳ. 何が【main tension/見せ場 】か?
シークエンスの中から具体的な内容、登場人物の行動を把握する。
Ⅴ. どこが【culminations/山場】か?
シークエンスの中の具体的な内容を把握する。
Ⅵ. どこが【 climax /クライマックス】か?
シークエンスの中の具体的な内容を把握する。
これらの質問を意識して映画を見ていきましょう。