2022年8月に読んだ本まとめ

2022年8月に読んだ本を多少の備忘録とともにまとめるやつです。


暁佳奈「春夏秋冬代行者 夏の舞 下」

夏の物語もおもしろかったです。
代行者陣営、射手陣営、夏の姉妹の婚約者、【老獪亀】【一匹兎角】とあらゆる立場の者たちが一斉に動き回るのは、読んでてとても楽しいです。
バラバラだった各陣営が合流していくのは、熱くなる展開でした。
連理とあやめが心を通わす場面や、輝矢と月燈の交流など、恋愛的にホクホクする場面も多くて良かったです。
人が人に想いを寄せる描写がとんでもなく上手で、ジンと沁み入る物語でした。
夏の姉妹が幸せになれてとてもよかったです。
そして今回最大の被害者となってしまった、かわいそうな竜胆……。


四季大雅「わたしはあなたの涙になりたい」

気がつけば、何度も何度も泣かされていました。とんでもない作品です。
八雲と揺月の恋物語であると同時、大切なものを失った人が前に進むための物語でもありました。
物語のあちこちに人を想う優しさが満ちていて、ちょっと凄すぎて圧倒されてしまいました。
個人的には、みんなから愛されている清水が、八雲のことを気に入っている理由が大好きです。
そしてその清水の言葉で八雲もまた救われているのが最高でした。
八雲の父親が揺月と対面するシーンや、揺月が両親に怒るシーンも、どれもこれもが胸に迫る場面で……泣きながら読みました。


大森藤ノ「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」

例の紐でお馴染みの作品。
序盤から世界観が丁寧に用意されていて、その説明をしつつベル君に逆境が生まれたり成長したりと、コンパクトにうまくまとめているかなと。
異世界ダンジョンが読みたければ、求めてる通りのものが読める感じです。
早熟で育つのが早い主人公というのは、ワクワクする設定で楽しいですね。
ヘスティア様を筆頭に女神の方々や、ベル君憧れのアイズ、酒場のシルさんなど魅力的なキャラがたくさんいますが、ギルド受付嬢のエイナさんがいちばんかわいいと思います。エイナさん攻略しなよ……


原作・青木潤太朗、作画・森山慎「鍋に弾丸を受けながら 第2巻」

危険な場所で食う飯は美味い理論のレポ漫画。
危険な場所で食う飯って言ってるのに、初手が国内(北九州)なの治安悪すぎて笑いました。タクシーのクール冷酷な運ちゃんかっこよすぎ……。
ドバイの快適なゴージャス旅にて出会った、ワンスプーンでカラダに良い瓶、怖すぎるけど本当に体調悪いときにほしいですね。
ブラジル編はロドリゴが相変わらずで良かったです。
あと肉焼いてるときの下着姿も麗しい……。
コロナ関連も含めて、海外に行けない期間だからこそ感じ入る寂しさもある今巻でした。


桜井のりお「僕の心のヤバイやつ 第7巻」

春休み編。
完全に相思相愛でもここまでじっくり描けるのすごすぎる……。
原さん神崎くんとのWデート、私服の原さんがかわいくて素敵……。
原さんは原さんで本当にヒロイン張れる可愛さなのでは……。
小林作戦で完全にヘタ打ってそうなばやしこ……。
かなり不穏な存在として描かれていた豚野郎も、ちゃんとオチがついてよかったです。安心しました。


新馬場新「サマータイム・アイスバーグ」

それぞれに悩みを抱えた少年少女の青春模様や、国や世界を巻き込んでの壮大なSFを楽しめる作品でした。
ひとつひとつの要素の質が高かっただけに、1冊の本としては「ちょっと詰め込み過ぎでは……?」となってしまったのが残念ではありました。
悩みを抱えているキャラが多すぎて、どこを中心に感情移入したらいいのか……。
青春劇としては胸に迫る切なさや説得力があり、良かったです。
一方でSF方面ではもう少し踏み込んで説明があったほうが、分かりやすかったのかなと。
終盤の駆け抜けるようなクライマックスは、読んでいて楽しかったです。


杉井光「楽園ノイズ5」

ホワイトデーでお返しをするだけで、大騒ぎになってしまう真琴が良かったです。
PNOの女性陣全員からこれでもかとばかりにアピールをされているのに、音楽バカ拗らせすぎてて何にも伝わってないの、ラブコメとしてとても楽しかったです。
 後輩であり他のメンバーとは少し立ち位置が違う伽耶ですが、彼女にしかできない真琴への叱咤激励をする場面が印象的でした。
表紙にもある通り今回は伽耶の卒業もテーマになっており、中学校を出ていく場面はとても印象的でした。
 前へ前へと進まざるを得ないPNO。2年生からはどんな波乱が待つのでしょう?


成田良悟「デュラララ!!SH×3」

アニメキャラクターのコスプレをした通り魔が夜の池袋を脅かす話。
原作ファンの遊馬崎、狩沢らを始めとして、様々な目論見から通り魔犯を追い求めて集結していく様子は、実に楽しい群像劇でした。
1冊で綺麗に物語がまとまっていて、とても読みやすいエピソードです。
完全に噛ませ犬……にすらなれてないはずの法螺田さんがなぜかSHシリーズではいいとこ持っていくことが多いの、めちゃくちゃおもしろいですね。
八尋と姫香はかなりお似合いだと思うのですが、お互いにそんなだからこそまだ時間がかかりそうなのも、じれったくて良いですね。


鶴城東「衛くんと愛が重たい少女たち」

タイトルの通り、重たい愛情を向けてくる少女たちの物語でした。
ラブコメというよりもシリアス寄りの作品で、愛の重たさが主人公である衛くんの負担になってる感じ。
少女たちの愛が自分本位になっているものが多くて、ちょっと読んでいてしんどさを感じてしまったかも。
衛への復讐を誓う京子の真意が結局どちらに傾くことになるかは分かりませんが、少なくともこの巻では瑞希との決着に活躍してくれたので良かったです。
愛の重たさというよりも、そこここに描かれる悪意の強さが印象的な作品でした。


竜騎士07「ひぐらしのなく頃に 第四話 暇潰し編」

出題編のラストを飾るのは、圭一たちの惨劇の5年前。
さすが大人の赤坂が主人公なだけあって、コメディらしいパートは大石さんたちとの麻雀くらい。
その麻雀も大人の睨み合いなので、ゾクゾクするやりとりが良かったです。
ダム闘争の最中とあって、治安の悪い雛見沢が見られます。
圭一たちの世代の頃と考えると、村の光景もけっこう違って見えましたね。
まだまだ新人らしい初々しさの残る赤坂ですが、ここから解答編の赤坂に成長していくことを考えると、なかなかに感慨深いですね。
そしてちゃっかり出題編でも、温泉に行ってる赤坂なのでした……。


羊思尚生「朝比奈さんの弁当食べたい 1」

美人で秀才の朝比奈さんのクソマズそうな手作り弁当を食べたい。
言葉にするとギャグっぽいのだけれど、読んでみるとシリアス寄りの作品でした。
主人公の誠也を取り巻く環境が想像以上に重たいもので、朝比奈さんが知ったらどう思うだろう……という不安もありつつ。
他人に対して壁を作っている朝比奈さんが、遠慮のない視聴覚室メンバーと仲良くなっていくのが良かったです。
弁当というキーワードに込められた想いが明かされると、この表紙イラストがより一層素敵に思えてきます。
まとまっているような気がしますが、1とあるので続刊もあるのかしら。


鴨志田一「青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない」

今回はかえでがメインのエピソード。
途中まではおうち大好き妹の微笑ましいがんばり物語かと思いきや、いきなり衝撃的な事実が明かされてから一気にかえでの見方が変わりました。
果たしてどのような結果となるのかハラハラしながら読んでいたのですが、かえでも咲太も救われるラストとなって本当に良かったです。
かえでがとてもいい妹で、すごくお兄ちゃん想いで、かわいかったのでよかったです。
咲太とかえでのことを心配して寄り添ってくれる麻衣さんも、ほんと素敵な女性ですよ! その一方で、未だ謎が深まるばかりの翔子さんとは……


岬鷺宮「三角の距離は限りないゼロ8」

二重人格ヒロインのどちらが本当に好きなのか……その答えを出す最終巻。
二重人格という同列に並ぶヒロインを前にして矢野くんの決断も難しいものがあったと思いますが、誰も傷つかずに収まるかたちのラストになって良かったです。
そこまでが本当に遠回りしていていろんな人たちに迷惑をかけまくっていて、「若いなあ」と思いました。
作品完結した後に思いっきり次回作の先行掲載が40ページくらいあって、一応この作品との繋がりがあったらまずいと思って読みましたけど本当に関係なくて、某ワニが死んだときみたいなモヤモヤを覚えたり……。


個人的な今月のお気に入り作品トップ5


第1位/わたしはあなたの涙になりたい

第2位/楽園ノイズ5

第3位/青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない

第4位/春夏秋冬代行者 夏の舞 下

第5位/鍋に弾丸を受けながら 第2巻