うつ病とマズロー3

遅くなりましたが前回の続きからです。

生理的欲求

生理的欲求とはあらゆる欲求の中でも一番優先度の高い欲求であります。
そして、人間のモチベーションとしてスタート地点であるものの、それは定義しづらいものであります。
故に安易にそれを具体例を一覧にすることは、研究を進める上で人間をより正確に理解する上では難しいと判断されています。
何故具体化できないかと言うと、生理的欲求は時と場合に応じて当てはまったり当てはまらなかったりするからであります。
また、人間は必要以上の努力をしない生き物だと捉えており、それが定義しづらさに拍車をかけています。
生理的欲求は他の基本的欲求に比べ、孤立しているように見えるものの、完全に孤立しているわけではありません。
それを満たそうとすることは全て、他の欲求を満たすことにも紐づいていうということです。

安全の欲求

安全の欲求とは読んで字のごとく安全な状態であることや不安から自由であること、保護が強度であることです。
生理的欲求に次いで重要な欲求であり、場合によってはそれ以上にもなりえます。
今現代において安全の欲求は満たされている人が多いですが、精神的疾患を持つ方や、経済的に困窮している人、社会から孤立してる人などが満たされてないことが多いです。
また、何かを選択するときにおいても安全の欲求に基づいて選択することが多いです。
特に、自身の安全が脅かされると正確な判断ができなくなる傾向にあります。
コロナウィルスの件を考えると間違っていないですね。
これらを踏まえると、安全の欲求を一言で表せれば安心していたいということになります。

所属と愛の欲求

または社会的欲求とも呼ばれます。
生理的欲求と安全の欲求が満たされると現れてきます。
所属と愛の欲求の満足を求める人は以前は気にしていなかったとしても、気になると孤独になることや、存在価値を見出せる場所がないことに対して苦痛を強く感じるようになります。
また、愛には与える愛と、与えられる愛の二種類存在します。
なお現代においては、コミュニティの崩壊や偽りの仮面をつけて他者と関わることなどにより所属と愛の欲求が満たされていない状況が続いています。
所属と愛の欲求は人生の初期において満たされていたのかが重要になります。
この人生の初期は人によって基準は変わってきます。
精神的に健康的な人間は、この欲求の欠乏にも耐えられます。

尊重の欲求

まず何故、承認の欲求という訳し方ではなく本書では尊重の欲求と訳されているかと言うと、原文では「the esteem needs」となっているからです。
また、承認とは"他人から承認されること"は"自分を承認する"の二つあります。
しかし、"他人から承認されること"は他人から認められることで自分を認めることになるため、"自分を承認する"手段になります。
そして、"自分を承認する"ことは"自分を尊重する"に内包されています。
そのことからも尊重の欲求と訳すほうが適切であると本書では述べられておりました。
尊重の欲求を満たす前に村長について考える必要があります。
尊重とは普段は誰かに対して抱く思いであります。
しかし人間は身近な人物に対して中々尊重しないものです。
それは誰か、最も身近な人物は自分です。
そして私たちは相手の良いところに目を向けられることができるのに、自分ごとになると何故かできなくなります。
自分の長所を隠してしまうのです。
本当は自分で自分を認められるにもかかわらず、あえて自分を認めようとしないところがあります。
その上で尊重の欲求とは自分を尊重することになります。
他者からの承認や表面的な結果や出来事を捉えずに、自分の本質を見極めてその中で生まれてくる自己肯定感をはぐくむ必要があります。
尊重の欲求の基盤にはその自己肯定感があり、それが自己信頼感や自己有用感といった恩恵をもたらしますが、弱まると劣等感や無気力感を生みます。

自己実現の欲求

今まで上げた四つの基本的欲求が満たされたとしても、人間は自己実現の欲求、すなわち自分らしくありたいと思うようになります。
自分の持つ可能性を最大限に発揮する願望を持っていると言えます。
そして自己実現とは必ずしも仕事や職業に直結するものではありません。
一方で自分らしさを追求するという特徴も持ちます。
自己実現は個人のオリジナリティを持ちます。
自己実現を満たしている人は。恩恵や幸運をしっかりと受け止め、感謝する気持ちを持ちます。
自分の人生をより大切に扱い、他人に対しても愛情深く接することができるようになります。
自己実現と他の欲求の大きな違いは目的を達成するための手段ではなく、人間の内側から出てくる過程であることです。
つまり、過程そのものに価値を見出し、その道程自体を楽しむものであります。
自己実現者はその他の基本的欲求を満たしており、最早それらはモチベーションにはなりえないのである。
また、他の基本的欲求は何らかしらの形で他者に依存するのに対し、自己実現は他者に依存しないのであります。
自己実現のもう一つの特徴として努力して生まれるものではなく、自然と表に出てくる本性のようなものでもあります。
欲求の関係性

以上がマズローの五つの基本的欲求になります。
次回はこれらを踏まえてそもそもの欲求に関して書いていきたいと思います。

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