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FTMの俺とノンケの彼女③

前回は「精神的DV」まで書きました。もしこの記事から読み始めて「何の話?」となってる方はお手数ですが前の記事から読み直していただけると嬉しいです。

前回の記事の終わりがストレスで入退院をくりかえしてた俺の話だったのですが、その入退院中も元彼女は「早く会いたいよ」「早く帰ってきて」と嬉しいことを沢山俺にくれました。でもまたしても変化に気づきました。今回は「気づいた」というよりも「聞いた」です。「よく迎えに来てる人がいる」という話を聞きました。付き合ってはいなかったのですが嫉妬からの過干渉されていたのと、寄りを戻したいという言葉がまた出てくるようになったのでこちらにも突っ込む権利はあるかなと思って話をふりました。

「迎えに来てる人って誰?」「家に呼んだら許さないよ」と伝えたとこ「送り迎えしてくれてるお客さんだ」と言っていました。俺らのルールとしてお互い意中の人を家に呼ばない。家でする事をしない。と決めていたのでもしまた好きな人ができていたなら家をラブホ代わりにされるのは嫌だったのでくぎを刺す意味でも伝えました。入院してるうちは事実確認もできないのであまり深堀はしませんでしたが、退院して様子を見ているとやはり別れた時と同様の異変に気付きます。問い詰めると「妊活相手だ」といいました。どこかで聞いたことのある言葉です。別れる直前に話していたことと全く一緒でした。「妊活を再開しただけで、恋愛感情はない。気持ちはあなたにある」これも聞いたことがある言葉です。

妊活と言われたら俺は何も言えません。俺は気持ちは男で、体は女なので。その話題になると何も言えません。いう権利がないと思っています。「恋愛感情になることはない」と言っていたので半信半疑でしたが信用してました。もう前々の記事から読んでる方ならわかると思いますが、元彼女はその男を好きになりました。その人と結婚すると。全く同じ展開です。笑えるほどに同じ展開です。またそこから元彼女の二重生活が始まりました。まだ俺には気持ちがあったし、ずっと「寄りを戻したい。今は無理だけど」でずるずるとひっぱられてきて忘れることもできず。俺の気持ちは止まったままでした。そんな状態で毎晩男が迎えに来て男の所に行き、男が出勤前にうちに送ってもらって帰ってくる。男の車のマフラーがうるさくて嫌でも気づきます。それに耐えられなくなってまた家から追い出します。

男の親たちの協力もあり引っ越しは一瞬で終わりました。2度目の同じ展開。ずるずると無駄にひっぱられた気持ち。2度目の追い出し。自分の待っていた気持ち。全てに押しつぶされて人生ではじめて連日泣きました。それも大声をあげて泣きました。あとにも先にもあんなに泣くことはもうないでしょう。過去に書いたように悲しさや辛さという感情はなくなりました。8割が「怒り」でした。残りの2割は「混乱」です。人間は悲しさ以外にもこんなに涙がでるんだなと思いました。

1度目の別れから2年。1年のお付き合いと、2年の同棲とひっぱられた感情。おれの気持ちが追いつくわけがありません。一度目の別れで感情が死んでいた自分はさらに人間として冷めたとおもいます。昔から感情表現は苦手でしたが、表現する感情すらみあたりません。唯一感じる感情は「怒り」だけです。普通の生活に戻るまで数か月。営業スマイルくらいならできるようになりました。それまで続けていたツイキャスで話を聞いてくれたり笑わせてくれたり。私生活の悪さを心配してくれたり。寝れなくなっていたことなどを心配してくれる人たちに恵まれていたため、立ち直るのは早かったと思います。

それまでは元彼女を思ったままこの人生を終えてもいい。一生独身でいい。好きなままくたばってもいい。ずっと思って居よう。と、いう思考から抜け出せずに人生すてたもんだと思っていました。でもいいリスナーに恵まれその思考を変えることができました。恋愛はたぶんもうすることはできません。相手がどれだけいい子でもまじめな子でも尽くしてくれる子でも、俺の頭の中から「妊活」「結婚」というワードは消えることはないとおもいます。それを思い出して沢山相手を傷つけると思います。そう思うと「好きになっちゃいけない」から「信用できない」にかわって、友達以上に感情が膨らむことはなくなりました。「好きってどんな感情だっけ」とさえもおもいます。

もし、万が一、億が一俺のことを好いてくれる人が現れたとして。俺は傷つける事しかしないと思う。真実を述べてくれても信用してあげられないと思う。信用してる自分が想像すらできない。どこにいるかも。何をしているかも。何も信用してあげられない。好きと言われても「今だけ」としか思ってあげられない。もちろん「子どもできなくても結婚できなくても」なんて絶対信用してあげられない。元彼女をひきずってるわけではないけど、呪縛ではあるのかなと思う。好きで思い出すのではなく。悪い思い出として思い出す。

世の中のFTMは大半が通る試練なのかなとも思う。俺と同じ体験をしてる人は数えきれないほどいると思う。若ければ若いほどに。人を好きになるのに理由はないし、理屈もないのはわかっているんだけど。「結婚ができないから別れる」「子ども欲しいから別れる」というワードは俺らからしたらどう足掻くこともできない事実だからこそ、とても刺さる。強いていうなら「結婚」に関しては戸籍変更をすれば可能な範囲だ。もちろんそれをするためには沢山の時間と沢山の資金がいる。できる事実はあるが簡単なことではない。

FTMと付き合う人が皆が皆元彼女みたいな人ばかりではないのも理解している。肝を据えて「結婚できなくとも添い遂げる」と傍にいる人もいるのも確かだ。勘違いをしてほしくないのは、すべての女性を敵だとは思っていない。そして、女性が「結婚したい」「子どもが欲しい」と思うことを悪いことだとも思っていない。ただ、俺たちの経緯が悪かっただけなのもちゃんと理解している。この事で悩んだり傷ついてるFTMは沢山いると思うし、こーゆー人もいるんだよと、FTMだけでなくLGBTQだけにとどまらず世の中の皆に認知されてほしい。もちろん悩んでいるのはFTMだけではない事も。

今は昔に比べてLGBTQに対しての認知、対応など改善されてると思う。自分でも生きやすい世界だなと日々思う。ただ、それでもまだ全員がオープンにできて、親や友人や社会に受け入れられてるわけではない事も今一度理解してほしい。過度に優しくしてほしいわけでも、過度に優遇してほしいわけでもない。みんなと同じように並みの生活を並みの精神力で送りたいだけ。ただそれだけ。と、俺は思う。俺の意見でしかないけど。

LGBTQ当事者たちも、LGBTQと付き合うお相手もみんなが幸せに暮らせますように。世の中で胸をはらずとも、皆と同じように手をつないであるいたり、人前でハグをしようとも好機の目でみられないそれがあたりまえな日常が訪れますように。

悩んでるのも傷ついてるのもあなただけではありません。ここに味方がいます。ここだけじゃなく、世界に沢山います。一人だと思わないで。終わりだと思わないで。こんなに低変な生活と人生を歩んできた俺でもまだ生きてます。やりたいこともできました。一緒に前向いてみませんか?一緒にもう少し足掻いてみませんか?どうせ捨ててしまおうと思った人生なら、もうなりふり構わずやりたいことやってみませんか?

こんなくそな生活してきたやつに言われたかねえよ!って思うかもしれませんがそれでOKです。下には下がいるなと思えますよね?それでOKです。それを踏み台にしてちょっと一歩だけ前に足だしてみましょう。一緒に。俺だけじゃなくて世の中の皆と一緒に。

俺の目標は俺の記事を踏み台に皆のやる気スイッチになれる事です。「こんなくそ野郎いるんだwwwww」と思ってもらえるような話しかもってないのでそれを放出していきます。ネタ程度に呼んで笑ってもらえると嬉しいです。


底辺系FtMです。世の中には俺みたいな底辺中の底辺がいるよってのを認知してもらって「こんなやつでも足掻けるんだな。自分もやる気ちょっとだしてみよ」と、人生の踏み出すきっかけに。投げだしそうになってる人生の考え直すきっかけになれたらなと思います。