2023年2月に読んだ本まとめ

2023年2月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。


宮澤伊織「裏世界ピクニック8 共犯者の終り」

今まで“共犯者”という関係性にあった空魚と鳥子が、“恋人”になるかどうかの選択を迫られるエピソード。
鳥子に対して強い感情を抱いているのは確かなのに、その自分自身の感情の正体が分からず悩みまくる空魚。
頼れる数少ない知り合いに相談しまくって、真剣に自身の気持ちを解析している様子が丁寧でとても良かったです。
恋愛相談を受けた紅森さんが、生き生きしていてとてもかわいかったですね。
いよいよ“共犯者”としての関係に決着……となる時にもどこか締まらず、けれど唯一無二の関係に飛び込んでいったふたりが、この作品らしくて好きでした。


川原礫「アクセル・ワールド13 ‐水際の号火‐」

梅郷中学文化祭開幕……ということで、女性陣たちにARでエッチな衣装を着せたり(フーコ先輩のスリングショットが極めてヤバい)する楽しい一幕がありつつも、加速研究会の悪意はますます加速世界を蝕んでいきます。
全体的な雰囲気としては比較的穏やかというか、波乱の展開を前にしての一時の平穏というところでしょうか。
ニコが年相応の女の子らしいところを見せたり、やっぱりニコだったり、可愛かったです。
いよいよ反撃開始、というところで幕引きとなる展開だったので、ひとまず諸々の盛り上がりは次巻を楽しみにしていたいと思います。


支倉凍砂「マグダラで眠れVI」

あれだけ錬金術師として冷徹に振る舞っていたクースラが、完全にフェネシスへの想いに屈してしまっているの、凄すぎる……。
新しい街で変装する設定の組み合わせでフェネシスと別にされただけで不機嫌になってるクースラ、完全に骨抜きでは。
そんなフェネシスにメロメロのクースラが遭遇する、若いガラス職人と薬種商の恋の騒動の物語。
クースラがすっかり変わってしまっていることを感じさせる、良いエピソードでした。
もちろん錬金術師の物語として、意外なところに正解があるおもしろさも感じられて良かったです。


原作:のりしろちゃん、作画:魚住さかな「オタクに優しいギャルはいない!? 第3巻」

隠れオタクのギャルと、オタクじゃないけど包容力増し増しなギャル。
どっちが良いとか選べなさすぎるまま3人仲良く幸せ展開が続いてるので、楽しく読めています。
天音は見た目クールビューティーなのに中身とんでもないポンコツで、知れば知るほど親しみが増していきますね。
学園祭エピソードに突入したかと思ったらお泊まりイベントまで発生。
ひとつ屋根の下湯上がりすっぴん美少女ふたりと夜ふかしとか、オタクくんが羨ましすぎる。
……紗優と翔&響の方の三角関係も、かなり気になっていたりするのですが!


紀ノ上晟一「となりの布里さんがとにかくコワい。 第5巻」

祝完結。表紙の満面の笑みの布里さんが全てを物語っている。
バレンタインデーを経て、ついに結ばれるおふたりさん。
平の方から言わせたのは、男だなーって思いました。
そういえばまだ1年生だったので、これからいろんなイベントこなしつつラブラブ高校生活送れるの羨ましいし、そんなふたりの様子も見たかった……!
布里さん本当はいい子エピソード多すぎてとにかくコワくなくなってきたところ、最後に「コワい」の本当の意味を回収して終わるの、完璧では。
描き下ろしエピソードにも、もうひとつの恋の成就が描かれていてかなり良かったです。


早坂吝「誰も僕を裁けない」

要素過多の盛りだくさんなミステリ。
総じてレベルが高く、めちゃくちゃ面白かったです。
援交探偵だなんてふざけた主人公ながら、ミステリのトリックや伏線はどこまでも用意周到。
馬鹿馬鹿しさを感じさせながらも、法の在り方を描いた社会派でもあり。
らいち視点による明るい一人称で描かれる殺人事件の動きと、戸田くん視点による嫌悪感すら感じる嫌な事件の動きと、同時進行で描かれるふたつの事件がひとつに結びついたときには、あっと驚かされました。
そんなわけないだろと思いつつもロジック完璧で隙が無く、腹が立つけど認めざるを得ない。


個人的な今月のお気に入り作品トップ5

第1位/誰も僕を裁けない

第2位/裏世界ピクニック8 共犯者の終り

第3位/オタクに優しいギャルはいない!? 第3巻

第4位/アクセル・ワールド13 ‐水際の号火‐

第5位/マグダラで眠れVI